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新しいステージへ ROVO(勝井祐二、山本精一)インタビュー

新しいステージへ ROVO(勝井祐二、山本精一)インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎
2012/11/13
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これまで数回にわたり行ってきた過去のインタビューを読んでいただければわかる通り、ROVOというバンドは常に最新作が最高傑作であることを自らに課し、それを実行してきたバンドである。オリジナルアルバムとしては通算10作目となる『PHASE』も、やはり過去最高傑作と呼ぶべき素晴らしい仕上がりだが、本作のポイントはそこだけではない。今回のアルバムは『PHASE』というタイトルが示す通り、ROVOが明確に新しい段階、新しいステージへと歩みを進めた作品でもあるのだ。その背景には、2011年の震災はもちろん、尊敬するSYSTEM 7との合同ツアー、10年にわたってROVOのVJを担当してきた迫田悠との別離という、必然とも言うべき出会いと別れがあった。そして、そういった経験を経たからこそ、2012年のROVOはこの新たな一歩を踏み出すことができたのである。『RAVO』のインタビュー以来の組み合わせ、勝井祐二と山本精一の二人に話を聞いた。

SYSTEM 7の姿勢を見て、改めて「ちゃんとしなきゃいけないな」って思いました。「すげえ真面目に作ってるな」って、気合いが入りましたよ。(山本)

―前回の取材はSYSTEM 7とのツアー前で、勝井さんにスティーブ・ヒレッジ、ミケット・ジラウディとの対談をしていただきましたが、実際のツアーはいかがでしたか?

勝井:あのツアーは2011年の秋だったから、計画の途中で震災があって連絡が途絶えてたときもあって。でもそこからもう一度仕切り直して、ツアーをやるまで持って行ったわけで、すごくポジティブな、新しく踏み出していくっていう感じがありました。そもそもSYSTEM 7はすごく尊敬してる特別な人たちだし、その人たちと一緒に演奏させてもらえて、ひとつのバンドとしてツアーをするっていうのは、やっぱりすごく大きな経験でしたね。

勝井祐二
勝井祐二

山本:僕もGONG(SYSTEM 7以前にスティーブとミケットが在籍したバンド)が大好きでね、僕が生涯惹かれてるような音楽性っていうのは、GONGなんかがお手本のひとつなんですよ。アメリカならサンフランシスコのTHE GRATEFUL DEAD、それに対して、イギリスのちょっとプログレッシブな、ああいう音の状態っていうのは、非常に参考にさせてもらったので、そのメンバーの人と一緒にいるっていうのは、あんまり現実感なかったですね。

―山本さんは昨年前半はライブ活動をお休みされていて、SYSTEM 7とのツアーあたりから活動を再開されていたかと思うのですが、その前後で何か変化はありましたか?

山本:活動を休んでたのは、要は充電期間だったんですけど、レコーディングはたくさんやっていたので、そこでの変化っていうのは特にないですね。むしろ、SYSTEM 7とやったことでの変化はあって、彼らの姿勢を見て改めて「ちゃんとしなきゃいけないな」って思いました。「すげえ真面目に作ってるな」って、気合いが入りましたよ。

山本精一
山本精一

勝井:もちろんなめてたわけじゃないんだけど、とにかくストイックでした。「四つ打ちのテクノミュージックってああいうもの」ってわかってるつもりだったんですけど、そうじゃなかったんですよね。ものすごく突き詰めて作られていて、一緒にリハーサルをしてそれがはっきりわかりました。

山本:厳しかったよねえ。俺が一番感動したのはディレイのタイム。

勝井:あの人、あれ厳しいよね!

山本:ホントBPM1とか2の世界。普通わかんないですよ。

勝井:でも、彼にとってはそれが完全に違うんですよ。僕はROVOとの合体ユニットだけじゃなくて、SYSTEM 7に僕だけ入る形でのライブも何回かやってるんですけど、気をかけてるところの基準が予想と全然違って、曲の構成とかじゃないんですよね。「64小節で次に変わる」とか、そんなことは全然言わないんです。曲順とキーとBPMだけを書いたものを渡されて、特にBPMがすごく重要。例えば、90分のセットだったら90分の中で、ちょっとずつ上がって行くわけ。128、129、130、132、132、134、132、134とか、1回下げてもう1回上げたりとかして。

山本:それでグルーヴが出るんだって、ちゃんと意味があるわけですよ。あの人何歳ですか?

勝井:61歳。

山本:あの感覚の若さにはホントビックリしますよ。創作意欲や厳しさが全く衰えてない。わりと60とか過ぎると、若いとき厳しかったような人でも、そうじゃない世界に突入することが多いですけど、彼の場合はそれをずっと継続してる。素晴らしいですね。

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リリース情報

ROVO<br>
『PHASE』(CD)
ROVO
『PHASE』(CD)

2012年11月14日発売
価格:2,940円(税込)
WRCD-63

1. BATIS
2. COMPASS
3. D.D.E.
4. MIR
5. REZO

イベント情報

『ROVO 10th Album 「PHASE」 Release TOUR 2012』

2012年11月30日(金)
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET

2012年12月1日(土)
会場:大阪府 梅田シャングリラ

2012年12月2日(日)
会場:京都府 京都 磔磔

2012年12月7日(金)
会場:福岡県 福岡 the voodoo lounge

2012年12月8日(土)
会場:熊本県 熊本 NAVARO

2012年12月9日(日)
会場:鹿児島県 奄美大島 ASIVI

2012年12月14日(金)
会場:東京都 代官山 UNIT

プロフィール

ROVO

勝井祐二(Vln)、山本精一(G)、芳垣安洋(Dr/Per)、岡部洋一(Dr/Per)、原田仁(B)、益子樹(Syn)。「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。『フジロック・フェスティバル』『ライジングサン・ロックフェスティバル』『メタモルフォーゼ』『朝霧JAM』など、大型フェス/野外パーティーにヘッドライナーとして連続出演。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。

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edda“不老不死”

<私というバケモノが 生まれ落ち>というフレーズで始まる、不老不死の主人公の悲しみや無力感から死を願う楽曲のPV。歌うのは、その歌声に儚さと透明感を同居させるedda。ファンタジックながらもどこか暗い影を落とす楽曲世界と、ドールファッションモデルの橋本ルルを起用した不思議な温度感のある映像がマッチしている。(山元)