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生粋の芸術家、門田匡陽(Poet-type.M)の世界

生粋の芸術家、門田匡陽(Poet-type.M)の世界

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作
2013/11/26
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下北沢のギターロックシーンが隆盛を誇っていた1999年に結成され、2003年にはインディーズバンドとしては異例の新宿リキッドルームでのワンマンライブを成功させるも、2004年に解散の道を選んだBURGER NUDS。ルーツミュージックの独自解釈を志向し、編成を変えながら数多くの作品を発表するも、現在は活動休止中のGood Dog Happy Men。そして、孤独や悲しみを描いた本名名義のソロアルバム『Nobody Knows My Name』を経て、門田匡陽が新プロジェクトPoet-type.Mをスタート。「清く。正しく。美しく。」を意味するデビューアルバム『White White White』を発表した。

このアルバムが到着したときに、2013年が始まりの年であるという予感は確信に変わった。僕らは震災を経験し、その後の社会状況を何とも形容しがたい気持ちで見続けてきた。誰かはそれを「荒野」と呼び、誰かはそれを「My Lost City」と呼んだ。そして、僕らはそろそろ本当に新たな一歩を踏み出さなくてはならない。Poet-type.Mはプラネタリウムを会場とした初の独演会に『A Whole New World』というタイトルを掲げていた。そう、僕らが今聴きたいのは、本当に新しく、それでいて普遍的な音楽。門田の言う「帰る場所のない美しさの翻訳」とは、まさにそんな音楽を生み出す唯一の方法であるはずだ。

CINRA初登場となる今回の取材では、Poet-type.Mの話にとどまらず、いつの時代も常に異彩を放ち続けてきた門田匡陽という生粋の芸術家のルーツを改めて確認し、現代の音楽をめぐる状況について、様々な角度から話を訊いた。取材を終えて感じたのは、やはり彼がどこまでも音楽を愛し、その身を捧げているということ。もう一度繰り返そう。清く。正しく。美しく。それがPoet-type.M、門田匡陽の世界。

自分が選んだ芸術に対して真摯な姿勢でいないと、話ができなかったんですよ。

―門田さんのこれまでの活動というのは、非常に強い音楽への愛情に裏打ちされていて、それは「音楽への献身」と言ってもいいものだと思うんです。まずは、その基本姿勢がどのように形成されていったのかをお伺いしたいのですが。

門田:それは門田家の話になっちゃうんですけど、家族みんなが芸術家という、ちょっと特殊な環境なんですよ。親父が映像ディレクターで、写真家の叔父がいて、小説家の叔父がいて、あと従兄弟がニューヨークで建築デザインをやってたり。なので、いないのが音楽家だけだったんですよ。僕生まれたときから指がきれいだったから、「お前はピアニストか産婦人科医にしかなれない」って言われてたんですけど(笑)。

―でも、ギターも手にしてしまったわけですね(笑)。

門田:そうなんです(笑)。そういう芸術ごとに携わる一族の中で普通に生きてると、自分が選んだ芸術に対して真摯な姿勢でいないと、話ができなかったんですよ。芸術家特有の人間性なんでしょうけど、子供であろうと話に手加減がなくて、生半可な理解で芸術を語ると「お前に何がわかるんだ!」って言われてしまうような感じで、小学校の頃から扱われてて(笑)。みんなそれなりにそれぞれの世界で成功してる人たちだったから、僕も音楽を選んだ以上、それで認められたいっていうのは小さい頃から思ってました。

門田匡陽(Poet-type.M)
門田匡陽(Poet-type.M)

―実際、すぐ音楽の道に進んだんですか?

