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クラウドファンディングは業界をどう変える?家入一真×岡田一男

クラウドファンディングは業界をどう変える?家入一真×岡田一男

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子

「CAMPFIREで音楽を強化していく新しいサービスを立ち上げます。アーティストが、ファンが、音楽に『燃える』ような気持ちを助けるための薪になりたい。声なき挑戦者の、小さな火を灯しつづけたい。そんな気持ちではじめていきます。どうぞお楽しみに」

先日、CAMPFIRE代表の家入一真は、こうブログに決意を記した。実現したいプロジェクトに広く個人から出資を募るクラウドファンディングサービスのプラットフォームの中でも、国内最大規模を誇るCAMPFIRE。Awesome City Clubが限定シングルをリリースするなど、活用するミュージシャンも徐々に増えつつある。今年2月に手数料を20%から5%に引き下げたことでも注目を集めたCAMPFIREは、その流れをさらに加速し、より多様なサポートの形を実現するべく新たなサービスをスタートさせるという。

今回のインタビューでは、音楽事業強化の真意について、そしてクラウドファンディングやシェアリングエコノミーが象徴する未来の社会について、家入一真と音楽事業担当執行役員・岡田一男の二人に話を訊いた。

今の時代、どこかのレコード会社や事務所に所属していても、「予算がない」という話をよく聞くんです。(家入)

―単刀直入に、なぜ家入さんはCAMPFIREで音楽事業に乗り出そうと考えたのでしょうか?

家入:その前に、もともと僕が考えていることをまずお話ししたほうがいいですよね。僕はインターネットが大好きで、インターネットが普及したからこそできるようになったことは何かを常に考えているんです。それって、結局は今まで声を上げられなかった人たちが声を上げられるようになったということに尽きるんじゃないかと思っていて。たとえば、テレビに出ることや本を出版することはすごくハードルが高かったけど、ニコ生やツイキャス、ブログなどで誰でも自分を表現できるようになった。

音楽もそうですよね。みんなに自分の曲を聴いてもらうにはメジャーデビューする以外なかなか難しかったけれど、それもネットを通して可能になった。ネットが浸透したからこそ、小さくても声があげられるようになったという現実がある。僕自身はずっと、そういう小さい声を拾い上げるようなことをやっていきたいという思いがあるんです。

左から:岡田一男、家入一真
左から:岡田一男、家入一真

―その思いはCAMPFIREの立ち上げ以前からあるものですか?

家入:やりたいことは僕の中で一貫しています。一番最初に起業したペパボも、ネットショップを作ることができるBASEというサービスも、CAMPFIREもそう。個人の声を拾うことをずっとやってきました。 CAMPFIREに関しては、クラウドファンディングをやっている僕らだからできることって何だろうとずっと考えていて。特にCAMPFIREはアートやカルチャー、音楽やパフォーマンスや映画に携わる人によく使われているんです。とはいえ、僕自身は音楽業界に詳しいわけでもないので、音楽事業に乗り出そうと思ったのは、岡田さんとの出会いが大きいんですけど。

―岡田さんはずっと音楽業界で仕事をされているんですよね。

岡田:そうですね。レコード会社に9年半くらいお世話になって、その後はマネージメントなどの会社をやりながら、いくつかのレーベルからお声がけいただいて、Awesome City Club、ぼくのりりっくのぼうよみ、まらしぃ、ゆよゆっぺ、MYTH & ROID、SKY-HIなど、年間約40組のアーティストの宣伝販促やブランディングをお手伝いしています。

―岡田さんは、どういう経緯で家入さんからの誘いを受けたのでしょう?

岡田:もともとCAMPFIREの共同設立者である石田(光平)くんと友達ということもあって、湯川潮音さん、Have a Nice Day!など、いろんなアーティストのプロジェクトをCAMPFIREに紹介することが多かったんです。クラウドファンディングは音楽とも親和性が高いし、非常に有効なツールだと思っているんですね。

そういう中で、今年の2月に家入さんが代表に復帰して、改めて話すようになって。Facebookメッセンジャーで好きな音楽の話とかをしているうちに、「よかったらCAMPFIREを手伝いませんか」ということになったんです。

―家入さんは「まだまだCAMPFIREで音楽に対して出来ることはある」と書いていましたが、どういう方向性のことを考えているのでしょうか?

家入:今の時代、これからデビューしようとしている方とか、もしくはデビューして活動している方も含めて、どこかのレコード会社や事務所に所属していても「予算がない」という話をよく聞くんです。だから、僕らはクラウドファンディングをやっている側として、そこをサポートしたいと思うんですね。「クラウドファンディングがすべてを解決しますよ」と言うつもりはありませんが、僕らだからできることはあるはずで。そういうことを話していた中で、岡田さんと意気投合していきました。

右:家入一真

岡田:たとえば、毎年デビューするアーティストがいるぶん、契約が終わるアーティストもいるわけです。レコード会社や事務所との契約がなくなると、いろんなサポートが受けられなくなったりして、活動できなくなる人たちもいる。それって、とてももったいないと思うんです。契約がなくなることで結果としてバンドが解散するのは、すごく悲しい。クラウドファンディングで、少しでもアーティストが持続的に活動できるようなサポートができないかと考えていて。

それは経済的な部分だけではなくて、クラウドファンディングを核としたいろんな形のサポートをやれるんじゃないか漠然と感じているんです。たとえば、Awesome City ClubはCAMPFIREを使ってアナログの7インチシングルを作ったり、カセットテープを作ったりしましたが、それらの形態でリリースするのって、レコード会社にとってはわりとイレギュラーなことなんですよね。でも本人たちはやりたいし、それがバンドのブランディングにもつながる。そういうことにクラウドファンディングが役立つのは素晴らしいと思うんです。

―メジャーレコード会社に所属していなくても音楽活動を続けていこうと思っているアーティストが対象のイメージとしてあった?

岡田:そうですね。でも、メジャーレーベルのアーティストもどんどんクラウドファンディングを使ってほしいです。メジャーやインディーズは、関係ないと思うので。

家入:ネットが浸透してきて、誰でも声をあげられるようになったことで、ある意味プロとアマチュアの境界線も曖昧になってきていると思うんです。

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プロフィール

家入一真(いえいり かずま)

起業家。1978年福岡県出身。株式会社CAMPFIRE代表取締役。2001年に株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)を創業後、JASDAQに上場。他にもオンザコーナーなどのカフェ運営を行うpartycompanyや、スタートアップへの投資を行うpartyfactory、ECプラットフォームBASEの創業、シェアハウス「リバ邸」を日本各地に立ち上げるなどの活動も行なっている。著書に『もっと自由に働きたい』『新装版 こんな僕でも社長になれた』『お金が教えてくれること』『15歳から、社長になれる』『バカ、アホ、ドジ、マヌケの成功者』『ぜんぜん気にしない技術』『ぼくらの未来のつくりかた』『我が逃走』など。

岡田一男(おかだ かずお)

1979年東京都出身。2002年、エイベックス株式会社に入社。2011年に独立し、株式会社ハレバレを設立。2016年より、株式会社CAMPFIREにて音楽事業担当執行役員を務める。その他、株式会社Qacoii代表取締役、株式会社Yeezus代表取締役、株式会社Candeeプロデューサーなど。現在はSKY-HI、ぼくのりりっくのぼうよみ、出雲咲乃、SANABAGUN.などのプロモーションやブランディングを手がけている。「音楽を中心とした助っ人」として、音楽業界・エンターテイメント業界の裏方として勤労に励む。

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