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クアイフが語る、ポップスへの憧れとメジャーシーンで闘う覚悟

クアイフが語る、ポップスへの憧れとメジャーシーンで闘う覚悟

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:瀬能啓太 編集:山元翔一

愛知出身の3ピースバンド、クアイフ。彼らが2016年の暮れにリリースした“snow traveler”を初めて聴いたとき、今の時代にしか作り得ない歌詞とサウンドながら、10年後にも20年後にも波及していきそうな、普遍性の高さに驚いた。そこには、「大衆音楽」としての役割を背負った曲だけが持つ人懐っこさと、どこか凛とした風情のようなものがあった。

クアイフは結成6年目の今年、メジャーデビューを果たす。今回のインタビューは、まだメジャーデビュー作などが完成していない準備段階にて行われたがゆえに、今、クアイフが抱える問題意識と野心が生々しく記されることとなった。彼らが抱える問題意識――それはつまり、「今、バンドはメジャーでやれるのか?」ということ。

たとえば、テレビへの出演ひとつを取ってみても、今はもう「バンドがテレビに出ている」というだけで付加価値が生まれる時代ではない。「どこで自分たちは闘うのか」という問いのなかで、この数年間で活動スタンスを変えたバンドも多くいる。しかし、そんな今だからこそ、クアイフは自らの音楽を輝かせる術を模索しながら、荒波のなかを泳ぎ始めた。しかし勘違いしてはいけないのは、これは悲痛な闘いではないということ。新たなクリエイティビティーとバンドとしての野心を見出したクアイフの三人の瞳は今、とても無邪気に、キラキラと輝いている。

ポップスの歴史に対する憧れや嫉妬が、これからの僕らを導いてくれると感じています。(内田)

―クアイフは今年、メジャーデビューすることが発表されていますが、みなさんは「メジャーデビュー」という言葉をどのように捉えていますか?

内田(Ba,Cho,Programming):僕らは結成して5年なんですけど、5年前の僕らにとって、メジャーデビューは大きな目標であったような気はするんです。なので、その目標がクリアできたことは嬉しく思っているんですけど……でも同時に、5年前にはわからなかったいろんな状況が見えてきていて。だから今は、「夢は叶ったけど、ここからがスタート」くらいの気持ちでいます。

左から:三輪幸宏、森彩乃、内田旭彦
左から:三輪幸宏、森彩乃、内田旭彦

―5年前には見えていなくて、今は見えている状況というのは?

内田:結成当初の僕らは、インディーズバンドなりのスタンスで、「アングラからメジャーシーンに対するカウンターを打ってやる!」っていう気持ちが強くて。「お茶の間に知ってもらえなくても、音楽ファンに届けばいい」と思って続けていけば売れるんだっていう、根拠なき自信があったんです。

でも今は、バンドシーンの人たちが勝負したところで、メジャーシーンで活躍している人たちには勝てないんじゃないか? と思っていて。たとえば、テレビで並んだときに視聴者はどちらを選ぶのか……そう考えると、差は歴然としている思うんですよ。

―「差」というのは、具体的にどういった部分で?

内田:クオリティーの差ですね。僕らは「EPICレコードジャパン」からデビューしますけど、先輩には「放牧中」のいきものがかりさんがいるんです。もしかしたら音楽ファンの人たちのなかには、彼らを「大衆向けの音楽でしょ?」って軽く見る人がいるのかもしれないけど、彼らは歌詞の面でも音の面でも、とんでもなく高いレベルのことをやっているんですね。それが、ミュージシャンである僕らにはわかる。

優れたポップスを作るには、技術もセンスも経験も知識も、その全てが必要だし、「音楽の総合芸術」としてレベルが高くないと、歌謡曲からJ-POPへと、先輩方が時代を超えて継承してきたものには絶対に勝てないと思うんです。ポップスの歴史に対する憧れや嫉妬が、これからの僕らを導いてくれると感じています。

左から:内田旭彦、森彩乃

普段、あまり音楽を聴かない人たちが受け入れてくれる曲を作ろうとしたとき、「奥深っ!」って思ったんです。(森)

―クアイフのなかで「今のままではメジャーシーンのポップスには勝てない」という認識が生まれ、バンドのスタンスが変わったきっかけは、何だったんですか?

三輪(Dr):『Life is Wonderful』(2016年)っていうミニアルバムがあるんですけど、時期的にはあの辺だよね?

森(Vo,Pf):そうだね。具体的なきっかけは、去年、名古屋グランパスのオフィシャルサポートソングの話をもらって、“Don't Stop The Music”という曲を作ったことです。

『Life is Wonderful』(2016年)より

:この曲を作るにあたって、「普段、あまり音楽を聴かない人たちが受け入れてくれる曲って、どんな曲なんだろう?」って考えたんです。その答えはやっぱり、口ずさめて、ノりやすくて、みんなで歌える曲じゃないですか。でも実際に、そういう曲を作ろうとしたとき、「奥深っ!」って思ったんですよ。それで、「音楽を日常的に聴かない人に届く曲を作ることは、こんなに難しいことなんだ!?」って気づいたし、そこに立ち向かう面白さを感じるようになって。

内田:それまでの僕らは「プログレッシブピアノロックバンド」と名乗っていたんですけど、『Life is Wonderful』のときに「ロック」の部分を「ポップ」に変えたんです。この言い方は語弊があるかもしれないけど、コアな音楽ファンにだけ届く曲を作ることは、僕らにとってある意味簡単なんですよ。

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2017年4月16日(日)
会場:大阪府 梅田 Zeela

2017年4月21日(金)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-Crest

2017年4月22日(土)
会場:愛知県 名古屋 CLUB QUATTRO

プロフィール

クアイフ
クアイフ

華麗なるピアノボーカル・森彩乃擁するプログレッシブピアノポップバンド、クアイフ。2012年3月、音大クラシックピアノ科出身で数々のピアノコンクール受賞歴のある森彩乃を中心に結成。2016年4月に初のタイアップ楽曲2曲含む2ndミニアルバム『Life is Wonderful』をリリースし、東名ワンマンをソールドアウト。確実にその輪を広げる中、1st EP『snow traveler』を12月にリリース。リリースを記念して地元名古屋にて行われたワンマンライブにて、2017年にEPICレコードジャパンからメジャーデビューすることが発表され、今後の活躍から目が離せない。

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