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藍坊主が今ようやく明かす、バンド解散危機と再生のストーリー

藍坊主が今ようやく明かす、バンド解散危機と再生のストーリー

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:伊藤惇 編集:木村直大、山元翔一
2018/01/24

基本となるソングライティングは一見シンプルながら、練り込まれたアレンジとアンサンブルから、1曲1曲に豊潤な音楽的濃度を感じさせる。具体性と抽象性を行き来する歌詞は、リアルとフィクションの絶妙な狭間から、聴き手にバンドの告白を伝える。総じて、どこまでも瑞々しく衝動的な印象を与えながらも、その奥には、バンドが重ねてきた年輪と、そこに刻まれた絶望と再生の記憶が、重層的に表現されている――そんな、すさまじい作品性の高さを感じさせる1枚。それが、藍坊主が1月24日にリリースする3rdミニアルバム『木造の瞬間』だ。

去年はレコチョクが運営するクラウドファンディングサイト「WIZY」を通して、地元・小田原を舞台にした映画『太陽の夜』を映画監督・勝又悠と共に製作するなど、精力的な活動を見せた藍坊主。今回のインタビューでは、去年1年の動向を基軸に、フロントマンであるhozzyにバンドの現在地を語ってもらった。2015年にメジャーレーベルを離れて以降、自主レーベル「Luno Records」を基盤に活動する彼らの「いま」までの道のりは、決して平坦なものではなかった。

驚いたのは、映画って、音楽以上にコスパが悪いんだなっていう……(苦笑)。

—新作『木造の瞬間』は、藍坊主の新しいテーマソングになりそうな曲たちが並んでいる、すごく真っ直ぐで瑞々しい作品という印象を受けました。結成から15年以上の月日を経て尚、こういった作品を生み出すことができる事実に、僕は藍坊主というバンドのすごみを感じていて。

hozzy:ありがとうございます。この作品を作っていた去年は、すごく出会いが多かった1年だったんですよ。この「出会い」のなかには、再会であったり、音楽以外での新しい発見であったり、いろんな形があったんですけど、「人と一緒にものを作る」ということが、とにかく大きな刺激で。

hozzy
hozzy

—具体的に、どんな出会いが刺激になりましたか?

hozzy:音楽以外でいうと、勝又(悠)監督と『太陽の夜』という映画を作った体験は、やっぱり大きかったです。

—『太陽の夜』は、今作の1曲目に収録されている“群青”の世界観をコンセプトに、藍坊主の地元・小田原を舞台に撮影されたんですよね。この体験は、hozzyさんにとってどんなものでしたか?

hozzy:映画製作にかかわるのは初めてだったんですけど、驚いたのは、映画って、音楽以上にコスパが悪いんだなっていう……(苦笑)。

—なるほど(苦笑)。

hozzy:監督にも、撮影が始まる前から「儲かると思うなよ!」って言われて(笑)。でも、「それでも、やる」っていう……それだけ、映画に関わっている人たちって、みんなプロフェッショナルなんだなと思いました。

スタッフさんも、キャストの人たちも、いざ撮影が始まると、とんでもない情熱で接してくれる。印象に残っていたのは、監督が「これは大人の学園祭なんだよ」と言っていて。

—「大人の学園祭」って、すごくいいですね。

hozzy:その言葉は僕自身、すごく納得できました。音楽とはまた違った部分で、「こんなことをやっている大人がいるんだ!」って、勇気をもらいましたね。

10-FEETがフェスに呼んでくれたのは嬉しかったし、そこでも『ハナミドリ』の曲が、すごく盛り上がって。

—音楽面でいうと、どんな刺激的な出会いがありましたか?

hozzy:藍坊主って、この数年間、ほとんどセルフプロデュースでやってきたんですけど、3枚目のアルバム(『ハナミドリ』、2006年発表)を作る頃までは、自分たちに音楽的なことを教えてくれていた時乗(浩一郎)さんというプロデューサー兼ディレクターがいたんです。その方と再会して、去年からもう一度一緒に音楽を作り始めたことは大きかったですね。

hozzy

—では、今作は十数年来の藍坊主と時乗さんのタッグによって生まれた作品なんですね。

『木造の瞬間』ジャケット
『木造の瞬間』ジャケット(Amazonで見る

hozzy:そうです。僕らはここ数年、10年前に出したアルバムの曲を演奏するというコンセプトのツアーをやっているんですけど、2016年に『ハナミドリ』のリバイバルツアーをやったとき、お客さんがすごく楽しそうで。

