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Corneliusが世界で認められるまで。海外進出のカギは何だった?

Corneliusが世界で認められるまで。海外進出のカギは何だった?

Cornelius『Ripple Waves』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:森山将人 編集:山元翔一

当時、デーモン(・アルバーン)が褒めてくれていて、あちこちのインタビューで名前を出してくれてたみたいで。

—『FANTASMA』が「Matador Records」からリリースされて、それ以降「これをきっかけに知名度が上がった」というようなタイミングってありましたか?

小山田:最初の『FANTASMA』のツアーで、ヨーロッパのフェスにはめっちゃ出ましたね。その頃、アメリカは『Lollapalooza』(1997年に一時終了、2003年に復活し、2005年以降に毎年開催されている)が終わったくらいの頃で、ほとんどフェスらしいフェスってなくて。

—まだ『コーチェラ』(『Coachella Valley Music and Arts Festival』。1999年より開催)もはじまってないタイミングですかね。

小山田:そうそう。でも、ヨーロッパのデカいフェスはほとんど出たんじゃないかな。『Roskilde Festival』『Reading Festival』『Glastonbury Festival』とか。フェスの出演が大きかったかどうかはわからないけど……でも、最初はアメリカよりイギリスのほうが盛り上がってた。「Matador」は当時ロンドンにもオフィスがあったから、イギリスにも力を入れてくれてて。

あとデーモン(・アルバーン / Blur、Gorillaz)が褒めてくれていて、あちこちのインタビューで名前を出してくれてたみたいで。だから、向こうで取材を受けると、「デーモンが言ってたよ」ってよく言われました。

—デーモンとはお互いの曲のリミックスもやっていますもんね。

小山田:そうだね。だから、いろんな人のリミックスをやったのはデカいんじゃないかな。ライブも100本くらいやったと思うし。

Blur“Tender (Cornelius remix)”を聴く(Apple Musicはこちら

—それによって、日本ブームが去ったあとも、Corneliusのファンベースは徐々に築かれていったと。

小山田:正確にはわからないけど。まあ、最初の頃は若かったし、何にもわからないから、言われたことを全部やってたんだよね。1か月半行きっぱなしで、週4~5本ライブをやるみたいな、相当ハードなツアーだった。でも、年齢が上がるとそれは無理だから、今年のツアーとかはもうちょっと楽な感じだったけど(笑)。

Corneliusのライブでお客さんが歌うことってないんだけど、メキシコでは歌声が聴こえてきたのが衝撃的だった。

—今年の3月に行われたメキシコ・北米ツアーはいかがでしたか?

小山田:西海岸から真ん中あたりは一昨年のツアー(『FANTASMA』のリマスター盤リリースに伴う8年ぶりのUSツアー)で行ってたんだけど、ニューヨークとか、東のほうは久しぶりだったから、結構盛り上がったかな。あとメキシコは初めてだったんだけど、すごい楽しかった。

—お客さんが熱狂的だった?

小山田:うん、今までにないくらい熱狂的だった。普通、Corneliusのライブでお客さんが歌うことってないんだけど、歌声が聴こえてきたのが衝撃的で。

—日本でもなかなかないことですよね。

小山田:というか、日本が一番ない(笑)。まあ、人の気質もあるんだろうけど、音楽だけじゃなくて、カルチャー全般が盛り上がってる感じがすごく伝わってきて、それはアメリカの人も言ってた。『コーチェラ』もメキシコからたくさんお客さんが来るみたい。

—そのツアー中に、ラジオ局「NPR」(アメリカ合衆国の非営利・公共のラジオネットワーク)の人気企画『Tiny Desk Concert』に出演されて、『Ripple Waves』にはそのときのライブ音源が収録されていますね。

小山田:『Tiny Desk Concert』はすごい人気コーナーで、いろんな人が出てるんだよね。最近の向こうのバンドとかは、『Tiny Desk Concert』と、KCRWの番組(『Morning Becomes Eclectic』)と、あとDJ系だと『BOILER ROOM』とか、その辺の番組はみんな出るみたい。

—NPRのオフィスはどんな雰囲気なんですか?

