特集 PR

表現はひとつじゃない ベベチオ インタビュー

表現はひとつじゃない ベベチオ インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:木下夕希
2011/04/26

新作『リビングのデカダンス』を発表する2人組=ベベチオの早瀬直久は、もしかしたら「音楽じゃなくてもよかった」人なのかもしれない。学生時代から、好奇心の赴くままに様々なアートに触れ、今もそれを続けている早瀬にとって、その中からたまたま選び取ったのが音楽だったのではないか? 今回のインタビューを通して、僕はそんな風に思った。もちろん、まるでマイナスイオンのように、リスナーの心にじんわりと染み入る天性の歌声は、それだけで早瀬が音楽をやることの理由だと言える。ただ、映像的な楽曲にしても、せつなくもくすっと笑える歌詞にしても、やはり様々なアートに触れてきた彼だからこそ作り得るものであることは間違いない。そして、そこで大事なのは、どんな表現方法であるかということではなく、そこにちゃんと自分自身が反映されているかどうかなのだ。少しでもアートに携わるものにとって、とても意義のある対話になったと思う。

そういうちょっと…やりたがりみたいな、学生のよくあるパターンですよね(笑)

―早瀬さんと平良さんは元々高校の同級生だったんですよね?

早瀬:そうなんです。クラスとかは一緒になったことないんですけど、平良はバンドマンでもててるという感じで(笑)。その頃僕は趣味で映画を撮ったりしてて、音楽は全くしてなくて、自分がバンドやるなんてイメージも全然なかったですね。

―音楽を聴いてはいたんですか?

早瀬:大好きで聴いてたんですけど、音楽の授業も全然できませんでしたし、楽譜ももちろん読めませんし、まさか自分がって感じでしたね。その後、芸大に行って、自分たちで撮った映画の上映会をするときに、「音楽の著作権料がなんぼかかる」って話になって。「それだったら自分で」っていうのが曲を作り始めたきっかけで、実際やってみたら意外とできるとか思って、毎日のようにMDに録音してました。それが21とか22の頃かな。

―でも元々は映画がやりたくて芸大に行ったわけですよね。

早瀬:学生だけで作るってなると、短い映画でも必死だったんですよ。撮影したテープをパソコンに取り込むだけで何時間もかかったりして。学生だし、勉強もあったりしてなかなか進まない中で、音楽を作るのとは速度が違ったっていうのはひとつあったんですよ。あとは大学では劇団もやってて、作家として書いたりもしてたんです。

表現はひとつじゃない ベベチオ インタビュー
早瀬直久

―映画、音楽、演劇と、色んなことをされてたんですね。

早瀬:そうなんです。そういうちょっと…やりたがりみたいな、学生のよくあるパターンですよね(笑)

―中でも特にどの作業が好きでした?

早瀬:話を作るのが1番好きでしたね。せつない生活の中で、でもちょっと笑ってしまうみたいな感じを出すっていうのは、今のベベチオの曲とも共通する部分だと思います。未だにやるんですけど、絵コンテみたいのを書いて、それを軸にアレンジを考えたりしますね。

―ベベチオの曲ってすごく映像的だと思うんですけど、そういうところからも来てるんですね。映像的な曲の作り方をする人はたくさんいても、絵コンテまで書く人はなかなかいないでしょうから。

早瀬:そうかもしれないですね。それがPVになるわけでもないですからね。なんか自分なりのメモみたいのってあるじゃないですか? 走り書きでわけのわからない、そういう感じなんです。

―ああ、それわかるなあ。僕もめっちゃメモしますもん。あとで見返すかっていうとそうでもないんだけど、なんか書いとかないと落ち着かないみたいな。

早瀬:僕そういうちっちゃいメモ帳いっぱいありますよ。ひさびさに見返してみると、「これなんかええ感じやな」っていうのと、「ホンマ意味わからへん」っていうのありますね(笑)。あと僕日記をMDにずっと録ってたんですよ。20歳から3年間ぐらい録ってて、50本ぐらいあるんですけど、最近それを聴きながらお茶飲んだりしてて、「録ってて良かったな」って(笑)

―ただの日記なんですか? それとも作家的な、ちょっとお話っぽくしたりとか?

早瀬:最初はホンマにその日のことをしゃべってるんですけど、途中でテンションあがってわけわからなくなってくるみたいな(笑)

―ちょっとDJ気分?