—『ハナミドリ』には、“ジムノペディック”や“テールランプ”といった「名曲」として名高い楽曲も収録されていますよね。

hozzy:「『ハナミドリ』って、いいアルバムだったんだな」って、自分たちでも感じることができたんですよね。そのツアーのファイナルを、時乗さんが観に来てくれていて、そこから「また一緒にやろうよ」っていうことになったんです。

—藍坊主のキャリアにとって、『ハナミドリ』はどんなアルバムだといえますか?

hozzy:すごく大きなアルバムです。これも「再会」のひとつなんですけど、2017年に10-FEETが主催しているフェス、『京都大作戦』に初めて呼んでもらったんです。

10-FEETは、お互い以前に所属していた事務所が一緒で。いま、僕らもその事務所から独立して自分たちで活動しているんですけど、だからこそ、フェスに呼んでくれたのは嬉しかったし、そこでも『ハナミドリ』に入っている曲をやったら、すごく盛り上がって。

『京都大作戦2017』より
『京都大作戦2017』より

hozzy:やっぱり『ハナミドリ』は、いまでも僕らのファンのなかで人気なアルバムであると同時に、「なんとなく藍坊主のことを認識している」っていうくらいの人でも、知ってくれている曲が入っているアルバムなんですよね。

—藍坊主が本来的に持っている音楽的なバックグランドや詩情が瑞々しいまま、ポップな形で結実したのが10年前の『ハナミドリ』だったとしたら、今回の『木造の瞬間』もそういった初期作に通じるエネルギーがある作品なのかなって、僕は思いました。

hozzy:『ハナミドリ』の頃って、僕らに音楽的な知識もあまりなかったし、「難しいことをやってやろう!」って思っても、結局、「やり方わかんねぇや」っていう感じだったんですよ(笑)。最終的には「とにかく、いい曲を作る」っていうところに向かっていくしかない……そういう時代で。思えば、今回もそうだったんですよね。

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アプリ情報

『Eggs』
『Eggs』

アーティストが自身の楽曲やプロフィール、活動情報、ライブ映像などを自由に登録・公開し、また、リスナーも登録された楽曲を聴き、プレビューや「いいね」等を行うことができる、アーティストとリスナーをつなぐ新しい音楽の無料プラットフォーム。登録アーティストの楽曲視聴や情報は、「Eggsアプリ」(無料)をダウンロードすると、いつでもお手もとでお楽しみいただけます。

料金:無料

リリース情報

藍坊主『木造の瞬間』
藍坊主
『木造の瞬間』初回限定盤(CD+BOOK)

2018年1月24日(水)発売
価格:3,024円(税込)
TRJC-1077

1.群青
2. ダンス
3. 嘘みたいな奇跡を
4. 同窓会の手紙
5. トマト
6. かさぶた
7. ブラッドオレンジ
※32Pストーリーブックレット付き

藍坊主
『木造の瞬間』通常盤(CD)

2018年1月24日(水)発売
価格:1,944円(税込)
TRJC-1078

1.群青
2. ダンス
3. 嘘みたいな奇跡を
4. 同窓会の手紙
5. トマト
6. かさぶた
7. ブラッドオレンジ

イベント情報

『aobozu TOUR 2018 ~木を隠すなら森の中~』

2018年2月12日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋 APOLLO BASE

2018年2月24日(土)
会場:埼玉県 熊谷 HEAVEN'S ROCK

2018年3月11日(日)
会場:東京都 新宿 BLAZE

2018年3月21日(水・祝)
会場:大阪府 梅田 Shangri-La

料金:各公演 前売3,900円 当日4,400円(共にドリンク別)

プロフィール

藍坊主(あおぼうず)
藍坊主(あおぼうず)

神奈川県小田原市出身の藤森真一(Ba)、hozzy(Vo)、田中ユウイチ(G)、渡辺拓郎(Dr)からなる4人組ロックバンド。2004年5月にアルバム『ヒロシゲブルー』でメジャーデビュー。2011年4月にTVアニメ『TIGER & BUNNY』エンディングテーマ“星のすみか”を発表し、翌月にはバンド自身初となる日本武道館公演を成功させた。2015年、自主レーべルLuno Recordsを設立。藤森真一(Ba)はこれまでに関ジャニ∞“宇宙に行ったライオン”や水樹奈々“エデン”等、楽曲提供も手掛ける。hozzy(Vo)はジャケットデザインの描き下ろしや楽曲のトラックダウンを自身で行う等、アーティストとして様々な魅力を発揮しており、よりパーソナルでコアな表現活動のためのプロジェクト、Normの活動をスタート!

関連チケット情報

2018年8月25日(土)
藍坊主
会場:アポロベイス(愛知県)
2018年9月29日(土)
長田大行進曲2018
会場:神戸空港島内 多目的広場 野外特設ステージ(兵庫県)

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