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台無しにした、その先に OUTATBEROインタビュー

台無しにした、その先に OUTATBEROインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:木下夕希
2011/12/14

「音楽と地域の関係性」というのは、アメリカやイギリスの音楽シーンを語るときによく出てくるトピックだが、言うまでもなく、日本の音楽シーンにおいても非常に重要なトピックである。札幌、名古屋、大阪、福岡にはそれぞれ歴史のある独自の音楽シーンが存在し、最近では青森、仙台、神戸なども注目を浴びている。そして、その中でも京都の存在が常に際立っていることは誰もが認めるところだろう。京都大学西部講堂は「関西音楽シーンの聖地」と呼ばれ、『ボロフェスタ』『みやこ音楽祭』『京都音楽博覧会』『京都大作戦』と、他の地域にはない独自性を持ったフェスが多いことも、京都ならではである。そして、OUTATBEROはそんな京都の中で、アンダーグラウンド・シーンの先輩の背中を見て成長してきたバンドであり、シーンに対する愛着があるからこそ、現状に満足せず、その先を目指そうとするバンドである。カテゴライズ不能の音楽性を持った新作『ARM』同様、その意志の強さやイマジネーションの豊かさもまた、とてもひとつの枠に収めることはできない、稀有な存在である。

周りのバンドが解散とかで少しずついなくなっていって、それが嫌だったんですよ。好きな音楽がなくなっていくような感じがして。

―OUTATBEROの結成は2007年で、2009年から現在のメンバーになってるわけですが、結成当初のバンドのビジョンはどういったものだったんですか?

BINGO:1番最初からのメンバーはもう僕だけなんですけど、もともとはニューウェイブがすごく好きで、「DEVOみたいな音を使って、オルタナやろうぜ」みたいな。単純にそんな感じでしたね。

―現在の他の3人のメンバーはどう集まったんですか?

BINGO:ドラムのGとは前から知り合いだったんですけど、僕らの周りにいたバンドってもっと年上ばっかりだったんですよ。10代だったのが僕とGぐらいで。

―その時はまだGさんとバンドは一緒にやってなかったんですね。

BINGO:「お前ら一緒にやればいいんちゃう?」ってよく言われてたんですけど、その当時は仲良くやれる気がしなくて(笑)。そんな中、周りのバンドが解散とかで少しずついなくなっていって、それが嫌だったんですよ。好きな音楽がなくなっていくような感じがして。そのとき、当時のOUTATBEROのメンバーも一斉に「やめようか」って話になって。

―一斉にやめたんですか。

BINGO:シンセサイザーを担当してたメンバーがサウンド面の中心だったので、その人が「やめる」と言った瞬間に、「じゃあ、無理だろう」って思ったんです。でも、その時点で今のギターのCはいて、彼は「続けようよ」と。そんなときにGの顔が浮かんで、「仕方ねえな」と思って声をかけて(笑)。

BINGO
BINGO

―仕方なく(笑)。

BINGO:変な使命感じゃないですけど、「このままだとみんないなくなっちゃうね」って思ったんですよね。それで、Gを誘って、Cの大学の同級生だったUがベースで入ってきて、だから今のメンバーで始めてそんなに時間が経ったわけじゃないんですけど、すごくよくやれてるとは思いますね。

―そんなに周りのバンドがいなくなっちゃってたんですか? 京都の音楽シーンには厚い層があるっていうイメージがあるんですけど。

BINGO:京都のアンダーグラウンド・シーンが好きな人はもちろん多いんですけど、僕らがホントにかっこいいと思ってた音楽って、周りにいたバンドたちなんです。それがどんどんいなくなっていっちゃって、しかもその音楽は僕らにはできなかったんですよ。単純に「すげえ」ってなるだけで。

―その「できる」「できない」の差はどこにあったんでしょう?

BINGO:Gと僕が直接的に上のバンドと関わったのが大きかったんだと思います。京都にTORICOっていうバンドがいたんですけど、うちのメンバーみんな大好きで、今でも「どうやったら勝てるんだろう? もういねえけど」って言ったり(笑)、未だにコンプレックスなんです。

―TORICOはどこがそんなにすごかったんですか?

BINGO:一概にアンダーグラウンドの音楽とは言えないっていうか、アンダーグラウンドに存在する音楽だとは思うんですけど、そこだけに収まらない圧倒的なオリジナリティがあったんですよね。何とも比較することができないっていう。あと、僕やGは、その独自性みたいなものがすごく構築的に作られてると思ってたんですけど、実際に関わってみたら、ただのロックバンドだったというか。感覚的に音を決定していて、すげえ「いい加減」だったんです。どっちの意味でも(笑)。

―でも、少なくとも「圧倒的にオリジナリティがあって、何とも比較することができない」っていうのは、OUTATBEROにちゃんと引き継がれてますよね。

BINGO:ありがとうございます(笑)。

2/3ページ:自分たちの場所を作るのって、意志とか願望とか、そういうものが強くないとダメなんじゃないかって思うんですよね。

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リリース情報

OUTATBERO『ARM』
OUTATBERO
『ARM』

2011年12月7日発売
価格:1,890円(税込)
STNO-226

1. the sleeper
2. good dry
3. national down
4. accident A,
5. katoeII
6. monopolized
7. get curve
8. division and happiness
9. un order
10. individual
11. cast night moon

プロフィール

OUTATBERO

2007年京都にて結成。2010年春に現編成に。同年9月、1stアルバム"CUPRUNOID"リリース。iTunesオルタナティブチャート1位獲得。 2011年11月初のEUツアー。そして12月7日、2ndアルバム"ARM"リリース。シューゲイズ/エレクトロニカ/フリーフォーク/ダブステップ等の要素を取り入れた緻密かつ幽玄でダイナミックなサウンドは世界基準とも評され、今作でOUTATBEROという一つのバンドサウンドを確立した。

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