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□□□の問題作『CD』をアートワークから徹底解剖

□□□の問題作『CD』をアートワークから徹底解剖

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2011/02/22
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「文字と言葉」がテーマに据えられた□□□の新作『CD』は、楽曲のみならず、ジャケットや歌詞カードのデザイン、ミュージックビデオに至るまで、徹底的に「文字と言葉」にこだわって制作されている。ジャケットのCDやアー写はすべて文字で作られ、初回盤はホロ箔に、いまどき珍しい活版印刷仕様というこだわりようだ。このディレクションおよびデザインを担当したのは、いち早くUstreamを導入した『everyday is a symphony』のライブ演出以来の付き合いとなる伊藤ガビンをはじめ、伊藤と共にデザインユニット「NNNNY」のメンバーであるいすたえこ、最近メンバーに加わったという林洋介、そして宮本拓馬の4人。別途公開される□□□メンバー・インタビューに先んじて、まずはこの4人を迎え、デザインの側から『CD』という2011年屈指の問題作に迫ってみた。

(インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:柏井万作)

捨てないことを推奨してるわけじゃなくて、「どう思うのかな?」っていう問いかけが面白いかなって。

―初めは□□□の側からどんな依頼があったのですか?

伊藤:最初は「ホームページをリニューアルしたいからやってください」ってことを言われたんですよ。あと以前からの流れでライブ演出のふたつですね。…で、結局ジャケットとかミュージックビデオまで作ってるっていう(笑)。

□□□の問題作『CD』をアートワークから徹底解剖
□□□『CD』中ジャケット

―(笑)。

伊藤:「文字と言葉」が今作のテーマっていうのは聞いてて、じゃあトータルで作った方が面白いんじゃないの? って思ったんです。それで、全部文字でやろうって提案をしたら、「じゃあジャケットも」みたいな流れに…言われたかな? 言われないで勝手にやってたのかな?

―(笑)。メンバーとはどんな話をされたんですか?

伊藤:僕は秋葉原の「3331(Arts Chiyoda)」(秋葉原の旧錬成中学を再利用したアートスペース)にいるんですけど、部屋が教室なんで、人が入ってきやすい雰囲気なんですよね。それで□□□のメンバーも突然ガラっと入ってきたりするわけです。どっか行って、また酔っ払って入ってきて、急に今作の歌詞カードのアイデアについて説明を始めたんですよ(笑)。

いす:その前にせいこうさんとこで花火大会を見てたときに、三浦康嗣くんが「アルゴリズム的な曲をやりたいと思ってずっと考えてて、やっとできそうな気がする」って話はしてましたよね。だから事前にちょっとは聞いてたんですけど。

―文字だけでジャケットを作ろうっていうアイデアはすんなり決まったんですか?

□□□の問題作『CD』をアートワークから徹底解剖
伊藤ガビン

伊藤:メンバーと最初の頃話していたのは、アルバムコンセプト的には「何もなくていいんじゃない?」「真っ白でいいんじゃん?」ってことでした。だけどタイトルが「CD」になった時に、CDのパッケージそのものがテーマになった感じですね。 CDとレコードを比べると、CDになった時点でデータの入れ物になってて、フェティッシュな感じじゃなくなってるんだけど、なんとなくブツとしての存在感をちょっとだけ残してる、そういうところが面白いと思ってて。

いす:廉価版みたいな。余計な飾りがなくてCDそのものしかない、みたいな。

伊藤:CDって、ブツとデータの中間の不思議な存在だなあ、と。だから歌詞カードも、いわゆる「自炊」と言われている、スキャンして本体を売っちゃうっていうカルチャー…じゃないけど、それに対応しようみたいなことを話してたんですよ。だから今回、歌詞カードを冊子として綴じてないんです。

□□□の問題作『CD』をアートワークから徹底解剖

―なるほど。

伊藤:裁断済みだから、「スキャンして捨ててもいいですよ」っていうアプローチなんですけど、こういう手間暇かかった活版印刷(活字を組み合わせて作った版で印刷する)の物を前にして、「どう思うのかな?」「捨てられるのかな?」って問いかけてるんです。だって三木さん(初回盤の活版印刷を担当した弘陽印刷の社長)がひとつひとつね、活字を拾って、活版印刷で組んで、刷ってるわけじゃないですか? 「そんなものを捨てられるのか?」と。だけど、スキャンしやすいように裁断済みっていう(笑)。

―世代で分かれそうですね。今の若い人はパソコン買い換えるときに音楽データを移さないとかいうし。

伊藤:ほかのアルバムと比べると大分捨てにくいものになってるとは思うんですけど、捨てないことを推奨してるわけじゃなくて、「どう思うのかな?」っていう問いかけが面白いかなって。電子書籍が話題になっているときに、いとうせいこうさんがTwitterで「紙の本にこだわってるのなんかノスタルジーしかないからダメだ」みたいな発言をしてて、でも一方では江戸趣味っていうか、古典芸能みたいなことを愛してるじゃないですか? そういうのが面白いなって。

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イベント情報

『□□□03「CD」御披露目会「CD-R」』

2011年2月26日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 原宿 ラフォーレミュージアム原宿
出演:□□□(三浦康嗣、村田シゲ、いとうせいこう)+オータコージ
演出:伊藤ガビン
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

『□□□04「CD」御披露目会「CD」』

2011年2月27日(日)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:東京都 原宿 ラフォーレミュージアム原宿
出演:□□□(三浦康嗣、村田シゲ、いとうせいこう)+内田慈、大木美佐子、金田朋子、まつゆう*、オータコージ
演出:伊藤ガビン
料金:前売5,500円 当日6,000円 2日間通し券8,000円(共にドリンク別)

リリース情報

□□□<br>
『CD』
□□□
『CD』

2011年2月23日発売
価格:3,000円(税込)
RZCM-46734 / commmons

1. はじまり
2. 1234 feat.内田慈
3. ヒップホップの経年変化
4. 恋はリズムに乗って feat.大木美佐子
5. スカイツリー
6. あたらしいたましい feat.金田朋子
7. ちょwwwおまwwww
8. ヵゝヵゞゐ。 feat.RUMI
9. iuai feat.まつゆう*
10. lʌ'v mi

プロフィール

NNNNY(えぬえぬえぬえぬわい)

グラフィックデザイナーのいすたえこと編集者の伊藤ガビンによって結成されたデザインユニット。その後、イラストレーターの萩原慶、プログラマー&デザイナーの林洋介、NY支局のマット・ファーゴが加わった。理詰めで考えた末の見たことない結論としてのデザインが得意。

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<私というバケモノが 生まれ落ち>というフレーズで始まる、不老不死の主人公の悲しみや無力感から死を願う楽曲のPV。歌うのは、その歌声に儚さと透明感を同居させるedda。ファンタジックながらもどこか暗い影を落とす楽曲世界と、ドールファッションモデルの橋本ルルを起用した不思議な温度感のある映像がマッチしている。(山元)