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俺たちには言いたいことがあるのだ 佐藤タイジインタビュー

俺たちには言いたいことがあるのだ 佐藤タイジインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2013/08/16

昨年の12月20日に日本武道館で行われた『THE SOLAR BUDOKAN』は、太陽光発電のみを利用した画期的な公演であり、エネルギー問題に揺れる今の日本に一筋の光を照らす、非常に意味のある一夜であった。その発案者が、この記事の主役・THEATRE BROOKの佐藤タイジだ。バンドの代表曲“ありったけの愛”に込めた太陽への想いと、表現者としての本能が、今彼を突き動かしている。今年の9月にはやはり太陽光発電のみを使い、今度は野外フェス『中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013』を開催。そう、日本初の野外フェスとしても知られる『中津川フォークジャンボリー』が行われた、あの中津川での開催である。偉大な先輩である仲井戸“CHABO”麗市や、浜崎貴司、斉藤和義といった同世代の盟友はもちろん、『中津川フォークジャンボリー』にも出演していた遠藤賢司や泉谷しげるといったフォーク世代、さらにはOKAMOTO'Sや黒猫チェルシーといった若手のロックンロールバンドまで、『THE SOLAR BUDOKAN』以上に幅の広い世代による共演が、フェスを大いに盛り上げることだろう。

さて、ここからは余談なのだが、この取材が行われたのは7月25日。佐藤タイジは翌日から『フジロック』へと旅立っている。そして、最終日の28日、THEATRE BROOKは近年交流を深めている加藤登紀子とのスペシャルユニットとして、グリーンステージに登場した。まずはTHEATRE BROOKのみがステージに現れたのだが、皮肉にもこの時間はこの日一番のどしゃ降り。佐藤タイジの「晴れへんかなあ」という言葉が空を切る。しかし、2曲目の“ありったけの愛”を熱演中に徐々に雨脚が弱まると、加藤登紀子を迎え入れた“POWER TO THE PEOPLE”で、見事に雨がやみ、太陽が顔を見せたのだ。音楽には、人々には、力がある。その事実をまざまざと見せつける、素晴らしいステージだった。

高度成長期に戻すきっかけとして3.11を利用しようとしてる人もいるみたいだけど、それは違うと思う。あれは我々が進化するきっかけや。

―昨年末の『THE SOLAR BUDOKAN』は大成功に終わりましたね。

佐藤:ソーラーの電気だけでイベントをやれたっていうのは、もちろん俺の中でもでかかったし、『THE SOLAR BUDOKAN』自体、「もっとプログレッシブな日本の将来があるんちゃうの?」って考えてる連中が集まれる、小っちゃいけど、貴重なプラットフォームになれたと思うの。もっと進歩的な日本の社会みたいなのを、お互いに想像して、アイデアを投げ合える、そういう場所って意外と少ないんですよね。

―確かに、政治集会でもなく、ネットの中だけの集まりでもなく、ちゃんと進歩的な考えを持って何かをクリエイトしていこうとする場所っていうのは、まだまだ少ないかもしれませんね。

佐藤:そういう場所を作ってこなかったのって、俺らの世代の責任もやっぱりあると思うんですよ。自分のやりたいロックだけをやってきて、場所を作ってこなかったし、周りを見渡しても、同年代でそういうことをやってるやつはほとんどいない。そういう意味でも、たまたま自分がやれた『THE SOLAR BUDOKAN』っていうのは、実は大きな意味があったと思うんです。後輩のミュージシャンの刺激にもなったと思うし、先輩が助けてくれたからこそ、できたことでもあったり。

加藤登紀子&THEATRE BROOK-半世紀ロックのライブ写真
今年の『フジロック』最終日、GREEN STAGEに出演した加藤登紀子&THEATRE BROOK-半世紀ロックのライブ写真

―確かに、幅広い世代のミュージシャンが集まって、世代間の融合も行われていましたよね。

佐藤:それを狙ったわけではなく、自然とそうなったのがよかったんだと思います。自分で自分のやってることを宣伝しまくって、何かするのってあんまり好きじゃないんだけど、でも、やっぱりここは旗振らなあかん場面なんやろうなって思ったんですよね。

―大震災と、それに伴う原発事故という象徴的な出来事が起きて、確実に時代の転換点を迎えている。そういう中で、音楽の役割というのをタイジさんはどうお考えですか?