門田:生まれた瞬間から音楽でした。っていうのは、ピーター・バラカンさんが僕の生まれる前から家に出入りしてて、家にものすごい量のレコードがあったんです。僕にとってのおもちゃはそれでしたね。

―門田さんとしゃべってると、いろんな音楽の話が、いろんな角度から出て来ますけど、それはピーター・バラカン仕込みだったんですね(笑)。

門田:そう言っても過言ではないと思います。例えば、ブリットポップが流行った1995年あたりに、「今BLURっていうかっこいいバンドが好きで」って言うと、「僕にはTHE KINKSに聴こえる」って言われるみたいな(笑)。

―ちょっと面倒くさい(笑)。

門田:でも、それでTHE KINKSを聴いてみたり、そういうミュージックツリーをつなげてくれましたね。

―若い頃はヒーローみたいな存在っていたんですか?

門田:小学校のときに限定すると、最初に憧れたのはプリンスとかデヴィッド・ボウイだったんです。デヴィッド・ボウイが『Let's Dance』を出した年に僕は生まれて、物心ついて初めて見た映画が『Labyrinth』(デヴィッド・ボウイ出演)だったりもして、「何だこのきしょいおっさんは」と思いました(笑)。そうかと思えばプリンスは『Purple Rain』を出して、やっぱりあれも「何だこのきしょいおっさんは」と思って(笑)。

―(笑)。

門田:何かこう、自分の世界観をぶつけてくるアーティストに憧れましたね。ビビッドでわかりやすいっていう側面もあるんだけど、今思い返すと彼らは音楽的レベルがずば抜けて高かったから、そういうところも無意識に感じてたのかもしれないです。

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イベント情報

『Poet-type.M「White White White」TOUR』

2013年11月29日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET
出演:
Poet-type.M(『White White White TOUR』ツアーメンバー:門田匡陽[Vo,Gt]、楢原英介[Gt]、伊賀航[Ba]、gomes[Key]、伊藤大地[Dr])
LEO今井
Mi-Solfa

2013年11月30日(土)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:大阪府 阿倍野 ROCKTOWN
出演:
Poet-type.M(『White White White TOUR』ツアーメンバー:門田匡陽[Vo,Gt]、楢原英介[Gt]、伊賀航[Ba]、gomes[Key]、伊藤大地[Dr])
LEO今井
下津光史(踊ってばかりの国)

2013年12月8日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:東京都 新代田 FEVER
出演:Poet-type.M(『White White White TOUR』ツアーメンバー:門田匡陽[Vo,Gt]、楢原英介[Gt]、伊賀航[Ba]、gomes[Key]、伊藤大地[Dr])

料金:各公演 3,000円(ドリンク別)

リリース情報

Poet-type.M<br>
『White White White』(CD)
Poet-type.M
『White White White』(CD)

2013年10月2日発売
価格:2,310円(税込)
DDCZ-1905

1. 光の粒子 埃の中で(Departures)
2. 何もかも越えて、吐き気がする(Down To Heaven)
3. 永遠に柔らかな罰を(Cheek-to-cheek Dancing for Broken hearts)
4. 調律するかのように(Over The Rainbow)
5. 君と僕(flowers)
6. 祈り(It's show time)
7. 名も無い景色の中で(I Will Say Good Bye)
8. 長い序章の終わり(Law Name)
9. 誇りの響き 光の中へ(White White White)

プロフィール

Poet-type.M(ぽえと たいぷ どっと えむ)

1980年東京都生まれ。1999年より3ピースロックバンド「BURGER NUDS」のメンバーとして活動。新宿リキッドルームを完売させる勢いを持ちながら2004年解散。同年、ファンタジックで独創的な世界観を持つツインドラムの4ピースロックバンド「Good Dog Happy Men」を結成。数々の大型フェスに出演し、多くのファンを魅了させるが2010年にメンバーの脱退を受けて活動休止。2011年 門田匡陽として初のソロアルバム「Nobody Knows My Name」をリリース。その後わずかな休息を経て、2013年4月1日よりソロ名義を「Poet-type.M」に変更し活動を再開。10月2日には初のFull Album「White White White」のリリースが決定。

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