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恐るべき10代、ニトロデイの所信表明。忌憚ない言葉で現状を語る

恐るべき10代、ニトロデイの所信表明。忌憚ない言葉で現状を語る

ニトロデイ『レモンドEP』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:馬込将充 編集:山元翔一、矢島由佳子

夏を題材にした作品に惹かれるんですよね。(やぎ)

—新作『レモンドEP』は「夏」をテーマに制作されたそうですね。

やぎ:夏を題材にした作品に惹かれるんですよね。ブッチャーズ(bloodthirsty butchers)もそうだし、映画だと『海がきこえる』(1993年公開のスタジオブリ作品。原作は氷室冴子)とかも好きです。

ニトロデイ『レモンドEP』
ニトロデイ『レモンドEP』(Amazonで見る

小室:作品のなかに出てくる「夏」は、別次元のものとして捉えているからすごく好きなんですけど、その反面、現実の世界の夏はあまり好きではなくて。今回の曲は、現実逃避じゃないけど、「自分にとっての居心地いい夏」みたいな、そういう感じで書いています。

自分の思う「歌詞のリアリティー」というのは、現実そのものが出てるかどうかより、それに対する自分の感情に素直に書くということで。妄想しながらも、自分がどう感じたか、どう思ったかをリアルに書きたいと思ってます。

—“レモンド”の歌詞では<不甲斐ないな><冴えないな>と繰り返している。梶井基次郎の『檸檬』(1925年発表)に近い印象を受けました。

小室:梶井基次郎は大きいです。初めて読んだとき「すげえ」ってなって、自分を主人公に投影しちゃったくらい、肌馴染のいい作品でした。なので、今回曲を作るときも、どっか念頭にあった感じがします。

小室ぺい
小室ぺい / 梶井基次郎『檸檬』を読む(青空文庫で読む

—『檸檬』の主人公みたいに爆弾を仕掛けてやろうと思うことがある?

小室:……よくあります(笑)。

松島:私も梶井基次郎の『檸檬』はめちゃめちゃ大好きで。最後ただ置いて出ていくっていうのがウキウキするし、なぜだかわからないけど「わかる!」ってすごく共感します。「レモン」ってついてる曲とか本とかだいたい好きなんですよね。Base Ball Bearもよく出てくるじゃないですか?

—歌詞にもよく出てくるし、“レモンスカッシュ感覚”って曲があったりもしますよね。

松島:そういうのも好きだし、ぺいの言ってることもよくわかる。

—「なぜだかわからないけど」って言っていましたけど、どうして共感したんでしょうね?

松島:高校生のとき、道を歩きながら、一人でずっと人生について考えてる時期があったんです(笑)。深く考え過ぎて、本当にあの主人公みたいな精神状態になってて、「まったく一緒だ!」と思って。しんどいんだけど、「ここまで共感できるのか」って思うと、ちょっと救われた気もしたんですよね。

松島早紀
松島早紀

小室:俺はやっぱり、周りに対する負の感情みたいなのがあって、「うざいな」とか「殴りたいな」とか思いながらも、それでも頑張って生きてます。

「オルタナ」とか「グランジ」が軸になってるけど、ひと言で括られたくはない。(小室)

—ラストに収録されている“ユース”についても訊かせてください。長尺の轟音ナンバーで、とてもかっこいいなと。

小室:やぎが珍しくリフとコード進行を作ってきた曲です。今までは全部自分発信だったんですけど、「やってみようか」ってなって。自分だけだと表現しきれない感じが出せたから、バンドとしてこの曲がやれてよかったなって思います。

ニトロデイ『レモンドEP』を聴く(Apple Musicはこちら

—音楽的には、ここまででニトロデイとしてのひとつの色を確立しつつ、まだ過渡期でもあって、「さあ、ここからどこへ?」というタイミングかなと思います。実際、今後についてはどのように考えていますか?

小室:まだ完全ではないけど、自分も今回の作品で自分たちのスタイルを把握できたと思っていて。でもまだまだたくさん改良の余地はあるから、自分たちだけしかできない表現を突き詰めていきたいです。

前作を出したときは、「オルタナ」とか「グランジ」っていう部分が過剰に切り取られた気がして、そこはあんまり気に入ってなくて。確かに、そういう音楽が軸になってるけど、ひと言で括られたくはない。今回はコーラスを入れたり、いろんなことを試していて、アレンジの精度も上がっていると思うんですけど、これからもっと突き詰めていきたいです。

小室ぺい
小室ぺい

やぎ:私もやっと自分の好きな音楽が自分で把握できたと思っていて。今のままだとどうしても「ひさ子さんの二番煎じ」って言われちゃうから、より自分だけのスタイルを確立して、それをバンドとしても表現できたらいいのかなって。

松島:今回のEPはすごく自信あるんで、もっといろんな人に知ってもらいたいです。2人も言ってるように、自分たちのスタイルが固まっていく最中だと思うから、この先はもっといろいろチャレンジしていきたいですね。

岩方:俺は……もっと大きい音で叩けるようになりたい(笑)。周りの音が大きいんで、もっとでっかい音で叩けるようにならないとなって、それしか考えてないです。

ニトロデイ
ニトロデイ

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リリース情報

ニトロデイ『レモンドEP』
ニトロデイ
『レモンドEP』

2018年7月25日(水)発売
価格:1,500円(税込)
PECF-3205

1. レモンド
2. グミ
3. 向日葵
4. 氷菓
5. ユース

イベント情報

『「レモンドEP」 RELEASE TOUR』

2018年8月4日(土)
会場:神奈川県 横浜 BB STREET
共演:
突然少年
Layne
betcover!!

2018年8月10日(金)
会場:大阪府 心斎橋 Pangea
共演:
ナードマグネット
MASS OF THE FERMENTING DREGS

2018年8月14日(火)
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET
共演:
The Wisely Brothers
Layne
THE STEPHANIES

2018年8月30日(木)
会場:東京都 下北沢 THREE
共演:
uri gagarn

プロフィール

ニトロデイ
ニトロデイ

ニトロデイは平均年齢18歳ながら、そのサウンドは90年代のオルタナティブに影響を受けた、爆音なオルタナティブロックを演奏する。吐き出すようにシャウトするヴォーカル小室ぺいの独特の語感によって描かれるキャッチーでフックのある歌、初期衝動丸出しのやぎひろみの破壊的轟音なギターサウンド、それを支える屈強なリズム隊。初期衝動は勿論、それだけでは終わらない大きな可能性を秘めた、2018年最も大きな注目を集めているロックバンドである。

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