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役者でも攻め続ける黒猫チェルシー渡辺大知、葛藤の10年を明かす

役者でも攻め続ける黒猫チェルシー渡辺大知、葛藤の10年を明かす

『ベイビーユー』『勝手にふるえてろ』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:新妻和久 編集:久野剛士・柏井万作

プロフェッショナルとして、1つの道を極める人物も多い中で、さまざまな分野に活躍の場を広げる男がいる。現在公開中の綿矢りさ原作・松岡茉優主演映画『勝手にふるえてろ』で、主人公に思いを寄せる「二」を好演し、黒猫チェルシーとして主題歌“ベイビーユー”も担当している渡辺大知だ。近年ではNHK連続テレビ小説『まれ』等への出演や、映画の監督・脚本も手掛けるなど、マルチな活躍を見せる彼だが、現在の状況に辿り着くまでには、やはり迷いや葛藤があったという。

ステージや演技からも垣間見えるように、渡辺は決して初めから何でも器用にこなせるタイプの人間ではなかった。10代でのCDデビューと並行し、すぐに映画『色即ぜねれいしょん』の主演に抜擢され、『日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞するも、その後の数年については「思い出したくもない」と吐露する。彼はそこからいかにして「自分の肌に合った居場所」を見つけられたのか? 10年の歩みを紐解きながら、じっくりと語ってもらった。

「職業はなんですか?」って聞かれて、「渡辺大知です」って言えるのが理想です。

—2017年に黒猫チェルシーが結成10周年を迎えた一方で、映画『勝手にふるえてろ』が公開されるなど、渡辺さんは役者としても数多くの作品に出演されています。近年は監督や脚本にも携わる機会が増えていますが、ご自身では現在の肩書をどうお考えですか?

渡辺:僕が肩書きを言うとしたら、「バンドマン」だと思うんですけど、ホント言うと、肩書がなくなれば理想というか、「職業なんですか?」って聞かれて、「渡辺大知です」って言えるのが理想です。「何をやってるか」ってあんまり大事なことじゃなくて、「かっこいい人間になりたい」「かっこいいものを作りたい」だけなんですよね。

渡辺大知(黒猫チェルシー)
渡辺大知(黒猫チェルシー)

—では、渡辺さんにとっての「かっこいい」とは?

渡辺:無理してないというか、「自分の肌に合ったことができる人」ですかね。自分の欲求に真っ直ぐな人は信じられるんです。自分は好きなものとか興味あることに真っ直ぐやってきたつもりではあって、それは物心ついたときからそうだったんですよね。

—その最初の一歩が、高校生のときに結成した黒猫チェルシーだったと。

渡辺:バンドを組むのは自分の中で大事件で、革命が起こったようでした。そのバンドで事務所に所属することが決まった時点で、職業としては「バンドマン」だと思うんですけど、いまは「バンドだから音楽っていうフィールドしかやれない」みたいな制約はナシにしたいと思っていて。それこそ、デビューが決まってすぐに『色即ぜねれいしょん』(2009年)への主演が決まって、第2の革命が起こりましたね。

渡辺大知

自分の肌に合ったやり方を示していく方が大事やなって思いました。

—ただ、『日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞したにもかかわらず、一時期は演技の仕事から遠ざかっていましたよね?

渡辺:最初はそんなにやる気がなかったし、オファーはいろいろいただいてたんですけど、バンドとの兼ね合いもあってお断りしてたんです。でも、「仕事をもらえてるのに断るってどの身分や」と思って、とにかくやってみたら、役者の仕事は肌に合ってる感じがしたんです。

ただ、バンドとの両立というか、周囲からの見え方で葛藤がありました。役者に対して明確な志はなくて、「楽しそうだから」っていう、興味のみで仕事を受けてたので、メンバーに対しても気を使っていたというか。

