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気鋭の作曲家 HIDETAKE TAKAYAMAインタビュー

気鋭の作曲家 HIDETAKE TAKAYAMAインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎

幼い頃からクラシックピアノを始め、日大の藝術学部に進学。卒業後は映画やCM音楽の制作と並行して、ソロ名義の活動も展開。2010年に発表したデビュー作『Right Time + Right Music』は、ヒップホップ、ソウル、クラシック、エレクトロニカを横断し、THE CINEMATIC ORCHESTRAにも通じる映像喚起力の高い作品に……こうしてHIDETAKE TAKAYAMAのこれまでの歩みをシンプルに振り返っていくと、どこか完璧すぎて隙がないようにも受け取れるが、実際のTAKAYAMAの一番の魅力は、ある種の隙も含めた、人間臭さにこそあるように思う。

新作『Asterism』には、現在ライブ活動を共にするシンガーのヨー・ハーディングをはじめ、ホテルニュートーキョーの今谷忠弘、PVではamazarashiのアニメーションを手掛ける森江康太など、彼がここ数年で交流を深めてきた人物たちが多数参加。どこか架空の世界を連想させるような流麗なサウンドスケープの背景には、TAKAYAMAの実生活における人と人のつながりがあり、それが本作の魅力を一層引き立てていることは間違いない。そしてそこには、Twitterなどのツールによって、作品そのものだけではなく、アーティストの人間としての魅力も問われるようになった現代との、明確なリンクがあるとも言えるだろう。

たまりにたまった気持ちを爆発させて、泣きながら作った曲が、一番最初にZooooo.jpさんで取り上げてもらった“PUKE”っていう曲だったんです。

―TAKAYAMAさんの音楽はまさに「映像的」という言葉がぴったりで、実際に映画音楽やCM音楽も手掛けられていますが、そういった音楽を作るきっかけは何だったのでしょうか?

TAKAYAMA:幼稚園の頃からクラシックのピアノをやったり、吹奏楽をやったりしていて、何か音楽の仕事をしたいとは思っていたんです。最初に映画の音楽をやりたいと思ったのは、高校生のときにエンニオ・モリコーネが音楽を担当した『海の上のピアニスト』を見に行った時で、エンドロールに曲名とか作曲家の名前が出るのを見て、どんな形でもいいからいい音楽が流れてる映画に自分の名前を入れたいと思いました(笑)。

―最初はクレジットへの憧れだったんですね(笑)。

TAKAYAMA:元々歌も歌わないし、メッセージ性の高い音楽を作ってるつもりはなくて、どちらかというと、景色とかに対して音をつける、見えるものとか感じるものを、自分というフィルターを通して表現するタイプなので、映像との相性はいいと思ったんです。

―それで、日大の藝術学部に進まれたんですよね。

TAKAYAMA:親とか周りの人には「音楽の仕事なんてなかなかできない」って言われていたので、「もし日大に受かったらその道に進もうと思う」っていう話をして、無事に受験には通ったんです。でも入ったら入ったで、自分が思ってたのとは全然違うというか、確かに仕事にするなんてのはそんな簡単な話ではなくて。そのときは映画に関われれば何でもいいと思っていたので、録音(映像)の専攻に進んだんですけど、すごくシビアな世界なんですよね。

―例えば、どんなことが大変でした?

TAKAYAMA:地方のロケに40日間見習いで行ったりするんですけど、とにかく大量の機材を持ち歩くのがホントに大変でしたね(笑)。大学でそういうことをやっていたので、卒業後すぐに音楽家としてデビューできるわけもなく、テレビとか映像のミキシングをやるような会社に入って、アシスタントを2年ぐらいやってました。

―一旦は就職されたんですね。

TAKAYAMA:そういうミキシングの現場って、当然アシスタントが一番最初から現場入りするじゃないですか? で、後からちょっと遅れて音楽家さんが入ってきて、「おはようございます、今日のデータはこれです」って言うわけです。「俺はホントはそっちがやりたい!」って思いますし(笑)、その気持ちが高まり過ぎて、会社を辞めたんです。もう勝負しなきゃダメって。

HIDETAKE TAKAYAMA
HIDETAKE TAKAYAMA

―作曲家としての仕事が増えてきたから辞めたとかではなかったんですね。

TAKAYAMA:そのときは本当に何もなくて、気持ちだけでした。会社を辞めた後、ロンドンで音楽の仕事をしている知り合いに会いに行って、そこでまた「このままじゃダメだ」って思ったんですけどね……。

―日本とロンドンの差はどんな部分だったんですか?