佐藤:俺はやっぱり、アーティストというか、想像力で創造してる人は、政治家の先に行ってなかったらあかんと思う。もう政治ってもの自体が制度疲労してるんだろうから、そういう中で、政治家をインスパイアする立場だと思ってるの。

佐藤タイジ(THEATRE BROOK)
佐藤タイジ(THEATRE BROOK)

―想像力を喚起するというのは、まさに音楽の持つ大きな力ですよね。

佐藤:ソーラーの蓄電池でイベントをやってみたら、ノイズが少なくて音がすごくいいっていう発見があったんだけど、それって実際にやってみないとわからないことだったし、それにどんな意味があるのか、きっと政治家にはわからないと思う。わかる人がいるとすれば、喜納昌吉と三宅洋平ぐらいかもしれん。小泉元首相がわかるとは思えない(笑)。

―音楽好きをアピールしてましたけどね(笑)。

佐藤:これにはすごく意味があって、つまり「純粋な電気だと効率がいい」ってことなのよね。スピーカーだけじゃなくて、すべての電化製品がきっとそうで、いろいろな副産物がポロポロ出てくるはず。その副産物がきっと国の宝になって行くはずで、それは我々が高度成長期に見逃してきた産物だよね、きっと。だから、高度成長期に戻すきっかけとして3.11を利用しようとしてる人もいるみたいだけど、それは違うと思う。あれは我々が進化するきっかけや。ソーラーの電池でやったら音がよかった、それによって俺は間違いなく右脳を刺激されたわけ。時間を巻き戻そうとする人がおる中、今は右脳が勇気を持たないと、どんどんどんどん退化していってしまうよね。

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イベント情報

『中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013』

2013年9月21日(土)OPEN 15:00 / START 16:00 / CLOSE 20:30(予定)
2013年9月22日(日)OPEN 10:00 / START 11:00 / CLOSE 20:30(予定)
会場:岐阜県 中津川 中津川公園内特設ステージ
9月21日出演:
a flood of circle
FLiP
KENJI JAMMER&Dachambo Rhythm Section
Leyona
MIYAVI×中津川JAM
ZIGZO
インディーズ電力
遠藤賢司
曽我部恵一
堂珍嘉邦
浜崎貴司

the Canadian Club
and more
Village Of illusion DJ:
冷牟田竜之
DJ 吉沢dynamaite.jp
Village Of illusion Acoustic:
佐々木亮介(a flood of circle)
iCas & tae(ORESKABAND)
9月22日出演:
THEATRE BROOK
ACIDMAN
bird
BUCK-TICK
CHANGE ENERGY'S
MANNISH BOYS(斉藤和義×中村達也)
OBANDOS
OKAMOTO'S
Saigenji
SOIL& "PIMP" SESSIONS
TAIJI at THE BONNET
THE MAN(冷牟田竜之)
TRICERATOPS
YAOAO
石橋凌・藤井一彦・伊東ミキオ
泉谷しげる
岡本真夜
黒猫チェルシー
子供ばんど
ダイノジ(DJ)
仲井戸"CHABO"麗市
中津川ソーラーフォークジャンボリー(小室等、我夢土下座、土着民)
畠山美由紀
宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))
武藤昭平 with ウエノコウジ
山口洋(HEAT WAVE)

料金:
2日間通し券11,690円
9月21日券5,500円
9月22日券7,900円
キャンプサイト+2日間通し会場内駐車券+2日通し券15,690円
キャンプサイト+2日間通し券12,690円
2日間通し会場内駐車券+2日間通し入場券14,690円
※小学生(12歳)まで、チケットを持った保護者の同伴に限り入場無料

プロフィール

佐藤タイジ(さとう たいじ)
圧倒的なカリスマ性と独自の感性を持ったギターサウンドでTHEATREBROOKのサウンドを牽引し、作詞・作曲を担当し作品を発表。プロデューサーとしては、ケミストリー、レヨナ、中島美嘉、栗山千明への楽曲提供、櫻井敦司、MCU、井手麻里子への楽曲提供とプロデュース、清春、tobaccojuice、マイア・バルーのプロデュースなども手掛け、その音楽領域の広さを物語る活躍ぶりを発揮してきた。2011年、3.11直後にはLIVE FOR NIPPONという復興支援イベントをし、現在はインディーズ電力のススメ(各地域の独立型自然エネルギー論)を活動の中心にすえ、TAIJI at THE BONNET、インディーズ電力という2つのバンドを始動させ、2012年12月20日に日本武道館で『THE SOLAR BUDOKAN』を開催した。

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