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ヒーローになれなくても勇ましく生きる男たち Hocori×手嶋幸弘

ヒーローになれなくても勇ましく生きる男たち Hocori×手嶋幸弘

Hocori『Duet』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子 場所協力:Spincoaster Music Bar

桃野陽介(モノブライト)と関根卓史(golf、SLEEPERS FILM)が昨年結成したユニット、Hocori。関根がクリエイトする、golfにも通じるエレクトロサウンドにブラックミュージック由来のグルーヴ感やアーバンなメロウネスを加えたトラック。そこに粘度の高い桃野独自のボーカルとメロディー、男女の夜の交わりを感覚的に描写したリリックが乗ることで、絶妙なコントラストを生む。不可思議な中毒性をはらんだ音楽性は、最新EP『Duet』でさらにその強度を増している。

そんなHocoriと親密なコラボレーションを展開しているのが、ファッションデザイナーの手嶋幸弘が手掛けるアパレルブランド、ユキヒーロープロレスだ。ユキヒーロープロレスのブランドコンセプトは、「誰かのヒーローになれる服」。手嶋にとってそのヒーローのロールモデルとなっているのは、幼少期から憧憬を抱き続けているプロレスラーである。

ユキヒーロープロレスは、去る3月18日、『東京コレクション』に初の単独参加を果たした。会場となったタワーレコード渋谷店の屋上にはランウェイが設置され、音楽を担当したHocoriがDJスタイルのパフォーマンスでショーを彩った。アーバンだけれど、どこかイナタいエレクトロポップを表現するHocori。プロレスから育んだアイデンティティーをファッションに昇華するユキヒーロープロレス。双方に共通する「違和感を魅力に変換するクリエイティブ」の源泉に迫った。

僕にとっては『東京コレクション』のかたちが最高のステージの立ち方だと思っている。(桃野)

―ユキヒーロープロレスが『東京コレクション』に参加するのは今回が初だったんですか?

手嶋:プレコレクションというか、体数の少ないコレクションはやったことがあったんですけど、27体をきっちり披露する単独のコレクションは初でした。今回、タワーレコードさんとHocoriとコラボできることになって、「何か面白いことやりましょうか? じゃあ一緒に『東コレ』やりましょうか!?」って話をして。

関根:去年、ユキヒーロープロレスのポップアップショップ限定(現在はタワーレコード渋谷店のみ発売中)で『Tag』というシングルをリリースして、“Tag”のインストをユキヒーロープロレスのショーでかけさせてもらったという経緯もあったんですよね。

左から:桃野陽介、関根卓史、手嶋幸弘
左から:桃野陽介、関根卓史、手嶋幸弘

―『東京コレクション』ではHocoriがランウェイ上のDJブースでプレイするスタイルでショーミュージックを担当しましたけど、どうでしたか?

関根:ファッションショーのためにDJをするのは、自分にとっても特殊なセットで、かなり面白い体験でしたね。選曲もショーのためのDJミックスをしっかり練って、ちゃんとモデルさんが出てくるタイミングや動きを見ながら曲を繋げたいと思って。緊張感も含めていい経験になりました。

『東京コレクション』の模様
『東京コレクション』の模様

『東京コレクション』の模様
『東京コレクション』の模様

桃野:『Duet』の1曲目に入ってる“Free Fall”は、今回のユキヒーロープロレスのコレクションのために書き下ろした曲なんです。

―“Free Fall”は、ショーがスタートする前に会場のSEとして流れてましたね。

桃野:そう。モノブライトの活動ではファッションブランドとのコラボレーションなんて経験したことがなかったし、コレクション会場に自分の歌が流れるのも不思議な気持ちでした。ましてやランウェイで自分がDJプレイするとは……僕は「フゥー!!」とかシャウトするだけだったんですけどね(笑)。

手嶋:でも、あのシャウトは重要ですよね。

桃野:僕のなかでは「本気の雰囲気もの」ができて嬉しかったです。僕にとってはああいうのが最高のステージの立ち方だと思っていて。ホントは人前で歌うのも演奏するのも苦手な性格なので、お客さんを煽るだけで空間を作れるような人になりたいという願望が、ずっと心のなかであったんです。

―そもそもフロントマン気質ではないということですか?