TAKAYAMA:向こうでは、「僕はこういうことをやってるんだ」って、みんなすごくスマートに表現するんです。でも僕は、音楽は中途半端だし、前の会社で働いてたことぐらいしか話せることがなくて、「自分は何者なんだろう?」って。もちろんロンドンで会った人たちも、ごく普通な仕事をしている人はたくさんいるんです。でも、自分がやってることに絶対的な自信があって、少しも媚びてない。それがすごくかっこよくて。

―なるほど。職業がかっこいいわけではなくて、自分が自分に誇りを持っているかどうかが重要だったんですね。

TAKAYAMA:そうですね。それで日本に帰って、たまりにたまった気持ちを爆発させて、泣きながら作った曲が、一番最初にZooooo.jpさんで取り上げてもらった“PUKE”っていう曲だったんです。

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イベント情報

『HIDETAKE TAKAYAMA 2nd album 「Asterism」release tour』

2012年12月6日(木)15:00〜
会場:神奈川県 鎌倉 鶴岡八幡宮
出演:HIDETAKE TAKAYAMA
料金:無料

2012年12月15日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 新宿 コズミックセンター プラネタリウム
出演:HIDETAKE TAKAYAMA
料金:1,500円

2013年1月14日(月・祝)OPEN / START 17:00
会場:東京都 渋谷 Glad
出演:
HIDETAKE TAKAYAMA
acro jazz laboratories
re:plus
and more
DJ:
DJ Chika a.k.a. Inherit
Hiroaki Watanabe
BEAT★BANG
and more
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

2013年1月25日(金)OPEN / START 23:00
会場:東京都 恵比寿 BATICA
出演:
HIDETAKE TAKAYAMA solo live set
and more
DJ:
DJ Chika a.k.a. Inherit
Hiroaki Watanabe
BEAT★BANG
Junya Hiraga
and more
料金:前売2,000円 当日2,500円(共にドリンク別)

2013年2月1日(金)
会場:宮崎県 宮崎 FLOOR
出演:
HIDETAKE TAKAYAMA
and more
DJ:
DJ Chika a.k.a. Inherit
DJ AKAGI
and more

リリース情報

HIDETAKE TAKAYAMA<br>『Asterism』(CD)
HIDETAKE TAKAYAMA
『Asterism』(CD)

2012年11月7日発売
価格:2,520円(税込)
GOON TRAX / メディアファクトリー / GTXC-076

1. Express feat. Silla (múm)
2. M.O.W
3. Fly feat. Sam Ock
4. Sketch01
5. Welcome to You & Me feat. Sam Ock
6. Sunset Song
7. Windshield feat. Mr. J. Medeiros & Stro
8. Believe feat. Amanda Silvera & Matt Brevner
9 Go With
10. Crystal feat. Silla (múm)
11. Blink
12. The Last Beginning feat. Yo Harding

プロフィール

HIDETAKE TAKAYAMA

日本大学藝術学部在学中から、ピアニスト/キーボーディストとして数々の作品に参加し、卒業後は映画/CM音楽制作と平行して自身のソロ名義での制作をスタート。2010年、1stアルバム「Right Time + Right Music」をリリース。坂本龍一が代表を務める“more trees”のイベントや、「ASIAN HEAL JAM Vol.10 in 藤沢」への出演、堤真一氏がナビゲーターを務めるBS JAPAN「Grace of Japan」の音楽総指揮など、各方面から高い評価を獲得していった。そして2012年11月、今や最もアルバム・リリースが待たれている作曲家/トラックメーカーと言っても過言ではない彼が、オリジナル・アルバムとしては実に2年半振りとなる2ndアルバム「Asterism」をリリースする。HIP HOPやJAZZ、CLASSIC、ELECTRONICA、SOUL、現代音楽など、様々なジャンルの壁を超越した一大叙事詩は、国境を越え世界へ向けて鳴り響くだろう。

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