特集 PR

劇団子供鉅人11人インタビュー。関西時代から伝え続ける普遍の愛

劇団子供鉅人11人インタビュー。関西時代から伝え続ける普遍の愛

『NEWTOWN』
インタビュー・テキスト
萩原雄太
撮影:豊島望 編集:川浦慧

子供鉅人の本質にあるのは普遍的な愛の形だと思う。(キキ花香)

—子供鉅人は現在、11人の劇団員で活動しています。劇団員として迎え入れるにあたっては、どんな基準があるのでしょうか?

貴司:まず、僕の中で「おもしろい人と遊びたい」という気持ちが根本的なモチベーションになっているので、人間的な意味でおもしろいかどうかがとても大きいですね。

—俳優としての上手さよりも、まずはおもしろい人間であることが第一。

貴司:だから、以前は、役者にテクニックを求めていませんでした。けれども最近は、上手いほうがええなと思っています。というのも、この先やり続けていくためには、劇団の勢いだけではなく芝居の質をあげていかなければならない。おもしろいメンバーが集まっているからこそ、芝居の質を向上させることによって、さらにその魅力を伝えていきたいんです。

キキ:私としては、一緒に外国に行ってもストレスがたまらなかったり、そのストレスを言い合える関係性が劇団員にはある。鼻毛出ていることを言える人と言えない人っているじゃないですか。うんこついてるのを「うんこ付いてるやん!」って笑い合えることは大事ですね。

キキ花香
キキ花香

貴司:ダメなところをお互いに言い合って、お互いに笑い合えるのは関西っぽいかもしれないですね。東京だったら下品に受け取られてしまいますが、子供鉅人ではありなんです。

—さすが「団内公用語関西弁」の劇団ですね。

貴司:うらじは、唯一の関東人としてどう思ってるの?

うらじぬの:私は、千葉の出身なんですが、ノリとかはあまり考えたこともないし、違和感は感じませんね。ただ、周りの会話が早すぎて全然ついていけない……。ミーティングのときは話題がいろんな所にいってしまって、喋れずに終わってしまうんです。

うらじぬの
うらじぬの

影山:僕もその気持ちわかります。頭の回転がついていかないですよ。僕、性格的に内にこもるところがありまして……。あ、これ、あんまり記事にしないでほしいんですが……。

—(笑)。影山さんは子供鉅人創立初期からのメンバーですが、劇団はこの13年間でどのように変わっているのでしょうか?

影山:僕は高校卒業と同時に、18歳で子供鉅人に入ったんです。ボス(益山貴司の劇団内での愛称)からすると、子供鉅人は東京に来てからも全然変わってないのかもしれませんが、僕の目から見るとだいぶ変わっている。当初やっていた作品は、アングラな感じが強く、それがめっちゃかっこよかったし怖くもありました。けれども、だんだんとかっこよさだけではなく、ポップさも併せ持つようになってきたんです。根底に流れているものは変わらないのですが、そんな変化を感じます。

影山徹
影山徹

—「子供鉅人の根底に流れているもの」とは?

影山:言葉にするのが難しいですね……。視覚的に美しく、幻視的なところかな?

古野陽大(以下、古野):僕は笑いの部分やと思う。ボスは大阪の人やし、観客の笑いに対してものすごく意識が強い。観客の笑いが起きているか否かで演出が変わることもしょっちゅうなんです。

古野陽大
古野陽大

ミネユキ:ギラギラして、スーパー玉出(大阪南部を中心に出店する激安スーパー)の看板みたいなところがあるよね。キラキラっていうよりも、ギラギラ。

ミネユキ
ミネユキ

地道元春:すごくパワフルですよね。

地道元春
地道元春

—パワフルさは、子供鉅人が持つ誰にも負けない魅力ですね。100人の出演者を集めた『夏の夜の夢』や『マクベス』でも、そのエネルギー量で観客を圧倒しました。

貴司:100人出すことって、実は、演劇人なら絶対に1度は思いつくものなんですよ。けれども、ホンマにやるかというと、なかなかやることができない。家を壊しながらやるのだってそう。ひとりでは絶対にできることではありません。少なくとも、ここにいる劇団員全員がおもしろいと思ってくれて、みんなが本気になって実行に移さないと、実現しないことなんです。

