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意外と身近にある みんなのメディア芸術 Vol.2 アート系ミュージックビデオの奥深さ 関和亮×カジヒデキ対談

意外と身近にある みんなのメディア芸術 Vol.2 アート系ミュージックビデオの奥深さ 関和亮×カジヒデキ対談

タナカヒロシ
撮影:小林宏彰

ミュージシャンが心底ノッた作品は、いいものになる

―カジさんの印象に残っているご自身のMVはなんでしょうか?

カジ:1999年に出した“Queen Sound Babbles Again”のときは、スウェーデンのストックホルムにいる監督さんにお願いしたんですけど、すごく印象に残っています。当時、スタンリー・キューブリックの『シャイニング』がマイブームだった頃で、監督さんに「デカダンス(退廃)を感じさせる作品にしたい」っていう話をしたんです。すると監督さんがそれに応えてくれたんですが、スウェーデン人の女性と僕が絡むシーンがあったんですよ(笑)。しかもその女性は下着が見える衣装だったんですけれども、ちょっとどぎつい下着を着ていて。僕はそんなキャラでもなかったので、違う衣装に変えてもらうということがありました。

:MVは名刺みたいなものですからね。あんまりキャラじゃないことするのも、違いますよね。

カジ:でも、絡みのシーンはどうしても撮らなきゃいけなかったので、なんとか頑張りましたよ。監督さんは僕の過去作品をいくつか見てもらっていたんですけど、キャラクターまでは知らなかったと思いますので、すごくチャレンジしてくれました。あのときはちょっと困りましたけど、結果的にはすごく好きな作品になりましたね。

関和亮×カジヒデキ対談

―本人が出演するMVって、ミュージシャンにチャレンジしてもらわなきゃいけないこともありますよね?

:そうですね。「水の中に潜って」とか、「ここからここまで走って」っていう要望を遠慮していたら何もできませんので、たとえ嫌われてしまいそうだとしても言いますね。それでダメと言われたら、違うことを考えれば良いわけなので。

―そのあたりは、監督とミュージシャンの間で戦うこともあるんでしょうね。

:そうですね。ただ、MVはミュージシャンさんから依頼を受けて作るものなので、やっぱり第一はミュージシャンのものだという意識がどうしてもあるんです。映画ならば違うのかもしれませんが、「こうでなければならない」という考えを無理して通すよりは、お互いに納得したり、そのミュージシャンに合うものにしていきたいと思いながら制作しています。

―MVのおもしろさって、監督だけの作品ではなく、音楽がありアーティストがいて、その状況をどのようにプロデュースされているかを見ることなんですよね。単にビジュアルがきれいだということではなくて、いかにその音楽をおもしろく見せるか、というアイデア勝負をこそ見たい気がします。

:MVに求められる大半のことって、かっこいいとかきれいとかすごくキャッチーなことなんですけど、そういうMVはすでにたくさんあるので、逆にニッチなところに目をつけた作品のほうが際立つのかなと思ったりもしています。「なんだこれは!?」「どうやってるの?」っていう心理を見ている人に与えるのも、ひとつのキャッチとしていいんじゃないかなと。まぁ、そこまで変なものを作っているつもりもないんですけどね(笑)。

―関さんがミュージシャンに求めるものはなんでしょう?

:それぞれのミュージシャンに合わせて、けっこう悩むんですよ。この方には赤がいいのか、モノクロがいいのかとか。そういうときに、「こういうほうがいいよね」って一緒になって考えられることを求めますね。すべてを任せてもらえるのもうれしいんですが、ノリノリになって一緒に作ってくれれば撮影時の雰囲気も全然違いますしね。

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