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生々しく赤裸々に 笹川美和インタビュー

生々しく赤裸々に 笹川美和インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
金子厚武 撮影:三野新
2014/01/08

<笑い 笑え 泣き 笑え>という印象的なフレーズが耳から離れない代表曲“笑”でのメジャーデビューから10年。一度はインディーズへと活動の拠点を移すも、2012年にメジャー復帰し、2013年2月に30歳を迎えた笹川美和。柴咲コウへの楽曲提供や、舞台『+GOLD FISH』への出演など、活動の幅を広げる中、彼女は10年目にしてやっと「自分のことをアーティストと言えるようになった」のだという。フルアルバムとしては実に4年半ぶりとなる新作『そして太陽の光を』は、アレンジャーでもある山本隆二をはじめ、鈴木正人や柏倉隆史といった凄腕のプレイヤーを迎え、一発録りのアナログレコーディングが敢行された意欲作。私小説と言ってもいいほど赤裸々に心境が綴られた歌詞の世界観に、生々しい演奏と歌声が合わさって、聴き手をグッと引き込む力を持った、素晴らしい作品に仕上がっている。

例えば、昨年「10代からの憧れだった」というJUNO REACTORとの2マンライブを行った柴咲コウや、今では女優としても大活躍をしている後藤まりこのように、20代を模索しながら過ごし、30歳を過ぎて改めて自分を見つめ直すことで、より自由に、本当に自分らしい活動を展開している女性アーティストを見ると、何とも清々しい気持ちになる。今は女性シンガーソングライターブームとも言われ、個性的なアーティストが続々と登場してはいるが、やはり深みにしろ、艶にしろ、「まだまだだなあ」なんてことを言いたくもなるというものだ。楽曲のイメージとは違って、カラッとした語り口が気持ちのいい笹川は、「今もプライベートは落ち着かない」と笑って話していたが、アーティストとしての今の自分に対する自信は十二分に伝わってくる取材となった。

今の私なら、メジャーに戻ってやるべきことができるんじゃないかと思って、それで戻って来ました。

―笹川さんはインディーズでの活動を経て、2012年に再びメジャーに復帰されたわけですが、当時のインタビューで「やっとスタートラインに立てた」とおっしゃっていたのが印象的でした。あの言葉の背景には、どんな意識の変化があったのでしょうか?

笹川:とにかくそれまでは、音楽に対する意識が「なってなかった」っていうのがありまして(笑)。最初にエイベックスからメジャーデビューしたときは、「お仕事だ」っていう感覚はあったんですけど、それがどういうことなのかわかってるようでわかっていなかったんです。

笹川美和
笹川美和

―「お仕事」というのは、具体的にどういう認識だったんですか?

笹川:曲を作って、歌うのが私のお仕事。それ以上でも以下でもなかったので、「活動を広げていく」っていうことは考えていなかったんです。

―その意識が、インディーズでの活動を通じて変わってきたと。

笹川:インディーズは組織がすごく小さいので、たとえばCDを売ったり、宣伝したり、それまで自分が見えなかったスタッフさんたちの仕事までちゃんと見えて、メジャー時代がいかに恵まれた環境にいたかわかったんです。そういう中で、「自分の音楽をもっと広げたい」っていう思いがやっと芽生えてきて、そのタイミングで改めてエイベックスからお声掛けいただいて。インディーズの環境が嫌だったわけではないんですけど、今の私なら、メジャーに戻ってやるべきことができるんじゃないかと思って、それで戻って来ました。

―それって徐々に変化していったわけですか? それとも、きっかけがあったんですか?