桃野:そうなんです。基本的に盛り上げ役くらいでいいというか。でも、音楽は好きだし、自分で好きな音楽を作ってみたいというところからバンドマンとしてのキャリアが始まったので、自然と自分がフロントマンになっていて。だから、そもそも矛盾してるんですよね。ホントはこういうことをずっとやりたかったから、めちゃくちゃ楽しかったです。手嶋さんが思ってる以上に僕は感動してました。

左から:関根卓史、桃野陽介

普段は音楽ってプロレスの入場曲しか聴かないんですけど、Hocoriの曲は素直にかっこいいと思うんですよね。(手嶋)

―今、桃野さんが話してくれたような願望からHocoriというユニットが始まったんですか?

桃野:そうなんですよ。安心してサウンドを任せられる人と何か一緒にやりたいと思って。バンドで曲を作って、自分でギターを弾きながら歌っていると、どうしても人に任せられない部分が多いんですよね。でも、関根さんのトラックは自分が最高に心地いい気分になれるし、自然と寄り添うことができる。同郷(ともに北海道出身)というのも大きかったと思います。僕はHocoriでも歌詞とメロディーを書いて歌ってはいますけど、トラックを関根さんに任せられるというのはかなりデカいですね。

関根:『東京コレクション』のときのようにHocoriでDJステージに立つと、桃野くんが感覚的に面白いシャウトとか煽りを入れてくれるから、ただのDJプレイにならないんですよね。お客さんの集中力を削ぐわけでもなく。その感じがよかった。

手嶋:僕はとにかく音楽のことを全然知らないんですけど、Hocoriの曲は素直にかっこいいと思うんですよね。普段は音楽ってプロレスの入場曲しか聴かないので。

左から:手嶋幸弘、関根卓史

―え、ホントですか?

手嶋:ずっとそうです。モノブライトは出口(博之 / Ba)さんと面識があって、その繋がりでマネージャーさんを通じてHocoriのCDをいただいたんです。そのとき、車のなかで延々と聴いたんですよ。最初は「オシャレな音楽やなあ」と思って聴いてたんですけど、だんだん「この歌詞いいな」「この部分がカッコいいな」って自分の好きなポイントが見つかって、CDが終わったときに自然と「あ、もう1回聴きたい」と思えたんです。そんなことってほとんどなくて。だから、セコいんですよ、Hocoriは。

桃野:べつにセコくはないでしょう!(笑)

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リリース情報

Hocori『Duet』
Hocori
『Duet』(CD)

2016年3月23日(水)タワーレコード限定リリース
価格:1,404円(税込)
CNBN-03

1. Free Fall
2. Game ft. 田中シェン
3. 狂熱の二人
4. Train Conbini Edit
5. Game Instrumental

プロフィール

Hocori
Hocori(ほこり)

2014年結成。モノブライトのフロントマン・桃野陽介と、エレクトロポップバンド・golfのフロントマンで、映像グループ・SLEEPERS FILMの首謀者でもある関根卓史による、スミスのジョニー・マーとニュー・オーダーのバーナード・サムナーによるエレクトロニック、ダリル・ホール&ジョン・オーツ、さらにはダフト・パンクやクローメオといった男性デュオの系譜を引き継ぐ、新世代のエレクトロ・“バディ”・ミュージックを体現する音楽デュオ。2015年7月、1st Mini Album『Hocori』をリリース。そのMini Albumがクリエイター・手嶋幸弘氏のハートを射止め、手嶋氏が手がける新進気鋭のアパレルブランド「ユキヒーロープロレス」とコラボレーション。そして2016年3月、手嶋氏とコラボレーションした『Tag』をきっかけに、タワーレコード渋谷店屋上にて開催され、同ブランドの東京コレクションショーケースでのサウンドプロデュースも決定。EP『Duet』を、3月23日にタワーレコード限定リリース。

手嶋幸弘
手嶋幸弘(てしま ゆきひろ)

スタイリスト、デザイナー。「プロレス、ファッション、ヒーロー、そのどれもが持ち合わせている『魅せる』という力。それら全てを融合し人々を魅了するアパレルブランド。”誰かのヒーローになれる服”」というコンセプトで、ブランド「ユキヒーロープロレス」を展開。

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