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JYOCHOインタビュー 彼らがテクニカルな演奏をする、意外な理由

JYOCHOインタビュー 彼らがテクニカルな演奏をする、意外な理由

JYOCHO『美しい終末サイクル』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:高橋一生(sui sui duck) 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2018/12/05

京都を拠点に、その卓越した技巧と構築力で注目を集めていたバンド・宇宙コンビニが2015年に解散して以降、だいじろーのソロプロジェクトとしてスタートしたJYOCHO。ボーカリストが変わるなどメンバーが流動的な時期もあったが、作品やライブを重ねるごとに徐々にメンバーも固定化されていき、今や「ソロプロジェクト」から「バンド」へと、その形を変えるに至った。12月5日にリリースされた1stフルアルバム『美しい終末サイクル』は、そうした変遷と共にJYOCHOが描き続けてきた世界観のひとつの到達点と言えるだろう。

ポストロックとか、マスロックとか、もはやそういったカテゴライズでは言い表しきれないほどに複雑な様相を呈するJYOCHOの世界。それに触れることは、たとえば、圧倒的な大自然の風景を見て、その大きさに「すげぇ!」と感動しながらも、動物や草花や光や空気の微細なバイオリズムにも心奪われている、そんな体験にも似ている。小さなものは、いつだって大きなものを作りだしているし、小さなものと小さなものは、いつもどこかでつながっているのだ。

今回、メンバー5人全員インタビューを敢行。インタビューが深まっていくに従って、話のテーマは「抽象的であること」の重要性に及んだ。

「わからないこと」に対して、「なぜなんだろう?」って考える癖をつけないといけないと思うんですよね。(だいじろー)

—これまでリリースされてきた作品を踏まえたうえで、今回リリースされる1stフルアルバムの『美しい終末サイクル』を聴くと、JYOCHOが描く世界は、どんどんとだいじろーさんのパーソナルな世界感にフォーカスが絞られているように感じます。ただ、それと同時に、JYOCHOとして最初の作品である『祈りでは届かない距離』(2016年12月)と本作は、収録曲も何曲か被っているし、どこかでつながっている感じもするんですよね。すごく不思議な感覚なんですけど。

だいじろー(Gt,Cho):作品を追うごとにパーソナルなものにしていくっていうのは、自分としても意識していた部分ではあります。ただ、全ての作品のテーマは共通しているので、言っていることは全部同じとも言えるんですよね。少なくとも、1stを作ったときに、ここ(『美しい終末サイクル』)まで行くであろうっていうことは、想像できていました。

左から:hatch、だいじろー、猫田ねたこ、sindee、はち
左から:hatch、だいじろー、猫田ねたこ、sindee、はち

—なぜ、そういう作品の重ね方をされたのでしょう?

だいじろー:理由は僕自身、あまりわからないんです。そもそも僕は、自分が考えたことをシンプルに作品に込めているだけで。JYOCHOの作品は毎回、「僕はこう思いました」って言っているメモ書きに近い。ただそのなかで、プロセス的に「大きなもの」から「小さなもの」へと描き方を変えていくことは、すごく自然だったんです。

—『美しい終末サイクル』のテーマ……つまり、JYOCHOがこれまで作ってきた作品全体を通してのテーマ、とも言えるのかと思いますけど、それは一体、どのようなものなのでしょうか?

だいじろー:僕らは、見えない「サイクル」や「法則」のようなものに左右されながら生きているんじゃないか? という感覚があって。人それぞれあると思うんですよね、「こういうものに左右されて生きている」っていうのが。

その法則は、日常、社会、国、地球、宇宙……いろんなレベルで存在していて、この瞬間にも無限に出てきている。人はそれぞれ違う存在なんだから、その法則を自覚すれば楽になれるんじゃないかと思うし、自分にとっての法則を一つひとつ精査して、それらに対しての自分にとっての「答え」のようなものを見つけておきたい……それが、テーマといえばテーマですね。

左から:hatch、だいじろー、猫田ねたこ
左から:hatch、だいじろー、猫田ねたこ

—……正直、話についていくのに必死なのですが(笑)。

だいじろー:いえ、僕も言語化するのが難しいことなので(笑)。ただ、なんというか……今は、哲学が遅れている感じがするんですよ。

—哲学が遅れている?

hatch(Dr):わかる。哲学が遅れているというか、薄まっているというか。

だいじろー:そうそう。哲学って、まだなにも答えなんて出ていないし、時代が進めば答えも変わるものじゃないですか。でも今は、その哲学的な取り組みが薄れて、進んでいないような気がするんです。

左から:hatch、だいじろー、猫田ねたこ、sindee、はち
左から:hatch、だいじろー、猫田ねたこ、sindee、はち

—「哲学」という言葉の持つニュアンスを、もう少しかみ砕いて教えていただけますか?

だいじろー:生きていて、わからないことって多いじゃないですか。それは、自分自身のことでも。その「わからないこと」に対して、「なぜなんだろう?」って考える癖をつけないといけないと思うんですよね。「今、自分はなぜ、これを考えたんだろう?」とか……そういうことの理由を探すのって、すごく大事なことだと思うんです。そうやって考えたことに対して、自分なりの「答え」に近いものを持つことで、気持ちが楽になると思う。

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リリース情報

JYOCHO『美しい終末サイクル』初回限定盤
JYOCHO
『美しい終末サイクル』初回限定盤(CD+DVD)

2018年12月5日(水)発売
価格:3,240円(税込)
NBPC-0060/61

[CD]
1. from long ago
2. つづくいのち
3. Aporia
4. 美しい終末サイクル
5. わたしは死んだ
6. sugoi kawaii JYOCHO
7. family (Re-Rec ver.)
8. my room
9. my rule
10. 太陽と暮らしてきた (Re-Rec ver.)
11. pure circle
12. こわかった
[DVD]
「JYOCHO Oneman tour 2018 “互いの定義”」 2018.7.7 @渋谷WWW Live映像

JYOCHO『美しい終末サイクル』通常盤
JYOCHO
『美しい終末サイクル』通常盤(CD)

2018年12月5日(水)発売
価格:2,592円(税込)
NBPC-0062

1. from long ago
2. つづくいのち
3. Aporia
4. 美しい終末サイクル
5. わたしは死んだ
6. sugoi kawaii JYOCHO
7. family (Re-Rec ver.)
8. my room
9. my rule
10. 太陽と暮らしてきた (Re-Rec ver.)
11. pure circle
12. こわかった

イベント情報

『JYOCHO Oneman Tour 2019 「美しい終末サイクル」』

2019年2月9日(土)
会場:福岡県 福岡 DRUM SON

2019年2月10日(日)
会場:広島県 広島 SECOND CRUTCH

2019年2月16日(土)
会場:北海道 札幌 COLONY

2019年2月23日(土)
会場:愛知県 名古屋 ell.FITS ALL

2019年2月24日(日)
会場:大阪府 梅田 Shangri-La

2019年3月1日(金)
会場:宮城県 仙台 enn 2nd

2019年3月3日(日)
会場:新潟県 新潟 ジョイア・ミーア

2019年3月9日(土)
会場:東京都 代官山 UNIT

プロフィール

JYOCHO
JYOCHO(じょうちょ)

2016年、京都にて始動。超絶テクニックを誇るギタリスト・だいじろー(ex.宇宙コンビニ)が始動したバンドプロジェクト。プログレッシブ~マスロック~ポップスなど様々なジャンルを通過した音楽性に、テクニカルなトラック、温かみ、激情をふんだんに盛り込んだ、まさに情緒感たっぷりな、JYOCHOにしかできない独自の世界観を構築する。

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