笹川:具体的には、ライブが楽しいと思えるようになったのが大きいのかな。ライブってもともと苦手で、歌詞が覚えられなかったり、いろんなプレッシャーが半端じゃないんですけど(笑)、やっていくうちに「楽しい」っていう気持ちが強くなってきて。それで、自分の曲を聴いてくれる人の幅を広げたいって思うようになっていったんです。


人間普通に幸せそうに見えても、その裏にはみんなドラマを持ってるんだろうなって思うんです。

―笹川さんの音楽は広い世代に届く普遍性を持っていると思うんですけど、特に30代くらいの、同年代の女性にはしっくりくる部分があると思うんですよね。

笹川:そう言っていただけることも結構あるんですけど、あまり狙って曲を作ることはないんです。それより今回に関しては、「デビュー10年目に出すアルバム」というのが重要でした。「今までの10年」があったからできたアルバムだなってすごく思うし、同時に今は音楽に対する気持ちが昔とは全然違うので、「これからの10年」を考えてのアルバムでもあって、私にとってはすごく大きな作品なんです。

―はい、それは作品の端々から感じました。

笹川:そういう中で、新潟はやっぱり田舎なので(笹川はデビュー当時から新潟県在住のまま活動している)、私の周りはほぼ結婚してるんですね。会話の内容も昔とは違って、好きな男の子の話じゃなくて、姑の話とか、子供の話になってる。私はまだ状況的にその話には乗れてないんですけど、そういう変化の中に自分もいるので、同世代の女性が聴いたら、すごく共感しやすい作品だとは思います。

―笹川さんは2013年2月に30歳になられたわけですが、何か思うところはありましたか?

笹川:周りの話を聞いてると、結構みんなに波乱万丈なことが起こっているんですよね。だからきっと、人間普通に幸せそうに見えても、その裏にはみんなドラマを持ってるんだろうなって思うんです。なので、曲の内容と完全には符合しなくても、何かリンクするものはあったりすると思うので、聴いた人に寄り添えるような作品になってくれたら、すごく嬉しいですね。

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イベント情報

『笹川美和 TOUR 2014 そして太陽の光を』

2014年2月15日(土)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:東京都 日本橋三井ホール
料金:前売5,300円 当日5,800円(共にドリンク別)
※バンド編成

2014年3月9日(日)OPEN 16:15 / START 17:00
会場:大阪府 BIGCAT
料金:前売4,800円 当日5,300円(共にドリンク別)

リリース情報

笹川美和<br>
『そして太陽の光を』(CD+DVD)
笹川美和
『そして太陽の光を』(CD+DVD)

2014年1月15日発売
価格:3,780円(税込)
CTCR-14815/B

[CD]
1. 嵐の前の静けさ
2. 蓮華の花
3. そして太陽の光を。
4. あの場所へ
5. 春の夢
6. 咎
7. ご都合主義
8. 渇望
9. いじわる
10. こころ次第
[DVD]
・“咎”PV
・“愚かな願い”PV
・“都会の灯”PV
・“笑”(LIVE 2012「愚かな願い」at SARAVAH東京より)
・“それを知らない”(LIVE 2012「愚かな願い」at SARAVAH東京より)
・“願いごと”(LIVE 2012「愚かな願い」at SARAVAH東京より)

笹川美和<br>
『そして太陽の光を』(CD)
笹川美和
『そして太陽の光を』(CD)

2014年1月15日発売
価格:3,150円(税込)
CTCR-14816

1. 嵐の前の静けさ
2. 蓮華の花
3. そして太陽の光を。
4. あの場所へ
5. 春の夢
6. 咎
7. ご都合主義
8. 渇望
9. いじわる
10. こころ次第

プロフィール

笹川美和(ささがわ みわ)

1983年2月23日生まれ。新潟県出身のシンガーソングライター。学生時代から地元・新潟を拠点に音楽活動を始め、2003年にavex traxよりシングル『笑』でメジャーデビューし、シングル9枚とアルバム4枚をリリース。その独創的な世界と歌声が話題を集め、数々のCMやドラマの主題歌に起用される。2007年、インディーズレーベルへ移籍し、ミニアルバム4枚とフルアルバムを1枚リリース。2010年にはFUJI ROCK FESTIVALにも出演。2012年、5年ぶりにエイベックスと再契約し、ミニアルバムが2枚リリースされ、2014年1月15日に4年半ぶりのフルアルバムをリリースする。一貫して新潟に在住し、地元ならではの感性から生み出される楽曲は唯一無二であり、その音楽性は一般のみならず音楽関係者からも熱狂的な支持を集めている。

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