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漕いだり流されたり カコイミクインタビュー

漕いだり流されたり カコイミクインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2011/05/23

音楽シーンを見渡せば、ソロの女性シンガーは無数に存在するわけだが、その中でも輝きを見せる人というのは、セルフプロデュース能力が高い人なのではないかと思う。歌の上手い人も、容姿の美しい人もたくさんいる中で、いかに自分の得意なこと・やりたいことを見極め、実際にどう実行していくかを考えること。それこそが大事なのではないだろうか。
幼い頃からダンスやピアノに親しみ、絵を書くことや料理も好きだという根っからのクリエイター気質を持ったシンガー・カコイミクは、試行錯誤のときを経て、自らのやりたいことを選び取り、初のフルアルバム『RAFT』を完成させた。大橋トリオをはじめとした多数のプロデューサーが参加し、バラエティ豊かな楽曲を収録した本作の制作を通じて、彼女はより自らを反映した音楽を作る意欲が高まったと語っている。これからそのクリエイティビティとセルフプロデュース能力を、ますます発揮していってくれることを期待したい。

Aメロからサビになったときに、サビの歌詞だってわかるのはこういう感じなんだなとか、そういうことを1人で黙々とやってました。

―小さい頃は歌じゃなくてダンスやピアノをやっていたそうですね?

漕いだり流されたり カコイミクインタビュー
カコイミク

カコイ:新体操のリボンを見て、「あれをやりたい!」って母親に言ったらしいんです。私がやりたかったのは踊りでも何でもなくて、ただリボンをぐるーって回したかっただけなんですけど、連れて行ってくれたのはダンス教室みたいなところで、「リボンないじゃん」って(笑)。ピアノはおじいちゃんが買ってくれたんで、習いに行ってました。


―ご家族も音楽好きなんですか?

カコイ:そうでもないんですけど、「この子は音楽とかエンタテイメントが好きな子なんだ」って思ってたらしくて。

―へえ、何でそう思ったんでしょうね?

カコイ:すごい踊りが上手かったらしいんですよね。親バカだと思いますけど(笑)。それで「この子はこういう才能があるんだ」って思い込んじゃったらしくて、ミュージカル見に行ったりとかさせてもらってました。

―でも実際、親御さんには先見の明がありましたね(笑)。それで、出身の福岡から大阪に移ったときぐらいから、興味が音楽に移行してるんですよね?

カコイ:そうですね。ピアノも踊りもやめちゃって、結構ぼやーっとしてたんですけど、バンドみたいなものをやってみたいって漠然と思うようになって、でも楽器をやってる友達もいないし、とりあえず歌詞かなって思ったんです。知ってる洋楽のポップスに日本語の歌詞を乗せてみたりとか、全然何もフォーマットがない状態で歌詞だけ書いたりとか、中学の時は1人でそういうことをチマチマとやってました。

―ちなみに、どんなことを書いてたか覚えてます?

カコイ:なんか意味のわかんない歌詞でした…この消しゴムはどこから来てどこに行くんだろう、とか(笑)。

―いかにも中学生らしいモチーフですね(笑)。じゃあ、作詞から、実際に歌ってみるようになるのは?

カコイ:文章ばかり書いてたら面白くなくなっちゃって、ピアノで作曲とかできないかなって思ってやってみたら、結構できたんで、それに自分の歌詞を乗せてみたりして、「あ、こういう風に歌謡曲ってできてるんだな」って考えたりしてました。言葉のキャッチ―さとかあるじゃないですか? サビに来るような歌詞っていうのを何となく自分で学んで、Aメロからサビになったときに、サビの歌詞だってわかるのはこういう感じなんだなとか、そういうことを1人で黙々とやってました。

―作詞も作曲も独学で身につけてきたんですね。

カコイ:基本的に何かを作るのがすごく好きで、もしかして歌より得意だったら、絵描きをやってたかもしれないし、とにかく創作するのが好きなんですよ。料理とかも好きだし。あと考えるのがすごく好きなんですよね。「これを作るにはどうしたらいいんだろう?」みたいな。

2/4ページ:ただ言葉にできなかったことをちゃんと形にしたいっていう思いが強かったですね。

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リリース情報

カコイミク『RAFT』
カコイミク
『RAFT』

2011年5月18日
価格:2,500円(税込)
Knife Edge / PCCA-3416

1. エンプティ・エンプティ
2. IROHA
3. イン・ザ・ダーク イン・ザ・ライト
4. 好きさ
5. 彼の陽、彼の場所
6. RAFT SONG
7. 雪
8. I GO HOME
9. ロマンチックストレンジャー
10. よごれた靴
11. 歩いて帰ろう

プロフィール

カコイミク

O型。福岡県出身。3歳の頃からジャズバレエとピアノを習い始め、マイケル・ジャクソンや当時の流行の洋楽をなんとなく聴いて育ちダンスと音楽に親しむ少女時代を過ごす。大学入学後、個人で音楽活動をしていた2003年頃に大阪でバンドのボーカリストとして加入したことがきっかけとなり、2006年にBMG JAPANのインディーズから1st mini album『飾らない情熱』にてデビュー。2009年7月、大橋好規(大橋トリオ)のプロデュースによりmini album『DIGIDIGI LALA』をリリース。2011年5月18日にアルバム『RAFT』をリリースした。

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