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LILI LIMITの挑戦は始まったばかり。芸術性と大衆性は両立する?

LILI LIMITの挑戦は始まったばかり。芸術性と大衆性は両立する?

LILI LIMIT『#apieceofcake』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:西田香織
2016/01/20

ただの空気の振動。もしかしたら、LILI LIMITの牧野純平と土器大洋は、音楽をそんなふうに捉えているのかもしれない。そして、そんな「ただの空気の振動」に、人々が様々な感情や日常を投影させる――そんな音楽という奇跡に、何よりも深く感動しているのかもしれない。

去年、1stミニアルバム『Etudes』で全国デビューを果たした男女混成5ピースバンド・LILI LIMITが、2ndミニアルバム『#apieceofcake』をリリースする。ロックバンドの枠組みを大きく逸脱した、ハイブリッドで最先端の音像を持ちながら、クラシカルな室内楽や1960年代のファンクにも通じる、極めて原初的なポップスとしての野性も持っている彼ら。その音楽は常に、「音楽とは何か?」「ポップスとは何か?」という問いかけを聴き手に投げかける、そんな挑戦的な眼差しもはらんでいる。

今回、「a piece of cake」という言葉に「#(ハッシュタグ)」を付け、作品の名に冠してみせた彼らは、音楽を通して、一体何をわかち合おうとしているのだろうか。コンポーザーである牧野と土器に話を聞いた。

東京に出てきて、「自分たちなりのJ-POPを作りたい」という意識も出てきたんだと思います。(牧野)

―僕がLILI LIMITの音楽を聴いてまず感じたのは、とても緻密で論理的なものから、どんどん論理を剥いでいって、感情的、動物的なものを生み出そうとする表現だということなんです。

牧野(Vo):そういう部分はあると思います。彼(土器)は、どちらかと言えば家でパソコンと向き合って構造的に音楽を作るタイプで、僕はどちらかと言えば感情的に作るタイプで。この二人が主に曲を作っているバンドだから、そう思われるのかもしれない。

右:牧野純平
右:牧野純平

―実際、牧野さんと土器さんの対照的な個性が、LILI LIMITの核にあるのかなって思うんです。ただ、最初に山口県でLILI LIMITが結成されたとき、まだ土器さんはメンバーではなかったんですよね?

牧野:そうですね。土器と出会う前、僕がLILI LIMITを始めたときって、どんなバンドになりたいかは何も考えていなくて。ただ自分の内側から出てきたものを信じて、それをメンバーと共有して作っていく形だったんです。でも、18~20歳くらいの頃って、成長して大人になっていく時期だから、1年前に書いた歌詞を読むと「なんて俺は大人じゃなかったんだろう」って後悔するんですよね。そこが、段々とフラストレーションになっていって。土器と出会った頃には、自分が今までやってきた音楽が嫌いになっていました。

―土器さんと出会ってから、福岡に活動の拠点を移すんですよね。

土器(Gt):当時、僕は僕で牧野と同じように煮詰まっていて。お互い、出会う前は今とは全然違う、感情を吐き出すような音楽をやっていたんです。暗い音楽を、お客さんの方も見ずに激しく演奏して、数人に伝われば他の人が引いていても関係ないっていう。でも、大人になるにしたがって、「もっと伝わる音楽を作りたい」と思うようになったんですよね。

土器大洋
土器大洋

―そこで牧野さんと土器さんの意識が重なって、今の形のLILI LIMITが始まると。

牧野:ただ、福岡にいる時点では、THE NAKED AND FAMOUSとかMEWとかPASSION PITとか、自分たちが影響を受けた海外アーティストっぽい音楽を作るという範疇にいたと思うんです。でも、2014年に東京に出てきたことで、「もっと伝わる音楽をやるべきだ」という意識が本格的に根付きました。東京はバンドの数も多いし、たくさんの人と話す機会が増えたことで、やっとお客さんのことをちゃんと見始めたし、「自分たちなりのJ-POPを作りたい」という意識も出てきたんだと思います。

土器:自分らが出したい音を、どう伝わる音楽に落とし込むかを考え始めましたね。

―福岡で活動していた時代は、音楽はあくまで自己表現の手段だったのが、東京に出てきて、たくさんの人がいる空間を生み出すものだという考え方に変わった。

牧野:そうですね。ライブは、「いい歌」を歌うというより、「いい空間」の中で歌いたい。その空間に馴染むような歌を歌いたいっていう気持ちが強くあります。

土器:空間を作りたいという考え方は、一緒にやり始めたときから考えてはいたと思うんです。でも、どういう空間を作りたいのかという意識が、東京に出てきてから変わったのかもしれない。

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リリース情報

LILI LIMIT『#apieceofcake』
LILI LIMIT
『#apieceofcake』(CD)

2016年1月20日(水)発売
価格:2,160円(税込)
LACD-0267

1. Festa
2. Boys eat Noodle
3. N_tower
4. morning coffee
5. seta gaya
6. vanilla ice claim
7. lycopene
8. nnmnd

イベント情報

『#apieceofcake release tour2016』

2016年2月21日(日)
会場:大阪府 心斎橋 JANUS

2016年2月26日(金)
会場:愛知県 名古屋 APOLLO BASE

2016年3月13日(日)
会場:東京都 新代田 FEVER

プロフィール

LILI LIMIT
LILI LIMIT(りり りみっと)

男女混成5人組バンド。2012年、ボーカル牧野を中心に山口県宇部にて結成、その後福岡へ拠点を移動し現在のメンバーになる。2014年より東京にて活動を開始。自主制作CD“moduler”を残響SHOPレーベルよりリリース。2015年4月ラストラムより1stシングルを店舗限定にてリリース。発売日から完売店舗が続出するなど新人バンドとしては驚異的なセールスを記録。同年7月、初のミニアルバム『Etudes』を全国リリース。そして2016年1月20日、2ndミニアルバム『#apieceofcake』をリリースする。

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