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94年生・The Songbardsが面白い。消費社会を生きる世代の言葉

94年生・The Songbardsが面白い。消費社会を生きる世代の言葉

The Songbards『Cages in the Room』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:渡邉一生 編集:矢島由佳子
2018/01/30

多くのモノや情報に囲まれて幸福を享受しつつも、決して未来が明るいわけではなく、心の内側ではあらゆる葛藤や不安を抱えているーーそんなどこか宙ぶらりんな現代の日本の若者は、果たしてロックンロールになにを求めるのか? その点において、メンバー全員が1994年生まれ、現在は地元の神戸を中心に活動する新人、The Songbardsは非常に興味深い。

The Beatles、Oasis、andymoriといったバンドの系譜を受け継ぐ音楽性は、美しいメロディーと軽やかなビートを軸としたまさにロックンロール然としたものであり、初の全国流通盤『Cages in the Room』には等身大の魅力が詰まっている。「この四人がいてこそThe Songbardsが成り立つ」という姿勢も、強いバンド愛を感じさせるものだ。

その上で注目したいのが、歌詞を手掛ける上野皓平と松原有志のコンビである。消費社会に疲弊を感じた上野と、幸せであるはずなのに満たされないと感じている松原が表現のひとつの指針として辿り着いたのは、学問としての仏教。上野は一時期バンドをやめて出家をすることも考えたというが、松原の説得もあり、現在は音楽を通じてその学びを社会に還元しようとしている。志の高さが感じられる彼らの第一声を、ぜひ受け取ってもらいたい。

自分が落ち込んでた時期でもあって……答えを見つけるために出家したいなと思い始めて。(上野)

—The Songbardsの楽曲や佇まいからは「バンド」というものに対する強い愛情が感じられます。なので、最初にそれぞれが考える理想のバンドの条件を話してもらえますか? 「いいバンドって、こういうバンドだよね」っていう。

柴田(Ba,Cho):その話、ちょうど(岩田)栄秀がバンドに入ってThe Songbardsという名前になったときにみんなで話したんですよ。バンドって、言葉の意味的にも「束」だけど、フロントマン1人が目立っていることが多いなと思って。一人ひとりにちゃんと個性があって、ぶつかり合うけどお互いを尊重し合っていて、バラバラではなくまとまっている。The Beatlesみたいなバンドが僕らの理想です。

松原(Gt,Vo):今の段階ではここ二人(上野と松原)が曲と歌詞を書いて歌っているんですけど、理想としてはひとつのライブやアルバムのなかに、四人それぞれ書いた曲や歌う曲があるThe BeatlesとかQueenみたいになれたら、創作的だし面白いなって。

上野(Vo,Gt):1人のフロントマンが目立ってるバンドも好きなんですけど、バンドの魅力とはなにかを考えると、メンバー全員の個性が表れているほうが強いと思うんですよね。

岩田(Dr,Cho):「誰かが欠けるとなにか物足りない」みたいな、この四人でしかやれないバンドを目指したいという意識は、このバンドに入るときからありました。

左から:柴田淳史(Ba,Cho)、上野皓平(Vo,Gt)、松原有志(Gt,Vo)、岩田栄秀(Dr,Cho)
左から:柴田淳史(Ba,Cho)、上野皓平(Vo,Gt)、松原有志(Gt,Vo)、岩田栄秀(Dr,Cho)

—もともとは上野くんと松原くんを中心にスタートしているんですよね?

松原:僕と(上野)皓平は大学が一緒で、二人ともサークルとかに入ってなかったんですけど、1回生のときにたまたま授業中に好きな音楽の話をして、僕がandymoriの楽譜を貸したのをきっかけにバンドが始まりました。今のメンバーが揃ったのは去年の3月で、それまではAnt Lilyという名前で活動していたんです。

—軽音サークルとかには入ってなかったんですね。

松原:サークルとかには馴染めないというか、ちょっとチャラいイメージを勝手に持っていて(笑)。出会って最初の1年はプロを目指すという意識は一切なく、やりたいことをやってただけ。最初のライブは1曲だけオリジナルで、あとはThe Beatlesとかandymoriのカバーをやってました。

—2017年3月、この四人が揃ったところでThe Songbardsに改名したと。

上野:四人が揃った段階で、全員が初期メンバーって言えるように改名したいと思ったんですよね。The Beatlesとかの影響で、「The~s」という名前に憧れてはいたので、なにかないかなって考えてたときに、The Songbardsを思いついて。

—その由来は?

