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谷ぐち&劔・犬山夫妻対談 自分の人生を疎かにしない家族のあり方

谷ぐち&劔・犬山夫妻対談 自分の人生を疎かにしない家族のあり方

『MOTHER FUCKER』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中村ナリコ 編集:柏井万作、山元翔一 取材協力:Mikkeller Tokyo

今年25周年を迎えた日本のアンダーグラウンドシーンを代表するレーベル「Less Than TV」をご存知だろうか? 現在公開中の映画『MOTHER FUCKER』は、同レーベルの主宰者である谷ぐち順と、その妻であり、同じくバンドで活動するYUKARI、そして小学生になる息子の三人家族が主役となり、音楽や家族、仕事など日々の葛藤に向き合う夫婦のリアルを描いたドキュメンタリー映画だ。

この映画の公開を記念して、YUKARIとは関西時代から旧知の仲である、ミュージシャン劔樹人と、その妻で、エッセイスト / タレントの犬山紙子を迎え、夫婦対談を実施。犬山は今年の1月に第一子を出産し、妊娠・出産・育児についてのインタビューをまとめた書籍『私、子ども欲しいかもしれない。』を先日発表したばかり。また、同日に劔も兼業主夫としての日常を綴ったエッセイ漫画『今日も妻のくつ下は、片方ない。』を発表。この2組の対談は、夫婦や家族のあり方がどんどん変わっていく現代における「幸せのあり方」について、たくさんのヒントを含む内容になったように思う。

共鳴くんに対して、対等な人間として接するお二人の姿がすごくかっこよくて、すごく感銘を受けました。(犬山)

—映画をご覧になって、犬山さんはどんな感想を持たれましたか?

犬山:YUKARIさんがお子さんの共鳴(ともなり)くんと接するシーンは、「私がこれからたどる道なんだろうな」って、先輩の姿を見るような感じでした。しかもYUKARIさん、「子どもだから」っていう接し方じゃなくて、本当に「一人の人間」として接していて、まさに私が目指している子育てを実践してるんです。すごく感銘を受けました。

—親の厳しさと優しさ、両方ともが描かれていますよね。

犬山:本当にそう。初ライブに挑む共鳴くんに対しても、「子どものお遊戯会じゃないんだよ」って、甘やかさないじゃないですか。共鳴くんに対して、対等な人間として接するお二人の姿がすごくかっこよくて。

YUKARI:ついつい子どもを所有物みたいに思っちゃうこともあるんですけどね。自分で服を選び始めた頃なんて、ボーダーにストライプとか、すごいコーディネートしたりするんですよ。「いやいやいや」ってなるんですけど、そこが個人を尊重するかどうかの狭間(笑)。

犬山紙子、劔樹人、谷口共鳴、YUKARI、谷ぐち順(撮影協力:Mikkeller Tokyo)
犬山紙子、劔樹人、谷口共鳴、YUKARI、谷ぐち順(撮影協力:Mikkeller Tokyo / 店舗情報を見る

谷ぐち:子ども相手でも対等に接するってことで言うと、ひとつ決めてることがあって、友達の子どもとか赤ちゃんにも「Less Than TVの谷ぐちです」って、ちゃんと挨拶するようにしているんです。

YUKARI:そういうことは、自分で言うとあんまりだよ。「谷ぐちさん、赤ちゃんにもちゃんと挨拶するんだ」って周りが気づくのはいいけど、自分で言っちゃうとかっこ悪いよね。

一同:(爆笑)

—谷ぐちさんは共鳴くんとの接し方について、何か意識されていますか?

谷ぐち:まあバンドと同じで、子どものことに親が介入するのって、それこそパンク的じゃないですよね。もっと自由に、「何でもいい」みたいなほうがいいなって思っています。

谷ぐち順
谷ぐち順

:映画のなかで、初ライブが近づいてきて、共鳴くんなりに葛藤して、でも最後の練習が上手くいって、YUKARIさんとすごく嬉しそうにしてるシーンがあるじゃないですか? あそこは本当に感動的でした。

谷ぐち:でも実を言うと、「バンドやっちゃったか……」って感じだったんだよね。親のエゴを押しつけてるように思われちゃうなって。Less Than TVのようなハードコア界隈でも子ども好きな人っていて、そういう人と共鳴がライブハウスで仲良くなってたんです。それで、「じゃあ、今度泊りに行ったらいいじゃん」って行かせたりしてたら、その延長で「バンドやろう」ってなったみたいで。

映画『MOTHER FUCKER』より / ©2017 MFP All Rights Reserved.
映画『MOTHER FUCKER』より / ©2017 MFP All Rights Reserved.

