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勝ち組にならなくてもいいじゃん やけのはらインタビュー

勝ち組にならなくてもいいじゃん やけのはらインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎
2013/03/19
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やけのはらの新作『SUNNY NEW LIFE』が素晴らしい。リリックを読みながら聴き進めていくと、社会や未来に対する漠然とした不安が解きほぐされていき、アルバムを1枚聴き終えたときには、とても清々しい気分を味わうことができる。もちろん、音楽が物理的に何かを解決するわけではないし、インタビュー中でも語られているように、今は多くの人がもっと享楽的な行為であったり、自己啓発本の類を頼りにしているのかもしれない。しかし、このアルバムは聴き手を強制的にレールの上に乗せるのではなく、あくまで個を尊重し、一人ひとりの持つ可能性を、「NEW LIFE」を後押ししてくれる。「自分にとって本当に大切なものは何なのか?」ということを、じっくりと考えるためのヒントをくれる。それこそが、この作品のスペシャルなところなのだ。インテリジェンスを感じさせる語り口と、ときおり見せるシャイな表情が魅力的なやけのはらは、やはり日本屈指の素晴らしいリリシストである。その飄々としたたたずまいの裏側には、ロマンチストとしての素顔に加え、気高さすら感じられた。

もっと一人ひとりが自分にとっていい暮らし方を模索して、それをやっていくのがいいんじゃないか?

―アルバム、とても素晴らしい作品だと思いました。前作『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』は、DJから見たフロアに対する目線というのが1つの立脚点になっていましたが、『SUNNY NEW LIFE』は、普段の暮らしが立脚点になってますよね。

やけのはら:アルバムは、全体のまとめ方やトーンを変えていくものだと思っているので、前回が街に繰り出してる感じだったら、今回は部屋にいる感じというか、そういうイメージは最初からありました。

―背景には震災以降の空気があるのではないかと思うのですが、作り手としての意識の変化はありましたか?

やけのはら:震災の前から、部屋の中で友達や恋人と少人数で聴くような、パーソナルなアルバムのイメージはあったんです。もともと考えていたことと、震災を経て、自分から見える世の中の気分がリンクしてできたアルバムなので、震災で突然何かが大きく変わったっていうわけではないですね。

やけのはら
やけのはら

―でも、リリックの中に「光」や「未来」という言葉をたくさん使っていたり、アップリフティングなフィーリングを持たせたのは、震災以降の空気に対するリアクションなのではないですか?

やけのはら:それはそうなんですけど、今ある問題って2011年に急に始まったわけじゃないですよね。例えば経済循環の問題だったら、連綿と続いてた日本の高度成長や、もっと前の鎖国から全部繋がってるのかもしれなくて、綻びが急に出来たわけではないと思うんです。そうやって視野を広げて考える中で、「人はどう生きればいいんだろう?」まで言うと大げさですけど、雑な言葉で言っちゃえば、「人を蹴落としてまで何かしなくてもいいんじゃないか?」とか、「もっと一人ひとりが自分にとっていい暮らし方を模索して、それを実践していくのがいいんじゃないか?」っていう、暮らしの提案をしたかったんです。

―そういう意味での、「NEW LIFE」なんですね。

やけのはら:社会や経済のシステムの中で生きていく中で、「今のままの歯車でやっていくのは違うんじゃないか?」っていうのは、3.11以降いろんな人が感じてることだと思うんです。そういう疑問が生まれたなら、そこを出発点にしてもっと「暮らし」について考えてみたいなと。最後の“where have you been all your life?”はズバリそういうテーマなんですけど、「どこで、どういう風に、何を楽しいと思って暮らすか」ってことに興味があるんです。

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リリース情報

やけのはら『SUNNY NEW LIFE』(CD)
やけのはら
『SUNNY NEW LIFE』(CD)

2013年3月20日発売
価格:2,381円(税込)
PECF-1069

1. INTO THE SUNNY PLACE
2. HELTER-SKELTER
3. RELAXIN'
4. I LOVE YOU
5. SUNNY NEW DAYS
6. IMAGE part2
7. TUNING OF IMAGE
8. CITY LIGHTS
9. JUSTICE against JUSTICE
10. AIR CHECK
11. BLOW IN THE WIND
12. D.A.I.S.Y.
13. where have you been all your life?

イベント情報

『Erection presents YAKENOHARA 「SUNNY NEW LIFE」Release Party supported by felicity 』

2013年5月3日(金)OPEN / START 18:00
会場:東京都 代官山UNIT
出演:やけのはら
ゲスト:
VIDEOTAPEMUSIC
DORIAN
MC.sirafu
LUVRAW
高城晶平(cero)
平賀さち枝
LUVRAW & BTB
THE OTOGIBANASHI'S
DJ:
高城晶平(cero)
shakke
料金:前売2,500円(ドリンク別)

プロフィール

やけのはら

DJ、ラッパー、トラックメイカー。『FUJI ROCK FESTIVAL』、『METAMORPHOSE』、『KAIKOO』、『RAW LIFE』、『SENSE OF WONDER』、『ボロフェスタ』などの数々のイベントや、日本中の多数のパーティーに出演。年間100本以上の多種多様なパーティでフロアを沸かせ、多数のミックスCDを発表している。2009年に七尾旅人×やけのはら名義でリリースした「Rollin' Rollin'」が話題になり、2010年には初のラップアルバム「THIS NIGHT IS STILL YOUNG」をリリース。2012年には、サンプラー&ボーカル担当している、ハードコアパンクとディスコを合体させたバンドyounGSoundsでアルバム「more than TV」をリリース。2013年3月、新しいラップアルバム「SUNNY NEW LIFE」をリリース。

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