上野:「Songbird」は「啼鳥、さえずり」という意味で、「個々が目立つバンド」という理想にしっくりくるから、最初はそのまま「The Songbirds」でもいいと思ったんですけど、調べたらすでにそういうバンドがいて(笑)。1文字変えると、「bard」は旅をしながら史実を歌っていた「吟遊詩人」のことで、詩的な意味も表せるから、「めっちゃいいやん!」って自分のなかで盛り上がって。

The Songbards

松原:イージーリスニングとしても聴けるし、歌詞の意味を掘り下げようとすれば掘り下げることもできる。そのふたつの要素は曲作りでも大事にしようって決めていたんです。生活の邪魔をしない、飾り付けのような音楽であり、辛いときや苦しいときには近くに寄り添う音楽でもありたいなって。だから皓平から「The Songbards」という案を聞いたとき、それなら両方の意味が入っていて、バンドを表しているからいいなと思いました。

—ちなみに、モチーフはやっぱりOasisの“Songbird”?

上野:もともと曲は好きやったんですけど、直接そこから取ったわけではないです。

松原:好きなバンドを観に行って自分たちのCDを渡すと、DYGLの秋山(信樹)くんとか、andymoriの小山田(壮平)さんからは、最初に「Oasis?」って言われて、やっぱり好きな人はまずそっちに食いつくんやなって(笑)。

The Songbards

—バンド活動において「最初の1年はやりたいことだけやってた」というところから、どのような心境の変化があったのでしょう?

柴田:僕が入ったのが2年前なんですけど、そのときに、みんなで「休学してちゃんとバンドしよう」ってなったんですよね。

松原:ただ、その前に皓平が一回「やめる」って言い出したことがあって。

上野:バンドとしての目標とか人前に立つ意味が見出せなくなっていて、さらに自分がちょうど落ち込んでた時期でもあって……答えを見つけるために出家したいなと思い始めて。ちょうどそのふたつが重なって、「バンドやめたい」って言い出したんです。

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リリース情報

The Songbards『Cages in the Room』
The Songbards
『Cages in the Room』(CD)

2018年1月31日(水)発売
価格:1,500円(税込)
NWWCD-002

1.太陽の憂鬱
2.ハングオーバー
3.Philadelphia
4.街
5.春の香りに包まれて

イベント情報

『「Cages in the Room」リリース記念 弾語りライブ』

2018年2月9日(金)
会場:東京都 タワーレコード渋谷店

2018年2月14日(水)
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店

※上野皓平のみの出演

『The Songbards&ムノーノ=モーゼスWレコ発「月と太陽のロマンス」』

2018年2月20日(火)
会場:大阪府 心斎橋 Pangea
出演:
The Songbards
ムノーノ=モーゼス
Easycome
POP ART TOWN
and more

2018年3月4日(日)
会場:東京都 下北沢 BASEMENT BAR
出演:
The Songbards
ムノーノ=モーゼス
and more

『The SongBARds』

2018年2月26日(月)
会場:兵庫県 神戸 VARIT.

『「Cages in the Room」リリースツアー Final』

2018年3月27日(火)
会場:兵庫県 神戸 VARIT.
出演:
The Songbards
YAJICO GIRL
and more

プロフィール

The Songbards
The Songbards(ざ そんぐばーず)

2017年3月より地元・神戸を中心に活動を開始。バンド名「The Songbards」は、「Songbird=さえずる鳥」と「bard(吟遊詩人)」の意味。メンバーは松原有志(Gt.&Vo.)、上野皓平(Vo.&Gt.)、柴田淳史(Ba.&Cho.)、岩田栄秀(Dr.&Cho.)の4名で構成。UKロックなどに影響を受けた作詞作曲を手掛けるツインギターボーカルと、疾走感あるライブパフォーマンス、息の合った4人のコーラスワークが魅力。自主レーベル「Nowhere Works」を立ち上げ、2018年1月31日に、初の全国リリース決定!

関連チケット情報

2020年11月7日(土)
Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2020 NEO EDITION vol.1
会場:心斎橋JANUS(大阪府)
2020年11月7日(土)〜11月8日(日)
【動画配信】Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2020 NEO EDITION vol.1
会場:PIA LIVE STREAM(その他)

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