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自分を救った言葉との出会い IVORY7 CHORDインタビュー

自分を救った言葉との出会い IVORY7 CHORDインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2013/09/11

自分たちがしっかりしてさえいれば、ちゃんと立っていられるんじゃないかと思うんです。

―これまではWRONG SCALEのイメージを気にする部分がどこかにあったのかなって思うんですね。でも、今はその枠みたいなものが取り払われて、自由に大西さん自身を、IVORYらしいものを追求できるようになったっていうことなのかなって。

大西:「WRONG SCALEっぽい」っていうのには反抗してましたね。作ろうと思えばそういう曲も作れますけど、じゃあそれをやるかっていうと何か違うなって。もちろん、それを自分がいいって思ったらやるし、それも含めて、「こうあるべき」みたいな枠はなくなった気がしますね。

―今回の作品で最も心情がストレートに表現されているのは、やはり“KIOQ”ですよね。ちなみに、“KIOQ”の歌詞は、自宅で長年飼っていた犬が亡くなってしまったことが背景にあるそうですね。

大西:それ暗くなっちゃうからあんまり言わないようにしてるんですよね……大好きだったんです、犬が(笑)。

―人間味のある、いい話だなって思います(笑)。“KIOQ”の前にインストの小品である“Town That Nobody”が入ってるじゃないですか? これって、“KIOQ”につなぐためのクッションの意味合いがあると思うんですけど、タイトルに何か意味があるんじゃないかと思ったんですよね。「Nobody」のあとに続く単語があるんじゃないかって。

大西:なるほど……実は、この2曲で“KIOQ”だというか、“Town That Nobody”はその前の“YesNo”の激しいテンポから、バラードの“KIOQ”へのつながりをよくするためでもあるんですけど、さっき言った愛犬のこともあって、“Town That Nobody”は全部自宅で録った音を使ってるんです。自分の部屋から聴こえる自動車の音、鳥の鳴き声、風の音。一緒に過ごしたところで何か作りたいと思って作った曲なので、こんなシンプルなフレーズを作ったことは今までないですね(笑)。

―僕の予想では「Town That Nobody lives」なのかなって思ったんですよね。犬が亡くなってしまった、その空っぽな、誰もいないようなイメージというか。

大西:そこは正直深く考えてませんでした(笑)。でも、そう思ってもらえたのは嬉しいですね。

―アルバムには「共感覚」を意味する『Synesthesia』というタイトルがついていますが、大西さんの中で楽曲と映像のリンクっていうのは大きいのかなと思ったのですが、いかがですか?

大西:すごく大事ですね。それが見えないと曲が完成しないというか、わかりやすく言うと、1曲ごとにPVを作るとしたらどういう感じかっていうのを考えながら作ってる感じですね。曲のセクションのつながりも、「ここに1小節あったら、こういう映像をはめられるな」とか、曲だけ聴いてる分にはいらないようなパートでも、映像になったときに必要だからって入れたりもしてます。

―今回の収録曲の中で、映像のイメージが一番はっきりしていた曲を挙げるとすれば?

大西:“Paradox”ですね。今までの曲で、一番セクションが多いんですよ。Eメロぐらいまであるし、サビの前で1回落としたこともこれまでなくて、Bメロで盛り上げてそのまま行くっていうパターンが多かったんですよね。

―“Holography”や“ONE”はスケールの大きな楽曲ですが、これもやはりイメージは映像から来てるんですか?

大西:そういう部分もありますけど、単純に壮大なのが好きで、そうしたかったっていうのもありますね。過去の作品を聴いて、平たいイメージを感じる部分もあったので、どう立体的にしていくかっていう音楽的な部分と、映像の部分とを、上手くつなげられるようになってきたということかもしれません。

―今回の作品って、メンバーのギュッと引き締まった、密度の濃い演奏の感じもありつつ、今話したようなスケール感、バーッと開けるようなイメージっていうのも、一枚に同居してるなって思ったんですよね。

大西:そこはもっと追究したい部分のひとつですね。まだ自分としては硬い部分が多いかなって思っていて、もうちょっと柔らかい、フワフワした曲も今後やってみたいですね(笑)。“KIOQ”はそういう曲ではあるんですけど、まだ自分では硬いっていうか、完璧に作ろうとしちゃってる部分があって、それはメリットでもあり、デメリットでもあるなって。

―では、それは次のフルアルバムのお楽しみですかね。

大西:今すごくやりたいことが明確なんですよ。今までは、1枚作ると「次どうしようか?」っていつも思ってたんですけど、今回は「次はこれやりたい、あれやりたい」っていうのが、すごく多いです。

―一通りいろいろな経験をして、バンドの原初的な部分に戻ってきたっていうことなんでしょうね。最後に、今回正式なメンバーとして作品に参加されてるのって、大西さんと吉田さんの二人だけなわけじゃないですか? それこそ、吉田さんはUNCHAINのメンバーとしてもいろいろな経験をされていて、お互いバンドについて話すことも多かったかと思うのですが、今回の制作にあたって、吉田さんとはどんなことを話されましたか?

大西:そんなによくしゃべるってわけでもないんですけど、あいつも結構はっきりしてて、シビアな考えも持ってるんですよね。UNCHAINをやってきた経験の中から生まれた考えっていうのは、自分も共感できる部分が多いし、逆に、吉田が俺の考えに共感してくれる場合も多いです。やっぱり、これだけメンバーの入れ替わりがあると、いい意味でそこに対して何も思わなくなるというか、途中でも言ったように、自分たちがしっかりしてさえいれば、ちゃんと立っていられるんじゃないかと思うんです。そういう話はずっとしてますね。

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イベント情報

HaKU wonderland TOUR 2013『hacking your mind』

2013年9月20日(金) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE
料金:2,500円(ドリンク別)

IVORY7 CHORD presents『Synesthesium』

2013年10月4日(金) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 WWW
料金:2,800円(ドリンク別)

『MINAMI WHEEL 2013』

2013年10月12日(土)
会場:大阪府 21会場

リリース情報

IVORY7 CHORD<br>
『Synesthesia』(CD)
IVORY7 CHORD
『Synesthesia』(CD)

2013年8月28日発売
価格:1,800円(税込)

1. Earth Does Move
2. Paradox
3. Holography
4. PARADE
5. ONE
6. YesNo
7. Town That Nobody
8. KIOQ

プロフィール

IVORY7 CHORD(あいぼりーせぶんす・こーど)

2010年結成。元WRONG SCALEの大西俊也(Vo / Gt / Programming)を中心に、吉田昇吾(UNCHAIN)を始め、ロック・シーンで影響力のあるメンバーで構成された。洗練されたメロディーと、幅広い緻密な楽曲アレンジが特徴であり、これまでの作品は自主制作にも関わらず、オリコンインディーズチャート上位に入るなど、高い爆発性を秘めている。大西は映画『バイオハザード ダムネーション』の主題歌、CM曲、土屋アンナの作曲、アレンジを提供するなど、クリエイターとしても独自の存在感を放っている。

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