早瀬:何やってたんだろうなって思うんですけど…でもきっとそうですね(笑)

2/3ページ:表現するにあたって、これをやったら恥ずかしいとか、かっこ悪いとかってホンマに最近なくなってきて。

Page 1
次へ

リリース情報

ベベチオ『リビングのデカダンス』
ベベチオ
『リビングのデカダンス』

2011年4月27日発売
価格:2,520円(税込)
XNHL-14003

1. bit
2. いとしいときわ
3. キーワード
4. 写真の声
5. 愛のカタチ
6. BOY
7. ブギのカギ
8. 蛍
9. どこ吹く風
10. 水の泡
11. つづく

イベント情報

ベベチオ『ジャポネイオン2011』
『リビングのデカダンス』Release Live

2011年6月24日(金)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:東京都 下北沢 GARDEN
出演:ベベチオ
料金:前売3,500円 当日4,000円(ドリンク別)

2011年6月25日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 心斎橋 BIG CAT
出演:ベベチオ
料金:前売3,500円 当日4,000円(ドリンク別)

ベベチオ『リビングのデカダンス』インストアライブツアー

2011年5月1日(日)START 15:00
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店 6Fイベントスペース

2011年5月14日(土)START 17:00
会場:北海道 HMV札幌ステラプレイス

2011年5月15日(日)START 13:00
会場:福岡県 キャナルシティ博多 B1Fサンプラザステージ

2011年5月22日(日)START 15:00
会場:大阪府 タワーレコード梅田大阪マルビル店 イベントスペース

2011年5月22日(日)START 18:00
会場:大阪府 タワーレコード難波店 イベントスペース

2011年5月30日(月)START 19:00
会場:東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース

プロフィール

ベベチオ

2000年結成、早瀬直久(Vo,Gt)、平良正仁(Ba)による2人組ポップスユニット。ボーカル早瀬の透明な歌声に「懐かしいのに新しい」独特のサウンドでファン層を着実に増やしている。2008年にはJR東日本CM「恋の中」や上野樹里主演映画の「幸福のスイッチ」のテーマ曲“幸福のスイッチ”等を含むセルフプロデュースによる1stフルアルバム『ちょうちょ』を発売し、話題を集める。近年、製薬会社商品のCMナレーション等、早瀬の声をお茶の間に届けられる様、徐々に音楽以外の活動の幅をも広げている。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

MONO NO AWARE“東京”

一言で「東京」と言っても、いろんな場所があるし、そこに暮らす人の価値観や思想もさまざま。MONO NO AWAREの新作より、玉置周啓と加藤成順の故郷・八丈島(ここも東京)をドキュメンタリータッチに切り取った“東京”のPVが公開。<みんながみんな 幸せになる方法などない><無理くり手をつないでも 足並みなどそろわない>という歌い出しにハッとさせられる。私とあなたの違いを「受け入れる」のではなく、その違いをもっとポジティブに捉える思考の転換が僕らには必要なのかもしれないですね。これ、マジの名曲です。(山元)

  1. ケンドリック・ラマーの黒塗り広告が突如、霞ヶ関駅&国会議事堂前駅に出現 1

    ケンドリック・ラマーの黒塗り広告が突如、霞ヶ関駅&国会議事堂前駅に出現

  2. 徳永えり主演ドラマ『恋のツキ』に川谷絵音が出演 映画監督役で演技初挑戦 2

    徳永えり主演ドラマ『恋のツキ』に川谷絵音が出演 映画監督役で演技初挑戦

  3. 小栗旬VS窪田正孝の死闘や三浦春馬も登場 映画『銀魂2』予告編&新写真 3

    小栗旬VS窪田正孝の死闘や三浦春馬も登場 映画『銀魂2』予告編&新写真

  4. 欅坂46・平手友梨奈が平手打ち&不良の指を折る 『響 -HIBIKI-』予告編 4

    欅坂46・平手友梨奈が平手打ち&不良の指を折る 『響 -HIBIKI-』予告編

  5. King Gnu常田大希の野望と目論み 次の時代を見据える男の脳内 5

    King Gnu常田大希の野望と目論み 次の時代を見据える男の脳内

  6. サニーデイ・サービスの丸山晴茂が5月に逝去 食道静脈瘤破裂のため 6

    サニーデイ・サービスの丸山晴茂が5月に逝去 食道静脈瘤破裂のため

  7. 『音楽チャンプ』を制覇した16歳。琴音の謎めいた素顔に迫る 7

    『音楽チャンプ』を制覇した16歳。琴音の謎めいた素顔に迫る

  8. Coccoが21着限定のスカートを販売 売上を豪雨被害のチャリティーに寄付 8

    Coccoが21着限定のスカートを販売 売上を豪雨被害のチャリティーに寄付

  9. チャットモンチーの青春は終わっていない。ラストワンマンを観て 9

    チャットモンチーの青春は終わっていない。ラストワンマンを観て

  10. ホン・サンス×キム・ミニのタッグ作が4本連続公開 背景やねらいを訊く 10

    ホン・サンス×キム・ミニのタッグ作が4本連続公開 背景やねらいを訊く