小山田:NPRは国営放送的なラジオ局なんだけど、デカいビルの1フロアを音楽班だけで使ってて。現代音楽担当、ブラジル音楽担当、ソウル担当、インディーロック担当とか、一人ひとりに専門分野があって、みんな超オタク。その人たちが働いてるオフィスの一角で、担当のディレクターが自分で撮るのが『Tiny Desk Concert』(笑)。

—YouTubeの動画には長文の紹介文が添えられていて、きっとそのディレクターさんが書かれてるわけですよね。

小山田:たぶんそうだと思う。NPRはワシントンD.C.にあるんだけど、その人は近くでライブをするときはいつも来てくれてたみたい。国営放送でもちゃんと音楽のエキスパートがたくさんいて、常に面白いものを探してるっていうのはいいですよね。そのフロアのボスみたいな人は、60代くらいの現代音楽担当の人なんですよ(笑)。

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リリース情報

Cornelius『Ripple Waves』
Cornelius
『Ripple Waves』(CD)

2018年9月19日(水)発売
価格:2,592円(税込)
WPCL-12923

1. Audio Check Music
2. Audio Architecture
3. Passionfruit(Recorded at Spotify Studios NYC)
4. If You're Here(Recorded at Spotify Studios NYC)
5. Sonorama 1
6. Not Bad, This Feeling
7. Inside a Dream
8. In a Dream(NPR Music's Tiny Desk Concert)
9. Audio Architecture(Studio Live)
10. The Spell of a Vanishing Loveliness(Beach Fossils Rework)
11. Helix / Spiral(Reginald Omas Mamode IV Rework)
12. Mellow Yellow Feel(Hiatus Kaiyote Rework)
13. Surfing on Mind Wave Pt2(Liquid Fairy - A Sound Collage by Lawrence)
14. In a Dream(Haruomi Hosono Rework)
15. If You're Here(Ryuichi Sakamoto Rework)

Cornelius
『Mellow Waves』(アナログ盤)

2018年9月19日(水)発売
価格:3,240円(税込)
WPJL-10106

[SIDE-A]
1. あなたがいるなら
2. いつか / どこか
3. 未来の人へ
4. Surfing on Mind Wave pt 2

[SIDE-B]
1. 夢の中で
2. Helix/Spiral
3. Mellow Yellow Feel
4. The Spell of a Vanishing Loveliness
5. The Rain Song
6. Crépuscule

イベント情報

『Mellow Waves Tour 2018』
『Mellow Waves Tour 2018』

2018年10月3日(水)
会場:福岡県 福岡国際会議場 メインホール
料金:指定席7,800円
※学生証の提示で1,000円キャッシュバック

2018年10月5日(金)
会場:大阪府 オリックス劇場
料金:指定席7,800円
※学生証の提示で1,000円キャッシュバック

2018年10月8日(月・祝)
会場:東京都 有楽町 東京国際フォーラム ホールA
料金:指定席7,800円
※学生証の提示で1,000円キャッシュバック

2018年10月19日(金)
会場:岡山県 岡山市立市民文化ホール
料金:指定席7,800円
※学生証の提示で1,000円キャッシュバック

2018年10月21日(日)
会場:愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
料金:指定席7,800円
※学生証の提示で1,000円キャッシュバック

2018年10月24日(水)
会場:北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
料金:指定席7,800円
※学生証の提示で1,000円キャッシュバック

2018年10月27日(土)
会場:宮城県 電力ホール
料金:指定席7,800円
※学生証の提示で1,000円キャッシュバック

『ヘリオス・グルーヴィーナイト vol.28』
2018年10月13日(土)
会場:富山県 南砺市福野文化創造センター 円形劇場ヘリオス
料金:1階(スタンディング)5,000円 2階(指定席)5,500円

『Mellow Waves Tour 2018 – Taipei』
2018年11月9日(金)
会場:台湾 Legacy 台北
料金:NT$ 2,000(前売)NT$ 2,200(当日)

『Clockenflap 2018』
2018年11月9日(金)~11月11日(日)
会場:中国・香港 Central Harbourfront Hong Kong
※Corneliusは11日に出演

プロフィール

Cornelius
Cornelius(こーねりあす)

1969年東京都生まれ。'89年、フリッパーズギターのメンバーとしてデビュー。バンド解散後、1993年、Cornelius(コーネリアス)として活動開始。現在まで6枚のオリジナルアルバムをリリース。自身の活動以外にも、国内外多数のアーティストとのコラボレーションやREMIX。プロデュースなど幅広く活動中。

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