—2010年にメジャーデビューをして、バンドも「これから」っていうタイミングでしたもんね。

渡辺:そうですね。なので、どっちつかずのちょっとフワフワした時期があったんですけど、そんな中で、珍しくギターの澤竜次と二人でがっつり話をして。そのとき彼から、「自分の中にあるものを表現できる機会なのに、それを自分でナシにしちゃうのはもったいないんじゃないか」って言ってもらえて、腹を括れたんですよね。見られるかもしれない景色を自分でナシにしていくのは、可能性を狭めてるなって。

黒猫チェルシーアーティスト写真(左から宮田岳、澤竜次、渡辺大知、岡本啓佑)
黒猫チェルシーアーティスト写真(左から宮田岳、澤竜次、渡辺大知、岡本啓佑)

—メンバーからの助言で、そこに気づかせてもらえたと。

渡辺:尊敬してるバンドマンで、バンドだけに全魂を注いでやってる人たちをたくさん見てきたけど、その人たちと同じことをするのが僕らしいかっていうと、それはまた違う話だなって思ったんですよね。

もっと自分の心に正直に、自分の肌に合ったやり方を示していく方が大事やなって。ナシにしていくよりも、アリにしていく気持ちの方が、表現にとって健康的だと思ったんです。

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リリース情報

黒猫チェルシー『ベイビーユー』初回生産限定盤
黒猫チェルシー
『ベイビーユー』初回生産限定盤(CD+DVD)

2017年12月13日(水)発売
価格:2,160円
SRCL-9614~15

[CD]
1. ベイビーユー
2. ベイビーユー ―宮田岳ver.―
3. ベイビーユー ―澤竜次ver.―
4. ベイビーユー ―岡本啓佑ver.―
5. ベイビーユー ―渡辺大知ver.―
[DVD]
1. ベイビーユー –Music Video-
2. 「はじめての“のみかい”!~密着!黒猫チェルシー結成10周年にして初4人飲み会の全貌~」

黒猫チェルシー
『ベイビーユー』通常盤(CD)

2017年12月13日(水)発売
価格:1,296円
SRCL-9616

[CD]
1. ベイビーユー
2. ベイビーユー ―宮田岳ver.―
3. ベイビーユー ―澤竜次ver.―
4. ベイビーユー ―岡本啓佑ver.―
5. ベイビーユー ―渡辺大知ver.―

作品情報

『勝手にふるえてろ』
『勝手にふるえてろ』

現在公開中
監督・脚本:大九明子
原作:綿矢りさ『勝手にふるえてろ』(文春文庫)
主題歌:黒猫チェルシー“ベイビーユー”
出演:
松岡茉優
渡辺大知(黒猫チェルシー)
石橋杏奈
北村匠海(DISH//)
片桐はいり
配給:ファントム・フィルム

イベント情報

『奇天烈大発火!!-ツーマンスペシャル-』

2018年2月15日(木)
会場:東京都 新宿red cloth
出演:
挫・人間
黒猫チェルシー

『第1回 輝く!10周年ゴールデンライヴ ~宿命のツーマン~』

2018年3月5日(月)
会場:兵庫県 神戸VARIT.
出演:
黒猫チェルシー
OKAMOTO'S

『第1回 輝く!10周年ゴールデンライヴ ~栄光のワンマン~』

2018年3月17日(土)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO

プロフィール

渡辺大知(わたなべ だいち)

1990年8月8日生まれ、兵庫県神戸市出身。ミュージシャン、俳優、映画監督、脚本家。小さい頃は絵を描くこと、昆虫採集、おままごと、サッカー、演劇、音楽が好きで、脚本家を目指していた。高校1年生の初夏、みんなが文化祭の準備をする中、澤竜次、岡本啓佑とともにギター部へ入部、1年の終わりにバンド、黒猫チェルシーを結成する。黒猫チェルシーのボーカルであり、俳優としても映画『色即ぜねれいしょん』で第33回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど注目される。最新出演作は『勝手にふるえてろ』。

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