特集 PR

BRAHMAN・TOSHI-LOWが語る、寺山修司に学んだ言葉と生き方

BRAHMAN・TOSHI-LOWが語る、寺山修司に学んだ言葉と生き方

BRAHMAN『今夜 / ナミノウタゲ』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中村ナリコ 編集:矢島由佳子

俺もはぐれ者みたいになってたから、ほっとけなかったのかなって、今考えると思うかな。

—青森に連れて行ってもらった記憶が、今も残ってるんですね。

TOSHI-LOW:俺、それまで平面の寺山修司しか見たことなかったんだけど、その年上の大学生がVHSでドキュメンタリー的な映像を見せてくれて、初めて動く寺山修司を見て。そのときに、地域性というか……こう言うと青森の人に悪いけど、鬱蒼とした重さに惹かれてしまったんだよね。

俺、その人のことがすごく大好きだったんだけど、奥に見える影みたいなものもすごく感じていて。「これってなんなんだろう?」と思っていたものは、もしかしたら、故郷の持つなにかなのかなって、そのときに思ったんだよね。

—その人と寺山を重ね合わせるような感覚があった?

TOSHI-LOW:うん、あった。その人もすごく賢くてさ、でもすげえパンクスで、いつもひとりでいて。だから俺みたいなのとも仲良くしてくれて、「うち来なよ」って言ってくれたんだと思う。俺もはぐれ者みたいになってたから、ほっとけなかったのかなって、今考えると思うかな。その人に寂しさも感じてたけど、それが嫌じゃなかったというか。

TOSHI-LOW

—そのまま『あゝ、荒野』とも重ねられそうな話ですね。

TOSHI-LOW:その人が俺にとっての片目だったのかもね。

寺山修司は役に立つなあって。言葉の力を信じてた人だと思うし、そこと戦ってた人でもあるんだろうね。

—最初は寺山修司の「見ちゃいけない、でも」という感覚に惹かれたとのことですが、そのあとは彼の作品に対する感じ方がどう変化していきましたか?

TOSHI-LOW:アングラなものを知るとさ、そこからもっとダークにいく人もいっぱいいるわけでしょ? 「山海塾」(天児牛大主宰の舞踏グループ)みたいな暗黒舞踏とか、もっといけば死体の写真を好きになったりとか。でも俺は、寺山修司くらいのアングラが好きで、行き過ぎるとピンとこなかったんだよね。

なんて言うか、あんなことをしてるのに、どこか健全な感じが好きなの。すげえダークな、きたねえこと言ってるんだけど、希望があったり、生きることに対する健全さがあるっていうか……すごく感覚的な話なんだけど。

TOSHI-LOW

—寺山は人間の本質を追求すると同時に、架空を愛する人でもあった。そういったバランス感が、ある種の「健全さ」を生んでいたのかなって。

TOSHI-LOW:ノンフィクションよりフィクションのほうがノンフィクションだっていうのはあると思っていて、それをリアルに感じたから、ああいう生き方だったんじゃないかとは思う。

「どこで生まれたんですか?」って訊かれて、「電車のなかで生まれたから、故郷がねえんだ」みたいな言い方をするのって、本当かどうかはわからない。でも、「人間はどこから生まれて、どこに行きつくのか?」みたいな、俺が本質だと思ってる命題があるとして、「どこどこの病院で生まれました」って言うよりも、そういう寺山修司の言い方のほうが「本質ついてるな」って、すげえ思うよね。

—まさに、フィクションだけどノンフィクション、というか。

TOSHI-LOW:みんな宮沢賢治好きでしょ? 俺、全然ダメなの(笑)。なんていうか、肉体を感じないんだよね。俺は肉体を感じる詩が好きで、そこには必ず痛みも伴うっていうか。

—なるほど。

TOSHI-LOW:それに、大人になってふと読み返すと、また昔とは違う言葉が響いたりして。30歳を過ぎたくらいのときに、「俺は鬼ごっこの鬼だ。けど、なにを追っかけてるんだろう?」っていう言葉を読んだときは、結構崩れ落ちたんだよね。それまでずっと「俺が俺が」でやってきて、でも家族ができたり、人生何巡目かに入ったときに、「あれ? 俺、なんのために生きてるんだっけ?」ってなって。

年代によって刺さる言葉が違うのってすげえなと思うし……寺山修司は役に立つなあって。言葉の力を信じてた人だと思うし、そこと戦ってた人でもあるんだろうね。

Page 2
前へ 次へ

リリース情報

BRAHMAN『今夜 / ナミノウタゲ』初回限定盤
BRAHMAN
『今夜 / ナミノウタゲ』初回限定盤(CD+DVD)

2017年10月4日(水)発売
価格:2,160円(税込)
TFCC-89633

[CD]
1.今夜
2.ナミノウタゲ
[DVD]
Tour「戴天」 LIVE & DOCUMENTARY
1. 守破離 GUEST:KO (SLANG)
2. GOIN' DOWN
3. 賽の河原
4. SEE OFF
5. SPECULATION
6. EPIGRAM
7. ONENESS
8. 終夜
9. FOR ONE'S LIFE
10. 怒涛の彼方
11. NEW SENTIMENT
12. 警醒
13. 不倶戴天
14. ラストダンス GUEST:ILL-BOSSTINO (THA BLUE HERB)
15. 不倶戴天

