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fox capture plan×Keishi Tanakaの国産ブラックミュージック談義

fox capture plan×Keishi Tanakaの国産ブラックミュージック談義

fox capture plan『fox capture plan feat. Keishi Tanaka』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望 編集:飯嶋藍子

fox capture planとKeishi Tanakaのコラボレーションが実現。表題曲“透明色のクルージング”を軸に、両者のコラボレーションのきっかけとなった“傘を持たない君と音楽を(fox capture plan Remix)”などを含む「fox capture plan feat. Keishi Tanaka」盤と、ブルーアイドソウルの名曲カバーなどを収録した「Keishi Tanaka feat. fox capture plan」盤の2形態がそれぞれのレーベルからリリースされる。

同世代で、それぞれがソウルとジャズロックに軸足を置きつつ、横断的な音楽性を展開してきた両者のコラボレーションは、結果的に近年の世界的なブラックミュージックの流行に対する日本からの返答になったと言っていいだろう。また、この二組は「歩みを止めることなく、常に次の一手を模索している」ところも共通点。共に新たなフェーズに突入した現在のモードについて、じっくりと語り合ってもらった。

フェスで同じステージに立って初めて観る人もいっぱいいる中で、Keishiくんがフロントマンとして盛り上げてくれて、化学反応が起こっているなって。(岸本)

―今回のコラボのきっかけはKeishiさんがフォックス(fox capture plan)に“傘を持たない君と音楽を”のリミックスを依頼したことだったそうですね。

Keishi:去年『Alley』というアルバムを出したときに、お店ごとの特典音源としてその曲のリミックスを作ることになって。バンドセットのサポートメンバーとか近い人のほかに、自分がまだ出会ってない人にもお願いしたいと思ってスタッフに相談したら、フォックスを紹介してくれたんです。そのときはデータのやり取りだけだったんですけど、8月に尾道で対バンしたときに初めて会って、そこで仲良くなれたから、今日に至れたというか。

―フォックスに依頼したのはどこがポイントだったんですか?

Keishi:インストバンドがいいなっていうのはちょっとあって、いわゆるリミックスもいいけど、リアレンジも聴いてみたかったんですよね。しかも、ビートの感じとか、自分にはないものを持っていたので、そういう人の方が面白そうだなって。

―フォックスにとっては新鮮なオファーでしたよね。

岸本(Pf):そうですね、僕たちは歌もの自体やってないですからね。「好きにやっていい」って言ってもらっていたので、最初はKeishiくんの曲をインストカバーする選択肢もあったんですけど、結局ボーカルデータをそのまま使いました。単純に「フォックスが歌ものをやったらどうなるか」っていう提示になると思ったし、オリジナルとは全然違うテイストで仕上げようみたいな感じで。

岸本亮
岸本亮

―実際のリアレンジの作業はスムーズにいきましたか?

岸本:これはわりと僕がディレクションしていましたね。アバンギャルドなコード進行をつけたりしていたんですけど、歌を尊重しながら自分たちの普段のテイストも出るように意識しました。原曲のサックスとかストリングスのデータももらって、上手いことハマりそうやったら使おうと思って途中まで生かしてたんですけど、結局なくしちゃいましたね。コーラスだけお借りして、あとは歌とピアノトリオだけで成立してるなって。

Keishi:僕もフォックスの感じがちゃんと出ていた方が絶対面白いと思ったので、そうなってよかったです。尾道で対バンしたときにアンコールでその曲を一緒にやったんですけど、そのときの感じもよくて、まだ今回のリリースの具体的な話は全然なかったんですけど、こっちが何かお願いしたら「やろうよ」って乗って来てくれる雰囲気が何となく伝わってきたんです。あれがなかったら、ビビッて頼んでないかもしれない(笑)。

岸本:尾道の翌日に兵庫のフェス(『ONE Music Camp』)で一緒に“傘を持たない君と音楽を”をやったときに「フロントマンがいるってすげえな」って思いました。僕ら三人だと楽器的に動き回れないから、Keishiくんも僕らに合わせるような感じでやるのかなって思ったら、どんどん客席に飛び出していって。フェスで初めて観る人もいっぱいいる中で、Keishiくんがフロントマンとして盛り上げてくれて、化学反応が起きてましたね。いい意味で裏切られたので、あれはグッときました。

