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OverTheDogs恒吉と謎の音楽系イラストレーター・フクザワ対談

OverTheDogs恒吉と謎の音楽系イラストレーター・フクザワ対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望

音楽業界が不況だなんて話はもういい加減聞き飽きたし、むしろその崩れつつあるシステムを逆手にとって、自由な活動を展開する表現者が増えていることに、僕は希望すら感じている。メジャーレーベルから離脱し、自らのスタジオを建設、セルフレコーディングで新作『冷やし中華以外、始めました。』を完成させたOverTheDogs。「音楽系イラストレーター」として、アーティストのグッズやジャケットを手掛けるのに加え、自らライブペインティングアーティストとして大型音楽フェスにも出演し、ツアーまで行うフクザワ。両者がすぐに意気投合したのは、ごく自然な流れだったと言っていいだろう。

これまでもライブでコラボレーションを続けてきた両者だが、『冷やし中華以外、始めました。』ではフクザワがジャケットと、ブックレットの(歌詞の内容に対応した)漫画を担当。これを機会に、OverTheDogsの恒吉豊とフクザワとの対談を行った。両者に共通しているのは、引きこもり気味だった過去と、その裏返しとも言うべき、人間に対する強い愛情。表現手段は異なっても、人を求め、求められたいという気持ちに変わりはないし、そんな想いこそが、形式ばったルールを壊して、新しい道を切り開いていく。そんなことを再確認させてもらったような気がしている。

フクザワはすごい人間っぽいし、めっちゃ素直なんですよ。思ったことをそのまま言うから、汚いことをパッと口に出してもあんまり汚く聞こえないし、そういう意味では羨ましいです。(恒吉)

―お二人の出会いは、去年の夏に行われたbomiさんとOverTheDogsのトークイベントに、フクザワさんがゲストで出たときだったそうですね。それぞれ最初はどんな印象でしたか?

恒吉:僕は第一印象で人を判断する癖があるんですけど、フクザワの場合は「たぶん仲良くなるな」っていう感じがしたんです。だから出会ってすぐ「今度飲みに行こうぜ」って話をして、仲良くなって。まあフクザワは僕のこと「軟派な野郎だな」って思ったかもしれないですけど(笑)。

フクザワ:私はOverTheDogsは普通に知ってたんですけど、前ってアー写も黒髪だったのに、そのイベントのときは金髪になってて、「怖そうやし、仲良くなるの無理やな」って最初は思いました(笑)。でもトークイベントだし、話しておかないとと思って、「オバ犬くん(OverTheDogsのキャラクター)ってどうやって描くんですか?」って聞いたら、「適当でいいよー」ってすごいフレンドリーに言われて、「あ、大丈夫なんや」って感じでした。

―フクザワさんって、いろんな人とコラボレーションしてるし、社交的なのかと思いきや、結構人見知りなんですか?

フクザワ:めっちゃ人見知りですし、普段は超引きこもりなんで、基本的に人との接し方わかんなくて。いろんな人に会う機会はあるんですけど、ここまで仲良くなれた人は他に全然いないんです。

―恒吉くんが「仲良くなれそう」と思ったのは、何でだったんでしょうね?

恒吉:なんですかね……フクザワはすごい人間っぽいし、めっちゃ素直なんですよ。思ったことをそのまま言うから、汚いことをパッと口に出してもあんまり汚く聞こえないし、そういう意味では羨ましいです。同じ歌詞を歌っても、井上陽水が「ホテルはリバーサイド」って歌うとエロいけど、たぶん嵐が歌ってもエロくないと思うんですよ。それと同じで、フクザワは汚いことを言っても汚く聞こえないんですよね。

恒吉豊
恒吉豊

バンドのスタッフとかもしてたんですけど、だんだん私に会いに来てくれる人が増えてきたんです。それでもっとそういう人たちと会う機会を増やしたいと思って、ライブハウスでライブペイントをやり始めました。(フクザワ)

―そもそも、フクザワさんの今の活動形態っていうのは、どうやって作られていったんですか?

フクザワ:中学生ぐらいのときにバンドが好きになって、最初は自分でもやってみたかったんですけど、友達がいなくてバンドは組めなかったんです。でも何とかバンドには関わりたいから、音楽を聴いてそれを絵にしてたら、たまたまバンドの人に見てもらえて、そこからつながりがいっぱいできていって。

―イラストレーターで、ここまで名前を知られるようになるのは大変だったと思うんですけど、自分の絵を見てもらえるようにプロモーションしたんですか?

