特集 PR

GOLD PANDAインタビュー

GOLD PANDAインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2010/04/16

イギリスBBCや、アメリカの有力インディ・メディアPitchforkから「2010年期待の新人」と呼ばれる、イースト・ロンドン出身のトラックメイカー、ゴールド・パンダ。ヒップホップからミニマル・テクノ、ダブステップなど様々な要素をミックスし、オリエンタルな要素を含んだ流麗なメロディと合わせた彼の音楽性は、ボアダムス以降のスピリチュアリティを持ったUSインディ・バンドに対する、UKクラブ・シーンからの回答なんて言い方もできるかもしれない。それもそのはず、彼は大の日本びいきで、かつて日本で暮らしていたこともあるだけに、日本語のリスニングもばっちり。パーティー好きのロンドンっ子ではなく、日本人らしく繊細で、ちょっとおたく気質のある、愛すべきキャラクターなのでした。

(インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:柏井万作)

日本人の丁寧な人柄が好きだし、あと街の見た目が好きなんだ。

―以前日本に住んでいたそうですが、いつ頃、どのくらいの期間住んでいたのですか?

GP:2004年から2005年だったかな? 25歳になるとワーキング・ホリデイのビザが取れなくなっちゃうから、その前に行こうと思って。日本では英語を教えて、音楽を作って、普通の生活を一年間していました。

―曲のタイトルにもなっている川崎の宮前に住んでたんですよね?

GP:ミヤマエク、サギヌマ。

―(笑)。元々日本に興味があったんですか?

GP:初めて日本に来たのは1999年で、2週間ぐらいいたのかな? 僕は旅行とか観光も好きだけど、ノーマルな生活の一部になることが好きで、とにかくすごく楽しかったんだ。それから実際に住んでみるまで、6回ぐらいは遊びに来てる。

―どういう部分が気に入ったんですか?

GP:よく言うように日本人の丁寧な人柄が好きだし、あと街の見た目が好きなんだ。高いビルが立ち並んでたりね。

僕は悲しい気持ちになったり、落ち込んでるときに音楽を作ることが多くて、その気持ちを曲に入れるんだ。

―でも実際に住むとなると苦労する部分も多かったんじゃないですか?

GOLD PANDAインタビュー

GP:ロンドンには色んな人種がいるけど、日本はみんな同じ人種だと思うので、その中で自分が一人日本語も話せずにいると、他の人と自分が全然違うんだなって感じることはあるね。市川によく泊まるんだけど、あの辺りには外国人もいないから孤独を感じることもあるし。例えば日本人の友人とレストランに行くと、店員さんが必ず僕じゃなくて友人の方ばかり見て話していたりとか。ときどきだけどね。

―そういう日本での生活が自分の音楽にも反映されていると言えますか?

GP:僕は悲しい気持ちになったり、落ち込んでるときに音楽を作ることが多くて、その気持ちを曲に入れるんだ。東京ってこんなにたくさん人がいて、みんな忙しそうにしてるけど、孤独を感じるんだよね。僕の音楽って、そういう都会で感じる孤独のサウンドトラックなんだ。

―その感覚は実際に東京で生活している日本人である僕でも感じることで、それって国籍が違っても感じることなんですね。

GP:うん、ロンドンでも同じ気持ちを感じることはあるしね。

―じゃあ日本の音楽からの影響はありますか?

GP:僕はレコードからサンプリングして曲を作るんだけど、日本にいるときにハード・オフで50円ぐらいのレコード、主に演歌をいっぱい買ったんだ。演歌とか日本のサウンドって、すごく悲しい要素があるでしょ? 中国とか中東の音階もそうで、そういうのが好きなんだ。今は琴を習いたいと思ってる。

―へえ。ちなみに日本語の「わびさび」っていう言葉はご存知ですか?

GP:…聞いたことはある気がする…どういう意味?