犬山:それもちょっと憧れで、子どもに大人の友達とたくさん接してほしいんですよね。

:その話はよく言ってるよね。子どもができると外出しづらくはなるけど、それだったら友達に家に来てもらって、子どもにいろんな人と会ってほしいって。

犬山:そうそう。親の価値観だけじゃなくて、いろんな価値観に触れてほしいと思っているんです。今の話はまさしくそういうことですよね。

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作品情報

『MOTHER FUCKER』

2017年8月26日(土)~9月8日(金)渋谷HUMAXシネマ、9月9日(土)~9月15日(金)シネマート心斎橋、9月16日(土)~9月22日(金)シネマート新宿、9月23日(土・祝)~9月29日(金)名古屋シネマテーク、9月30日(土)~10月6日(金)広島・横川シネマ、10月14日(土)~10月20日(金)横浜シネマ・ジャック&ベティ、10月21日(土)~10月27日(金)仙台・桜井薬局セントラルホール、10月28日(土)~11月3日(金・祝)京都みなみ会館、以降、神戸・元町映画館ほか全国順次公開
監督・撮影・編集:大石規湖
出演:
谷ぐち順
YUKARI
谷口共鳴
ほか
上映時間:98分
配給:日本出版販売

書籍情報

『私、子ども欲しいかもしれない。 』
『私、子ども欲しいかもしれない。 』

2017年6月発売
著者:犬山紙子
価格:1,404円(税込)
発行:平凡社

『今日も妻のくつ下は、片方ない。』
『今日も妻のくつ下は、片方ない。』

2017年6月発売
著者:劔樹人
価格:1,080円(税込)
発行:双葉社

プロフィール

谷ぐち順(たにぐち じゅん)

アンダーグラウンドレーベル「Less Than TV」主宰。U.G MAN、GOD'S GUTS、we are the world、younGSounds、idea of a jokeなどのバンドを経て、Limited Express (has gone?)のベーシスト、FOLK SHOCK FUCKERSへの参加と並行して弾き語りソロユニットとして活動を展開。また、レーベル主宰者として多くのバンド作品や『METEO NIGHT』など主催イベントに関わる。2016年4月、初めて単独で演奏・歌唱を行なった作品『FUCKER』をリリースした。

YUKARI(ゆかり)/dt>

Limited Express (has gone?)のボーカル。2003年、「TZADIK」から1sアルバムをリリースし、世界15か国以上を飛び回る。2016年、5thアルバム『ALL AGES』をリリースした。ニーハオ!!!!、FOLK SHOCK FUCKERS、DEATHROなどでも活動を行う。

劔樹人(つるぎ みきと)

男の墓場プロ / パーフェクトミュージック所属。あらかじめ決められた恋人たちへのベース。「小説推理」「MONOQLO」「MEETIA」「みんなのごはん」などで漫画を連載。これまでに『あの頃。~男子かしまし物語~』(イースト・プレス)、『高校生のブルース』(太田出版)を発表。2017年6月、兼業主夫の日常を描いたコミックエッセイ『今日も妻のくつ下は、片方ない。』を発売した。

犬山紙子(いぬやま かみこ)

1981年、大阪府生まれ。イラストエッセイスト、コラムニスト。大学卒業後、仙台の出版社でファッション誌の編集を担当。2011年、美人なのに恋愛で負けている女子たちの生態に迫った『負け美女 ルックスが仇になる』で、デビュー。ユーモア溢れる独自の視点が高く評価され、雑誌、テレビ、ラジオなどで幅広く活躍中。主著に、『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』(瀧波ユカリとの共著)、『SNS盛』『地雷手帖 嫌われ女子50の秘密』などがある。

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