カワイ(Ba):残り2曲あったのに、一番持っていったからね(笑)。

―じゃあ、今回のコラボレーションに関しても、Keishiさんからフォックスにオファーをしたんですね。

Keishi:そうです。去年『Alley』を出して、ソロになってから2枚セルフプロデュースで出せたので、2016年は人と絡みたいっていうテーマがあって。その一作目が『Hello, New Kicks』で、Tokyo Recordingsっていう若いアレンジチームと絡んだんですけど、その第二弾としてフォックスならやってくれるんじゃないかと思って。しかも、カバーをやることになったり、フォックス盤も出ることになったり、フォックス側から「こうしよう」っていう提案があって盛り上がったのが嬉しくて。

Keishi Tanaka
Keishi Tanaka

岸本:僕らとしては去年『Butterfly』ってアルバムでいろんなことに挑戦して、「次どうしよう?」って感じだったんですよね。「ただいい曲を作ってもインパクトに欠けるんじゃない?」って話していたところにちょうどお話をもらったので、僕たち的にもすごくいいタイミングで、新しい表現手段に取り組めるチャンスやなって思いましたね。

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リリース情報

fox capture plan feat. Keishi Tanaka『透明色のクルージング』
fox capture plan feat. Keishi Tanaka
『透明色のクルージング』(CD)

2016年5月11日(水)発売
価格:1,620円(税込)
Playwright / PWT-22

1. 透明色のクルージング
2. 傘を持たない君と音楽を(fox capture plan Remix)
3. Silent Fourth
4. Yellow Counter
5. 透明色のクルージング(fox capture plan Instrumental Version)

{作品名など}
Keishi Tanaka feat. fox capture plan
『透明色のクルージング』

2016年5月11日(水)発売
価格:1,620円(税込)
Niw! Records / NIW-119

1. 透明色のクルージング
2. Anything You Want(John Valenti Cover)
3. More Today Than Yesterday(Spiral Starecase Cover)
4. After Rain(fox capture plan Remix)
5. 透明色のクルージング(fox capture plan Instrumental Version)

プロフィール

fox capture plan
fox capture plan(ふぉっくす きゃぷちゃー ぷらん)

“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとした情熱的かつクールで新感覚なピアノ・トリオ・サウンドを目指し、それぞれ違った個性を持つバンドで活動する3人が集まり2011年結成。2013年2ndアルバム『BRIDGE』を12月に発売し、「JAZZ JAPAN AWARD 2013アルバム・オブ・ザ・イヤーニュー・スター部門」、第6回「CDショップ大賞2014」ジャズ部門賞を受賞。2015年は年初に3作のアルバムリリースを公言し、『UNDERGROUND』『COVERMIND』『BUTTERFLY』の三部作で「JAZZ JAPAN AWARD 2015アルバム・オブ・ザ・イヤーニュー・ジャズ部門」を受賞、オーストラリア・ブリスベンフェスティバル出演、ドラマ、CMなど多方面への楽曲提供も行う。最新作『BUTTERFLY』は「CDショップ大賞2016」ジャズ部門賞を受賞。2016年は活動5周年を迎えさらに精力的に活動中。

Keishi Tanaka
Keishi Tanaka(けいし たなか)

Riddim Saunter解散後、ソロとして活動をスタート。2015年までに、『Fill』と『Alley』のフルアルバム2枚の他、詩と写真で構成された6曲入りソングブック『夜の終わり』や、絵本『秘密の森』など、自身の世界観を表現する多様な作品をリリースしている。最大10人編成で行われるバンドセットを中心に、ピアノデュオや一人での弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで活動中。自主企画として『NEW KICKS』と『ROOMS』を不定期に開催。2016年にはシングル3部作として、1月に『Hello, New Kicks』、5月にfox capture planとのコラボEP『透明色のクルージング』、さらに7月はLEARNERSをゲストに迎えた新作を立て続けにリリースする。4月にはビルボードのステージに立つなどして注目を集めている。

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