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古着屋BOY×Spotify対談 最新の音楽文化の発信者が語り合う

古着屋BOY×Spotify対談 最新の音楽文化の発信者が語り合う

King Gnu『Tokyo Rendez-Vous』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:小田部伶 編集:山元翔一 取材協力:BOY

「エモい」っていう、一度死語になったものが最近またピックアップされている。(奥冨)

—常に新しい音楽に触れているお二人から見て、今の東京の音楽にはどんな傾向があると思われますか?

奥冨:今はちょっとダイナミックなものが求められている気がします。僕自身も今は激しく頭を振るような、ちょっとハードなものが好きで、Story Of The Yearとかを聴き返してて(笑)。うちの若いお客さんも、「ライブハウスの熱量」みたいな、ちょっと泥っぽさを求めている感じがある気がします。これが大きなムーブメントになるかはさておいて、インディーズのロックシーンにおいては大きくなる可能性があると思いますね。

左から:野本晶、奥冨直人

—ここ何年かは洗練されたものが流行りましたけど、その反動というか。

奥冨:そうですね。都会的なものというよりは、いわゆる「エモい」っていう、一度死語になったものが最近またピックアップされているというか。あと最終的には「カリスマ性」が大事で、若い子は絶対的なカリスマを必要としてる。

近年Suchmosがブレイクして、ひとつの形のカリスマの形が生まれたと思うんですけど、また違う形というか、たとえば、最近また峯田和伸さんのテレビ露出が増えたり、銀杏BOYZでも武道館公演をやったり、ずっとカリスマであり続けていますよね。今の若い子たちは、その次のパンクヒーローを求めているのかなって思うんです。

—野本さんはいかがでしょうか?

野本:音楽ジャンルに「オルタナティブ」ってあるじゃないですか? すごくいい名前だなって思うんですよ。「他とは違う何か」っていう定義のロックだと思うんですけど、2000年代以降ってもはや全部オルタナティブで、それが今もずっと進化している感じなんだと思います。

なので、後世では「オルタナティブ」と呼ばれないのかもしれないけど、EDMやR&Bとのクロスオーバーも含めて、ロックの進化がリアルに感じられるのは楽しいですね。あとは僕もカリスマ性だと思います。人間が強くないと、ファンがついてこないというか。

奥冨:今はそこな気がしますね。

野本:人間が薄いと、音楽がどれだけ素晴らしくても届かない。まあ、人間が薄くないからこそ、音楽も素晴らしいんだと思うんですけど。

King Gnuには、未来が開けるイメージがすごくあって、期待しています。(野本)

—先ほどの話も踏まえつつ、今回は実際にお二人に2組ずつ、今注目のバンドを紹介してもらいたいと思います。では、まずは野本さんから。

野本:King Gnuはすごく今っぽい「東京的なバンド」で注目しています。ひょっとしたら、世界にもファンがつきそうだってところも含めて、Spotifyで一緒に盛り上げられればと思っています。

—まさに「オルタナティブな音楽性」と、「カリスマ性」を持ち合わせているバンドだなと。

野本:常田さん(常田大希 / Vo,Gt)は個人的には会ったことはないんですけど、キャラが異常に強そうだなって感じがありますよね(笑)。人の言うこと聞かなそうなとこも含めて、かっこいいなと思います。

奥冨:独特の不良感がありますよね。

野本:そうそう。それでいて、メロはちょっとしっとりしているというか、和風のメロディーも入っていたりするので、日本人にもちゃんと受ける可能性があるなと。

奥冨:僕も“Vinyl”を聴いて、かなり歌謡的なポップスの空気を感じました。サビがいわゆるロックバンドっぽくないんですよね。

野本:「日本のバンドだな」っていうルーツもあれば、ヒップホップも、ニュージャズも入っていて、ごちゃ混ぜなんだけど、今後彼らっぽいものが見つかりそうな予感がするというか。未来が開けるイメージがすごくあって、期待していますね。

奥冨:映像をやっているチーム(PERIMETRON)もすごくクオリティーの高いものを作っていて、それも含めてこれからさらに注目されるだろうなって思います。ライブもすごくよくて、でかいステージでも映える、シルエットのいいバンドですね。「どう撮っても写真がかっこいい」みたいな、そういう要素もすごく大事だと思います。

—続いて、奥冨さんから紹介していただけますか?

奥冨:ニトロデイっていう、お店でも本気でプッシュしているバンドなんですけど、彼らを聴いてるとアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)を聴き始めた頃を思い出すんです。「こういうバンドは久しぶりだな」って、自分が音楽にのめり込んだ時期の感覚が甦ってきて、9月にLIQUIDROOMと共同で開催したイベントにも出てもらいました。

—先ほどの話のとおり、「ライブハウスの熱量」を感じさせるバンドですよね。

奥冨:ロックバンドの持つ暗さとか、社会を信用してない感じもかなり持っているなって。

野本:それが録音にも出ていていいですよね。

奥冨:見た目はすごいナードなんですけど、ギターの女の子(やぎひろみ)の演奏が異常にかっこいいんですよ。あと、ニトロデイと近いところでbetcover!!っていう17歳の男の子もかっこよくて、これから注目されるんじゃないかと思いますね。

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リリース情報

King Gnu『Tokyo Rendez-Vous』
King Gnu
『Tokyo Rendez-Vous』(CD)

2017年10月25日(水)発売
価格:1,800円(税込)
UXCL-128

1. Tokyo Rendez-Vous
2. McDonald Romance
3. あなたは蜃気楼
4. Vinyl
5. 破裂
6. ロウラヴ
7. NIGHT POOL
8. サマーレイン・ダイバー

イベント情報

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume103』

2017年11月30日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
King Gnu
Newspeak
SUSHIBOYS
踊Foot Works
4×4=16

プロフィール

奥冨直人(おくとみ なおと)

平成元年・埼玉県生まれ。渋谷にあるFASHION&MUSICをテーマにしたカルチャーショップ『BOY』のオーナー。DJ活動も地域・ジャンル問わず精力的に行う。インディーシーンに詳しいことで知られ、TOMMYの愛称で親しまれている。

野本晶(のもと あきら)

1970年生まれ、愛媛県出身。スポティファイジャパン株式会社でライセンス&レーベルリレーションズディレクターを務める。ソニーミュージック、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現・ソニー・インタラクティブエンタテインメント)、ゾンバ・レコーズ・ジャパン、ワーナーミュージック・ジャパンを経て、2005年からiTunes株式会社にてミュージック担当としてiTunes Storeの立ち上げに参加。2012年9月より現職。

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