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仲村颯悟×松本花奈 映画祭を勝ち抜いた学生映画監督対談

仲村颯悟×松本花奈 映画祭を勝ち抜いた学生映画監督対談

ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2018
インタビュー・テキスト
宮田文久
撮影:八田政玄 編集:久野剛士

世界を変えるのは、いつだって新たな才能だ。米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア』。本イベントでは、学生が制作した5分以内のショートフィルムを公募する「学生部門 Supported by フェローズ」が立ち上げられた。スマートフォンでも簡単に映像が撮れるようになったいま、瑞々しいアイデアを形にする「ショートフィルム」は、ハードルは低く、かつ深い世界観を作り込むことができる器として、魅力的なものだろう。

そこで今回は、学生監督として活躍する二人に「学生が映画を撮ること」の奥深さについてじっくりと話を聞いてみた。一人は、14歳から映画制作を行ない、岩井俊二から絶賛された『脱脱脱脱17』やHKT48のMVで注目される松本花奈。もう一人は13歳にして注目され、北野武から激賞された『やぎの冒険』やCoccoが出演した『人魚に会える日。』といった長編作で、オリジナルな映像作家として歩を進めてきた仲村颯悟。キャリアの初期に短編で世に出た後、同じ大学に通い、作品を作り続ける両者の対話は、とても刺激的なものになった。

高価でないカメラでもクオリティの高い映像が撮れちゃうからこそ、難しいこともあります。(松本)

—お二人が映画を制作し始めたのは、仲村さんが小学生の頃から、松本さんが中学生からということで、とても早いですよね。どういう思いで撮り始めたのでしょうか。

仲村:僕は小学校3年生の運動会の後に撮り始めたんです。ホームビデオカメラが家にあったんですが、イベント以外のときは埃をかぶっていて。「誰も使わないなら自分が使おう」と思い、そのカメラを持ち出して撮り始めたのが最初ですね。

小学生ですから、ビデオカメラを持ってうろちょろしていたら、近所のちびっ子たちが――あ、僕もちびっ子でしたが(笑)、「何持ってるのー?」と集まってくるんです。それで仲間ができて、今度はみんなで遊んでいる風景を撮り始める。そして、自然と「物語を作ってみたいな」となるんですね。

みんなで物語のアイデアを出し合って、戦隊モノの演技をして、撮影したら家のテレビに繋いで見る、と。その「遊び」をいまもずっと続けているだけ、という感じです。

左から仲村颯悟、松本花奈
左から仲村颯悟、松本花奈

松本:私は中学2年生のときに、『ぴあフィルムフェスティバル』(以下、『PFF』)に応募したんです。

仲村:その年齢で『PFF』を知ってたの?

松本:当時、好きだった大学生が『PFF』に受かっていて、それで初めて行って……「あ、カッコイイ。私も!」と思ってすぐに撮影して応募したのが最初。

仲村:ませてるなー! それがきっかけなんだ。

松本:だから動機としてはめちゃくちゃ不純かも……普通に落選したし(笑)。でも、それからも中学、高校と映像制作を続けていったんです。

松本花奈

仲村颯悟が監督した映画『人魚に会える日。』の予告編

松本花奈が監督したHKT48“キスは待つしかないのでしょうか?”MV

—いきなりカメラを手にとって、作品応募までやりきれるものなんでしょうか?

松本:カメラへの興味も相まって、という感じなんですよね。そのころ丁度、写真用のデジタルカメラを買ってもらっていたんですが、たとえば花火を綺麗だと思っても、写真に撮ると目で見るよりも魅力が半減してしまう。その差にすごく違和感を抱いて。

「目で見ているよりもいい写真を撮るにはどうしたらいいんだろう」と考え始めた時期でもあったんですね。そして映像を撮っていく過程で、今度は編集の面白さに興味が移っていったんです。機械的なものに関心があったのかな。

—お二人の世代では、パソコンやスマートフォンなど、撮影するにも編集するにもハードルが低い時代になったように思います。

仲村:フィルムも要らないし、「遊びでやってみよう」ということも気軽にできますよね。その意味でのハードルはない世代なのかも。

仲村颯悟

松本:でも高価でないカメラでもクオリティーの高い映像が撮れちゃうからこそ、難しいこともあります。映像のレベルが一定まで高くなってきている分、ストーリーとかで工夫しないと差がつかないんです。

—最初のハードルが低い分、そこから先を突き詰められるかですね。

松本:何のために、何を伝えたいのか。自分が観客だったらこれを見たいな、これが面白いと思う、という作品を作るのが一番だと思っています。

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リリース情報

ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2018 学生部門 Supported by フェローズ
ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2018 学生部門 Supported by フェローズ

応募期間:2017年12月18日(月)~2018年2月28日(水)
登録料:無料
尺:5分以内
優秀賞:30万円

プロフィール

仲村颯悟(なかむら りゅうご)

1996年1月10日、沖縄県沖縄市生まれ。小学⽣の頃から映像制作を行う。第1回沖縄映像コンペティションに応募し監督した短編『やぎの散歩』が国内外から絶賛されたことをきっかけに、13歳のときに『やぎの冒険』(2010年)で全国デビュー。同作は沖縄県内で大ヒットを記録したほか、『上海国際映画祭』をはじめ海外の映画祭に正式招待され話題を呼んだ。2012年、『世界まる見え!テレビ特捜部』(NTV)において実施された映像コンテストにて、ビートたけしより「たけし賞」を受賞。現在は慶應義塾大学に在学中。

松本花奈(まつもと はな)

1998年生まれ。慶應義塾大学在学中。監督作、映画『脱脱脱脱17』が『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016』にて審査員特別賞&観客賞受賞、翌年、渋谷・ユーロスペースにて単独公開される。2017年夏に撮った映画『スクールアウトサイダー』は丸の内ピカデリーにて1日限定上映された。その他の作品にキットカットショートムービー「運命と出会うまでの一週間」、HKT48“キスは待つしかないのでしょうか?”MV、羊文学“Step”MV等。『第29回東京国際映画祭』フェスティバルナビゲーター就任。

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