―ええと、日本人でも説明するのが難しいんですけど、辞書的な意味で言うと「質素で静かないい雰囲気」というか、それこそ演歌とかで感じられる感覚。ゴールド・パンダの音楽には「わびさび」に通じるものがあるなって思ってたんですよね。

GP:ワビサビ…確かに悲しげな感じがする言葉だな…覚えておくよ(笑)。

Page 1
次へ

リリース情報

GOLD PANDA<br>
『COMPANION』
GOLD PANDA
『COMPANION』

2010年4月21日発売
価格:2,200円(税込)
VARICOUNT records TBCD-1038

1. Quitter's Raga
2. Fifth Ave
3. Like Totally
4. Back Home
5. Mayuri
6. Long Vacation
7. Lonely Owl
8. I Suppose I Should Say 'Thanks' Or Some Shit
9. Heaps
10. Bad Day Bad Loop
11. Triangle Cloud
12. Win-San Western
13. Police

プロフィール

GOLD PANDA

UK イースト・ロンドンのプロデューサー/ トラックメイカーで、UK の名門インディレーベル、Wichita(Bloc Party, Simian Mobile Disco, The Cribs, Peter Bjorn And John, Clap Your Hands Say Yeah, etc)がマネージメントとして手掛けるアーティスト。現在まで3枚のEP( 'Miyamae'[Various]、 'Quitters Raga' [Makemine]、'Before' EP[self-released])をリリース。既にBloc Party、Little Boots、 Zero 7、Simian Mobile Disco他のリミックスを手掛け注目を浴びています。毎年恒例のBBC のサウンドオブ2010(2010年にブレイクが予想される15組のアーティストの特集)や、Pitchforkのリーダーズポールの2010 年期待の新人の一人に選出されるなど、今年のブレイク候補と世界的に大きな注目を浴びているアーティスト。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

サニーデイ・サービス“Tokyo Sick feat. MARIA (VaVa Remix)”

サニーデイ・サービス“Tokyo Sick feat. MARIA (VaVa Remix)”MV。監督・三宅唱の眼差しを通せば、見慣れた街のたしかな息吹が感じられる。映り込む広告から、かなり最近撮影されたのだとわかるパートも。クレジットにまで忍ばせてある遊びにも心くすぐられた(バリュー・ドリモア)。<movieのように華やかじゃない>日々にも、きらめく瞬間が散りばめられているのだと知って、今年も東京で夏の蜃気楼を待ちわびてしまう。(井戸沼)

  1. W杯を彩る音楽。ロシア大会公式ソングや開会式出演者、中継テーマ曲を紹介 1

    W杯を彩る音楽。ロシア大会公式ソングや開会式出演者、中継テーマ曲を紹介

  2. 草凪優の官能小説『どうしようもない恋の唄』R18+で映画化、藤崎里菜ら出演 2

    草凪優の官能小説『どうしようもない恋の唄』R18+で映画化、藤崎里菜ら出演

  3. KOHHの沖縄旅行&地元に密着する『SWITCH』 宇多田、ワンオクTakaらも証言 3

    KOHHの沖縄旅行&地元に密着する『SWITCH』 宇多田、ワンオクTakaらも証言

  4. 椎名林檎&MIKIKO&西加奈子が旅番組初挑戦 NHK『猫にまた旅』でロシアへ 4

    椎名林檎&MIKIKO&西加奈子が旅番組初挑戦 NHK『猫にまた旅』でロシアへ

  5. 石原さとみが10秒メイクに挑戦、花王「オーブ」ウェブ動画&新CM公開 5

    石原さとみが10秒メイクに挑戦、花王「オーブ」ウェブ動画&新CM公開

  6. 安藤政信がカメラを向ける 仏写真家&愛人に着想の矢崎仁司監督作予告編 6

    安藤政信がカメラを向ける 仏写真家&愛人に着想の矢崎仁司監督作予告編

  7. 池松壮亮に尾崎豊が憑依 松居大悟監督『君が君で君だ』新場面写真公開 7

    池松壮亮に尾崎豊が憑依 松居大悟監督『君が君で君だ』新場面写真公開

  8. 小池徹平が「先生界のプリンス」 中川大志主演『覚悟はいいかそこの女子。』 8

    小池徹平が「先生界のプリンス」 中川大志主演『覚悟はいいかそこの女子。』

  9. ラッパーのXXXTentacionが銃撃受けて逝去 20歳 9

    ラッパーのXXXTentacionが銃撃受けて逝去 20歳

  10. 野村萬斎×落合陽一 「表現の本質」に迫る『MANSAI◎解体新書』第28弾 10

    野村萬斎×落合陽一 「表現の本質」に迫る『MANSAI◎解体新書』第28弾