多摩ニュータウンについてアーティストや研究者が見つめ直す『ユートピアのテーブル』展が12月11日から開催
展覧会『ユートピアのテーブル A table of utopia』が12月11日から根津The 5th Floorで開催される。
同展は、資本主義に対するオルタナティブな共同体としてのユートピアを目指して作られたという多摩ニュータウンについて、アーティストや研究者たちが見つめ直し、共有する場を作る展覧会。
参加アーティストは、黑田菜月、下山健太郎、須崎文代、印牧岳彦、雨宮牧穂、井上岳、清原惟。キュレーションは雨宮牧穂、井上岳、清原惟からなるコレクティブ・部屋が担当した。入場料は500円。
【ステートメント】
ユートピアは資本主義に対するオルタナティブな共同体を提案していた。そこは平等で、清潔で、犯罪もない、完成された場所だった。戦後の住宅不足を補うために日本に計画された多摩ニュータウンもまたユートピアを目指してつくられた。住民に行き渡るよう設計された広々とした公園、ステンレスでつくられたキッチン、車を気にせず歩ける道が設計された。
しかし開始当初、多摩ニュータウンは駅などのインフラ不足に加え、文化施設や子育ての場の不足など地域や社会の課題も多く抱えていた。男性は日中働きにでて、女性たちがそこに残された。彼女達はニュータウンでテーブルを囲み居場所をつくり、足りていなかったインフラを補い合い、諸課題をコミュニティによって解消していた。ユートピアの欠乏を埋めるための彼女達の活動は、いわばもうひとつのユートピアを生み出していた。
今、ユートピアはどのように存在できるのだろう。本展ではアーティスト、研究者たちが多摩ニュータウンを見つめ、共有する場をつくる。
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Crossing??
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