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凛として時雨が語る、結成から15年。なぜ確固たる地位を築けた?

凛として時雨が語る、結成から15年。なぜ確固たる地位を築けた?

凛として時雨『#5』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中野敬久 編集:矢島由佳子、柏井万作

「かっこいいだけで終わらせたくない」っていうのはずっと思ってた。(TK)

―さきほど名前の出た“鮮やかな殺人”は『#4』の1曲目に収録されていますが、バンドにとってどんな1曲だと言えますか?

TK:時雨を始める前に作った曲で、「こういう曲があるんですけど、誰か叩いてくれませんか?」って、ドラムを募集するための曲だったんです。当時ってよく「茶髪NG、ヤンキー不可、当方プロ志向」みたいなメン募(メンバー募集)が貼ってあったりしたじゃないですか(笑)。でも、文字だけじゃわからないだろうと思って、「これを叩けるドラムの人を募集します」ってことを伝えるためにデモを作ったんです。

ちょうどその頃中野くんがやってたバンドのイベントに出ることになったんですけど、メンバー脱退の時期と重なってしまって「キャンセルするかもしれません」と言ったら、「じゃあ、俺が叩くから出て」って言われて。そこからサポートをやってもらったんですよね。

―それこそ「当方プロ志向」じゃないですけど、当時はなにか目標とか考えていたんですか?

TK:いや、目指してるものが明確にあったわけではなくて、「とにかく見てくれる人を増やそう」という思いで、ひとまず目の前の目標に向かっていたというか。まだまだお客さんも少なくて、「今日より明日、聴いてくれる人を増やしたい」というのが三人の共通認識でしたね。

TK
TK

―柏井さんは当時の時雨の音楽性に対して、どんな印象でしたか?

柏井:僕が時雨に出会ったのは2003年なんですけど、その頃ってNUMBER GIRL(以下、ナンバガ)の解散(2002年11月)という大きな喪失感のなか、toeを筆頭にポストロックが出てきた時代で、時雨はそんな新しい時代を担いそうな同世代のバンドが出てきた! って思うくらい、印象的な存在でした。ナンバガもtoeも、音楽性は違うけど「バンド」としてリフやキメのかっこよさがあって、時雨はそこに更に独自の歌とメロを乗せてきましたよね。

TK:ミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)が解散したのもそのくらいの時期だったし(2003年に解散)、わりと日本ではそれぞれのジャンルの重要なバンドがいなくなってしまった感じでしたよね。

―時雨の音楽的な理想像は、結成当初どの程度明確だったのでしょうか?

TK:自分が作る音楽に対しての理想像はあるし、どうやったらそれが届くかまでは突き詰めて考えるんですけど、それが人の耳に入ったあとは、それぞれで好きになってくれればいいなって。いつもそう思ってます。

今回の作品(『#5』)にしても、作り上げるところまでは自分の理想に向かっていくんですけど、「こういうふうに聴いてもらえたら」っていうのはあんまりなくて。自分の思う理想像を超えられれば、ちゃんと届くとは思っているので、自分自身が作りたいものを作れるかどうかですね。

―ナンバガやミッシェル、あるいはポストロックといったその時代の音楽を肌では感じていただろうけど、どこかのシーンを意識してとかではなくて、あくまで自分の理想像を目指していたと。

TK:そうですね。ギターロックももちろん好きなんですけど、もともとはJ-POP育ちなので、メロディーで曲を聴くという性質は未だに抜けてなくて。だから、根本的にはメロディーを人に届かせたいんですよね。プログレッシブなものを好んで聴いていたということも、実はなくて。自分のなかではいろんなものがごちゃ混ぜになっているんですけど、根っこに強くあるのはJ-POPなんです。

―確かに、一般的にはヒリヒリした鋭いイメージがあって、もちろんそれも時雨の大きな特徴だと思うんですけど、今回改めて『#4』を聴き返したりすると、ちゃんとポップなメロディーが前に出てるんですよね。

TK:当時はオルタナティブなバンドが多くて、渋谷O-nestとか下北沢ERAはかなり尖ったブッキングをやっていて、いつ行ってもかっこいいバンドが出てたんですけど、「かっこいいだけで終わらせたくない」っていうのはずっと思ってて。

そこをなにで埋められるのかと言ったら、メロディーなんじゃないかって、未だに思ってます。どれだけ曲構成が複雑で、自分の声やギターがちょっと耳馴染み悪いものだったとしても、その違和感をメロディーでつなぎとめることができれば、新しいものが生み出せるんじゃないかって。

―J-POPの要素は、ピエールさんと345さんの根っこにも共通しているものだと言えますか?