—子供鉅人というチームがあるからこそ、パワフルな活動ができるんですね。

益山寛司(以下、寛司):ただ、パワフルなだけじゃありません。子供鉅人では「人間の愛」についての物語を昔から今までずっと描いています。僕は、そんな側面が大好きだし、これからもずっとそうであってほしい。外国の人が見てもわかるような普遍の愛を描いた物語を上演しているんです。

益山寛司
益山寛司

キキ:私も、子供鉅人の本質にあるのは普遍的な愛の形だと思う。それは、人間だけじゃなく、動物に対してもそうだし、物に対してもそう。人間の中に流れている温かなものを描いているんです。強い生命力やギラギラした側面がありますが、それが温かい愛で包まれているのが子供鉅人の本質じゃないかな。

億なつき(以下、億):東京に来てから上演した『愛の救済3部作』では、物語の中で報われない人を描いています。外人でもわかるような普遍的な愛をモチーフにして、人間が抱える変わらない本質を描いているんです。

億なつき
億なつき
Page 2
前へ 次へ

イベント情報

『NEWTOWN』
『NEWTOWN』

2018年11月10日(土)、11月11日(日)
会場:東京都 多摩センター デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧 八王子市立三本松小学校)
時間:10:30~19:00(予定)

劇団子供鉅人『ニュータウン / パラダイス』
劇団子供鉅人
『ニュータウン / パラダイス』

2018年11月10日(土)、11月11日(日)
会場:東京都 多摩センター デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧 八王子市立三本松小学校)

公演日時:
11月10日(土)13:45 / 17:15
11月11日(日)13:45 / 17:15
作・演出:益山貴司
出演:億なつき、益山寛司、古野陽大
演奏:トム・カラーツ(ピアノ)
チケット料金:2,000円 / 学生前売1,500円(要学生証)

プロフィール

劇団子供鉅人
劇団子供鉅人(げきだん こどもきょじん)

05年益山貴司・寛司兄弟を中心に大阪で結成。関西タテノリ系のテンションと骨太な物語の合わせ技イッポン劇団。団内公用語関西弁。人間存在のばかばかしさやもどかしさをシュールでファンタジックな設定で練り上げ、黒い笑いをまぶして焼き上げる。生バンドとの音楽劇から4畳半の会話劇までジャンルを幅広く横断。4度に及ぶ欧州ツアーや台湾公演など国内外にて精力的に公演中。近年は東京に拠点を移し、本多劇場にて出演者100人よる「マクベス」、お化け屋敷パフォーマンスでSICF19グランプリ受賞など勢力拡大中。CoRich舞台芸術まつり!2012準優勝。関西でほんとに面白い芝居を選ぶ「関西ベストアクト」二期連続一位。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. ゆずが気づいた「歌いたい」という感情。覚悟を決めて未来に進む 1

    ゆずが気づいた「歌いたい」という感情。覚悟を決めて未来に進む

  2. 中村佳穂が語る『竜とそばかすの姫』 シェアされ伝播する歌の姿 2

    中村佳穂が語る『竜とそばかすの姫』 シェアされ伝播する歌の姿

  3. KERAが見てきた東京のインディ・アングラ音楽シーンを振り返る 3

    KERAが見てきた東京のインディ・アングラ音楽シーンを振り返る

  4. A_oから青い心を持つ全ての人へ 自由に、自分の力で生きること 4

    A_oから青い心を持つ全ての人へ 自由に、自分の力で生きること

  5. 『プロミシング・ヤング・ウーマン』が映し出す、「女性の現実」 5

    『プロミシング・ヤング・ウーマン』が映し出す、「女性の現実」

  6. Daichi Yamamotoと高校生のラップ談義。音楽の自由を10代に学ぶ 6

    Daichi Yamamotoと高校生のラップ談義。音楽の自由を10代に学ぶ

  7. トム・ヨークによるRadiohead“Creep”のリミックスが公式リリース 7

    トム・ヨークによるRadiohead“Creep”のリミックスが公式リリース

  8. ケリー・ライカート特集パンフに蓮實重彦、夏目知幸ら ototoiのグッズも 8

    ケリー・ライカート特集パンフに蓮實重彦、夏目知幸ら ototoiのグッズも

  9. 狂気と恐怖、男2人の権力闘争。『ライトハウス』監督インタビュー 9

    狂気と恐怖、男2人の権力闘争。『ライトハウス』監督インタビュー

  10. アーティストをやめる、苦渋の決断が生んだ現代芸術チーム「目」 10

    アーティストをやめる、苦渋の決断が生んだ現代芸術チーム「目」