BRAHMAN
『今夜 / ナミノウタゲ』通常盤(CD)

2017年10月4日(水)発売
価格:1,080円(税込)
TFCC-89634

1.今夜
2.ナミノウタゲ

BRAHMAN
『今夜 / ナミノウタゲ』(7inch)

2017年10月4日(水)発売
価格:1,080円(税込)
TFKC-38029

[side A]
今夜
[side B]
ナミノウタゲ

イベント情報

BRAHMAN
『八面玲瓏』

2018年2月9日(金)
会場:東京都 九段下 日本武道館
料金:6,000円(記念メダル付)

リリース情報

『あゝ、荒野』特装版(Blu-ray)
『あゝ、荒野』特装版(Blu-ray)

2017年11月1日(水)発売
価格:10,584円(税込)
VPXT-71558

監督:岸善幸
脚本:港岳彦
原作:寺山修司『あゝ、荒野』(角川文庫)
主題歌:BRAHMAN“今夜”
出演:
菅田将暉
ヤン・イクチュン
木下あかり
モロ師岡
高橋和也
今野杏南
山田裕貴
河井青葉
前原滉
萩原利久
小林且弥
川口覚
山本浩司
鈴木卓爾
山中崇
でんでん
木村多江
ユースケ・サンタマリア

『あゝ、荒野』特装版(DVD)

2017年11月1日(水)発売
価格:9,612円(税込)
VPBT-14650

監督:岸善幸
脚本:港岳彦
原作:寺山修司『あゝ、荒野』(角川文庫)
主題歌:BRAHMAN“今夜”
出演:
菅田将暉
ヤン・イクチュン
木下あかり
モロ師岡
高橋和也
今野杏南
山田裕貴
河井青葉
前原滉
萩原利久
小林且弥
川口覚
山本浩司
鈴木卓爾
山中崇
でんでん
木村多江
ユースケ・サンタマリア

プロフィール

BRAHMAN(ぶらふまん)
BRAHMAN(ぶらふまん)

1995年、東京にて結成。メンバーは、TOSHI-LOW(Vo)、KOHKI(G)、MAKOTO(Ba)、RONZI(Dr)。ハードコアと民族音楽をベースにしたサウンドで、パンク/ハードコアに留まらず、ロックシーンの先頭を走り続ける。国内だけでなくアジアやヨーロッパでもライブを行う。2011年3月11日の東日本大震災以降よりライブ中にMCを行うようになり、震災の復興支援を目的とした活動を積極的に展開。2015年7月4日に箭内道彦が監督を務めるドキュメンタリー映画『ブラフマン』が公開。8月12日に20th Anniversary Album『尽未来際』を発表した。2018年2月には、武道館公演が決定。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』予告編

映画『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』予告編。高畑勲の実験精神に敬意を表する監督が「暗号描画」なる手法を使い、全ての作画をたったひとりで手がけたという。透けてしまいそうなキスシーンや、迫り来る波の一瞬一瞬に確かに手をひかれているようで、全貌が気になって仕方ない。オフィシャルサイトには片渕須直、今日マチ子らのコメントも。(井戸沼)

  1. 岩田剛典と元カノ・大政絢が再会 『パーフェクトワールド』新場面写真 1

    岩田剛典と元カノ・大政絢が再会 『パーフェクトワールド』新場面写真

  2. 『ギャングース』公開日決定&新場面写真にMIYAVI、篠田麻里子、山本舞香ら 2

    『ギャングース』公開日決定&新場面写真にMIYAVI、篠田麻里子、山本舞香ら

  3. 木村拓哉&長澤まさみのホテルマン姿 『マスカレード・ホテル』特報公開 3

    木村拓哉&長澤まさみのホテルマン姿 『マスカレード・ホテル』特報公開

  4. ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダムNT』特報、声優陣に榎木淳弥ら 4

    ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダムNT』特報、声優陣に榎木淳弥ら

  5. のんが武満徹『系図』の語り手を担当 谷川俊太郎の詩を朗読 5

    のんが武満徹『系図』の語り手を担当 谷川俊太郎の詩を朗読

  6. 森川葵×城田優のドラマ『文学処女』に中尾暢樹、泉里香、上遠野太洸ら 6

    森川葵×城田優のドラマ『文学処女』に中尾暢樹、泉里香、上遠野太洸ら

  7. 次号『CUT』は『銀魂』特集 実写からアニメ、原作漫画まで網羅の36ページ 7

    次号『CUT』は『銀魂』特集 実写からアニメ、原作漫画まで網羅の36ページ

  8. 満島真之介が『映画 おかあさんといっしょ』に出演 「人生の一番の夢」 8

    満島真之介が『映画 おかあさんといっしょ』に出演 「人生の一番の夢」

  9. アナログフィッシュ×呂布カルマ 小さな声でも人に刺さる言葉 9

    アナログフィッシュ×呂布カルマ 小さな声でも人に刺さる言葉

  10. 金閣寺で踊ったs**t kingzが感じた、ダンサーの社会的地位の変化 10

    金閣寺で踊ったs**t kingzが感じた、ダンサーの社会的地位の変化