中野:自分は手数、足数の多いイメージだけど、実は歌心があるタイプのドラマーだと思っていて。たとえば胸をえぐるようなメロと歌詞だったら、そこに対してドラムを当てることはできるし、そこは意識せずとも自然とやってました。

メンバーはほぼ同世代で聴いてきたものも近かったから、先人たちの感覚がリスナーとしても染みついていて、自分たちが表現するときも、その遺伝子がちゃんと自然と出てくる部分もあるんだと思います。

345:私もずっと、たとえばJUDY AND MARYとか、ポップなものを聴いて育ったので、そこもTKや中野くんと一緒なんじゃないかと思いますね。

345
345

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リリース情報

凛として時雨『#5』初回生産限定盤
凛として時雨
『#5』初回生産限定盤(CD+DVD)

2018年2月14日(水)発売
価格:4,212円(税込)
AICL-3479/80
※トールサイズ、デジパック仕様

[CD]
1. Ultra Overcorrection
2. Chocolate Passion
3. Tornado Minority
4. Who's WhoFO
5. EneMe
6. ten to ten
7. Serial Number Of Turbo
8. DIE meets HARD
9. High Energy Vacuum
10. #5

[DVD]
“Chocolate Passion” Music Video with Making Passion
“#5” Music Video
DIE HARD RADIO Season 2

凛として時雨『#5』通常盤
凛として時雨
『#5』通常盤(CD)

2018年2月14日(水)発売
価格:3,240円(税込)
AICL-3481

1. Ultra Overcorrection
2. Chocolate Passion
3. Tornado Minority
4. Who's WhoFO
5. EneMe
6. ten to ten
7. Serial Number Of Turbo
8. DIE meets HARD
9. High Energy Vacuum
10. #5

イベント情報

凛として時雨
『Tour 2018“Five For You”』

2018年3月3日(土)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL

2018年3月4日(日)
会場:新潟県 LOTS

2018年3月11日(日)
会場:東京都 Zepp DiverCity

2018年3月17日(土)
会場:宮城県 仙台 GIGS

2018年3月21日(水・祝)
会場:北海道 サッポロファクトリーホール

2018年3月25日(日)
会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

2018年4月7日(土)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2018年4月8日(日)
会場:香川県 高松 festhalle

2018年4月14日(土)
会場:福岡県 DRUM LOGOS

2018年4月15日(日)
会場:熊本県 B.9 V1

2018年4月21日(土)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2018年4月30日(月・祝)
会場:東京都 Zepp Tokyo

料金:立見4,860円 2階席5,400円(共にドリンク別)
※新潟公演、札幌公演はドリンク代なし
※2階席は東京2公演、宮城公演、大阪公演のみ
※高校生以下は学生証など提示で500円割引

凛として時雨
『Tour 2018 “Five For You ~Vacuum The Hall Edition~』

2018年6月1日(金)
会場:大阪府 フェスティバルホール
2018年6月11日(月)
会場:東京都 東京国際フォーラム ホールA

料金:各公演 全席指定 5,400円
※高校生以下は学生証など提示で500円割引

プロフィール

凛として時雨
凛として時雨(りんとしてしぐれ)

TK(Vocal&Guitar)、345(Vocal&Bass)、ピエール中野(Dr)。2002年、埼玉にて結成。男女ツインボーカルから生まれるせつなく冷たいメロディーと、鋭く変幻自在な曲展開は唯一無二。プログレッシブな轟音からなるそのライブパフォーマンスは、冷めた激情を現実の音にする。

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