村山伸個展『Poetry in Losing』が開催。Hender Schemeのシューズを用いた新作マスクも展示

2023. 08.02

村山伸の個展『Poetry in Losing』が東京・蔵前のオルタナティブスペース「隙間」で8月5日から8月13日まで開催される。

村山伸は1977年生まれのマスクメイカー、ソフトスカルプター。ニューヨークを拠点に、自身の作品制作と並行して、ケンドリック・ラマーやA$AP Rocky、マヒトゥ・ザ・ピーポー、小沢健二などのアーティストへの作品提供、ファッションブランドとのコラボレーションを行なってきた。

服飾の背景と技術が交わる村山の作品は「ソフトスカルプチャー」と名付けられ、作家の身の回りにあるマテリアルを用いて、マスクをはじめとするモチーフをつくり出している。

同展では、15年住み続けたニューヨークを離れて今年日本に拠点を移した村山が、ニューヨークで制作したアーカイブピースと共に、隙間の運営元であるHender Schemeのシューズを用いたマスクを含む、この展示のために新たにつくられた作品を発表する。

【村山伸のコメント】
それなりに長く暮らしたニューヨークを離れることを決めた頃、こんな言葉を耳にした。
ニューヨークのストリートカルチャーはサバイバルカルチャー。アーティストがそこで生き残ろうとする態度。
古くからいた人たちはほとんど全員日本に帰ってしまった。才能のある人たちもいたのに、残念ながら力尽きて帰ってしまった。
そう語る彼らによれば、僕の帰国はどうやら「負け」を意味するらしかった。

僕はジョン・マッケンローの言葉を思い出す。
"There is a beautiful poetry in losing."
マッケンローが、キャリアの中で1番良いプレイができたと振り返る試合がある。しかしその試合で彼は負けた。

勝ち負けについて考えるなんて、長い間してこなかった。
人と比べたり比べられたりすることとは無縁の圏外にいつもいたし、そもそも僕は、勝利や1番になることへの執着が弱いのだ。

では誰かに負けを告げられた場合はどうだろう。
敗北?とされたこの僕の個人的な体験から、マッケンローのそれのような美しい詩は生まれるだろうか。

問いの答えがこの展示にあるかは僕にはわからない。
僕はただ、迷いながら手探りで作り続けてきただけだから。

2023年8月2日のニュース一覧へ 新着記事一覧へ

Special Feature

Crossing??

CINRAメディア20周年を節目に考える、カルチャーシーンの「これまで」と「これから」。過去と未来の「交差点」、そしてカルチャーとソーシャルの「交差点」に立ち、これまでの20年を振り返りながら、未来をよりよくしていくために何ができるのか?

詳しくみる

JOB

これからの企業を彩る9つのバッヂ認証システム

グリーンカンパニー

グリーンカンパニーについて
グリーンカンパニーについて