フクザワ:ネットは早くから使ってましたね。高校生の頃はホームページに絵を載せたりmixiとかをすごい使ってて、大学生になってからバンドと触れ合うようになったんですけど、「みんな自分のプロモーションが下手だな」って思うことは多かったかもしれません。それこそTwitterに画像を載っけたりとか、いろいろ見てもらう、知ってもらう方法があるのに、ただライブをしてるだけだととっつきにくい印象だなって。だから私は、わかりやすいように白衣を着たりとか、存在を知ってもらうためにいろいろやってきたんで、Twitterのフォロワーだけは無駄に多いっていう。現実では根暗だし、全然友達少ないんですけど(笑)。

フクザワ
フクザワ

恒吉:でも、僕らからすると全然根暗じゃないんですよ。根暗な人ってホント、畳の線ずっと数えてられるみたいな……。

フクザワ:家では数えてますよ(笑)。でもその分、人前に出たら頑張るみたいな。

―その頑張りの甲斐もあって、ライブペインティングで大型フェスに出演するまでになったわけですけど、根暗なのに人前に出てライブペインティングをするようになったのはどうしてなんですか?

フクザワ:以前はバンドのスタッフとかもしてたので、ライブハウスの物販スペースにいることも多かったんですけど、だんだん私に会いに来てくれる人が増えてきたんです。それでもっとそういう人たちと会う機会を増やしたいと思って、ライブハウスでライブペイントをやり始めました。

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イベント情報

OverTheDogs
『あなたの心を燃やし中華ツアー2014~ドレスコードはヒヤチュウで~』

2014年7月4日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:広島県 BACK BEAT
料金:前売3,000円(ドリンク別)

2014年7月5日(土)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:福岡県 Queblick
料金:前売3,000円(ドリンク別)

2014年7月18日(金)OPEN 18:15 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
料金:前売3,500円(オリジナルタンブラー付、ドリンク別)

リリース情報

OverTheDogs<br>
『冷やし中華以外、始めました。』(CD)
OverTheDogs
『冷やし中華以外、始めました。』(CD)

2014年6月18日(水)発売
価格:1,590円(税込)

1. ココロデウス
2. パンダの名前に似た感情
3. 確信犯
4. 幸、安堵、ピース
5. うつらうつら
6. STAR ON MAGIC
7. 冷やし中華以外、始めました。

プロフィール

OverTheDogs(おーばーざどっぐす)

福生生まれ、福生在住のボーカル恒吉豊を中心に活動中。ゼロ年代の純文学と共振する独特の歌詞世界とVo. & Gt.恒吉のハイトーンボイスで熱い視線を集めている4人組ロックバンド、オバ犬(ケン)こと「OverTheDogs」。2014年3月 ライブハウス限定DVD付シングル「チーズヘッドフォンデュ」を発売、ワンマンツアーを行う。2014年6月 ミニアルバム「冷やし中華以外、始めました。」を発売。

フクザワ

兵庫県出身。絵で音楽に携わる。CDジャケットやバンドのグッズなど音楽系のデザインを好んでするイラストレーター。自身もステージに立ち、アーティストの隣で与えられた時間内に1枚の絵を仕上げるパフォーマンスが話題を呼んでいる。BAYCAMP・COMING KOBE・百万石音楽祭・MURO FESTIVAL・FREEDOM NAGOYA等の大型音楽イベントにも出演。DESIGIN FESTAやSONICART等のアートイベントにも出展。

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突然少年“火ヲ灯ス”

教室でも放課後でも負け続けたこと、弱さ故に大事な友達も傷つけてきたことーー振り返るほど情けなさでズタズタになってきた自分達の青春を全部吐き出しながら、だからこそ今まで裏切らず側にいてくれた人を離さず抱き締めて生きていきたいのだと表明する1stアルバムが『サンキュー・マイ・フレンド・アンド・マイ・ファミリー』だ。ブッチャーズ、eastern youth、NUMBER GIRLを抱き締めて離さない号泣ファズは変わらぬまま、アルバムタイトルの通り「誰に何を歌いたいのか」に重心を置いた結果としてバンドサウンドが撚られ、歌がグッと前に出た。汗と唾を撒き散らす激情の成分はやや減ったが、あなたと友達になりたい、友達との絆を目一杯歌いたい、だからまずは自分達が素っ裸になってあなたと向き合いたいという意志がスウィートなメロディに乗って突き抜けている。「たったそれだけ」をたったひとりに伝えるためにもんどり打つ、バンドの核心がそのまま映し出されたMV。端からライブの中核を担ってきた名曲がさらに躍動している。(矢島大地)

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