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Poet-type.Mが語る、30代の気づき「つまんねえ人間になってる」

Poet-type.Mが語る、30代の気づき「つまんねえ人間になってる」

Poet-type.M『Pocketful of stardust』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:高橋一生(sui sui duck) 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

ネットは一過性のムーブメントを生み出しやすいけど、文化は即時性のものだけではない。

—それはなんでしょう?

門田:多くのアーティストのファンは「君は孤独かもしれないけど、俺も一緒だよ」という歌を求めていて、つまり、ファンは自分の似顔絵をアーティストに描いてもらいたい。でも、「門田くんの音楽は門田くんの自画像で、それに憧れて聴いてる人が多いよね」って言われて。

自分がそうだとはおこがましいから言えないけど、俺が好きなアーティストは確かにそういう人だなって。デヴィッド・ボウイやプリンスは「これは君の音楽だよ」とは言ってくれない。「お前がこっちに来い」って。俺がやりたいのはそれだって、心の底から思ったんです。

門田匡陽

—じゃあ、『Pocketful of stardust』の「stardust」には、「Ziggy Stardust」(デヴィッド・ボウイ)へのオマージュが含まれてるわけですか?

門田:それもあるけど、今回「星屑」とか「瓦礫」みたいな言葉を使ってるのは、死んで朽ち果ててしまったもののフラジリティにものすごく親近感を持ったからなんです。

ネットは一過性のムーブメントを生み出しやすいなって思うんだけど、文化って即時性のものだけじゃないし、脊髄反射で全部が説明できるものでもない。「星屑」とか「瓦礫」になって初めて文化がわかるんじゃないかなって。朽ちた状態、終わった状態になって、初めて価値がわかることっていっぱいあると思う。「別れ」とかもそうだと思うんですよね。星屑になってみて、初めてそのときの眩しさがわかる。だから『Pocketful of stardust』って、和訳すると、「思い出がいっぱい」ってこと。

—SNSの即時性とは逆のベクトル、思い出や、積み重ねられた時間にいま一度想いを馳せてみようという試みだったと。

門田:うん、そういうことですね。

門田匡陽

今回は映画版の『風の谷のナウシカ』がやりたいと思ったんです。

—昨年末から行われていた『Pocketful of stardust』の独演会と連動して、オフィシャルサイトには小説もアップされていましたが、物語の世界観やストーリーに関しては、どのように構築していったのでしょうか?

門田:さっき話した組織変更とかもあって、前までずっと一緒にやってきたスタッフもいなくなって、それも孤独だった要因のひとつなんですね。で、今回「はじめまして」だったA&Rから言われたのが、「とにかく今のPtMは外から見てわかりづらい」ということだったんです。それは前までのスタッフからは出てこなかった意見で、逆に「世界観を説明するために、時系列に沿って年表を作ろう」とか言いながらやってたの。

門田匡陽

—「D&D」は架空の「夜しかない街」の物語と、門田さん自身のこれまでの歴史が折り重なったものだったわけで、それを細かく説明する方向だったと。

門田:でも、そんな内向的な活動をしてちゃいけないと思って。だから、「D&D」が漫画版の『風の谷のナウシカ』だったとしたら、今回は映画版の『風の谷のナウシカ』がやりたいと思ったんです。

—間口の広さを意識したということ?

門田:これまでのPtMの一番の弱点って、「次は6巻です。5巻のこの話はわかりますよね?」ってことを、俺から言っちゃってたことで。でも映画版はその1本を観たら話がわかるし、「『ナウシカ』を観た」ってことになる。そういう作品にしたかったんです。

だから、衣装も白くして、「D&D」とは違うんだってイメージを全面に出そうと思った。やめてしまった社長は「D&D」に対して、「門田のレガシーを作った」って言ってくれて、俺もそこには満足してたから、今度は俺のことを知らない人に聴いてもらいたいなって。

Poet-type.Mの現在のアーティスト写真
Poet-type.Mの現在のアーティスト写真

門田:今回、選曲も単独ではしてないんですよ。

—あ、そうなんですか。

門田:全部A&Rと一緒に選んで。俺だったら絶対にこうはなってない。特に“贖罪の夜、オーケストラは鳴り止まず(Modern Romance)”と“ただ美しく(Grace)”は20代に作った曲で、俺にとっては新しい曲の方が可愛いから、この2年で作った曲の方を入れたかったんだけど、A&Rが出してくれた曲順で聴いてみたら、バッチリだなって。

—“ただ美しく(Grace)”は今作のメインテーマと言ってもいい1曲ですよね。

門田:そうなんですよね。だから、もう前に、未来で拾う星屑を放り投げてたんだなって気がした。

門田匡陽
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リリース情報

Poet-type.M
『Pocketful of stardust』
Poet-type.M
『Pocketful of stardust』

2019年1月9日(水)配信

1 Star dust
2 MoYuRu
3 イプシロンは泣いてたよ(A Boy In The Avenge)
4 ファンタジア(What Makes You Beautiful)
5 瓦礫のオルフェオ(Ombra mai fù)
6 贖罪の夜、オーケストラは鳴り止まず(Modern Romance)
7 ただ美しく(Grace)
8 光の言語(Absolute Blue)
※ “光の言語(Absolute Blue)”は、デジタルシングルとして3月に配信予定

Poet-type.M
『Pocketful of stardust』(CD)
Poet-type.M
『Pocketful of stardust』(CD)

2019年2月4日(月)発売
価格:2,000円(税込)
PTMM-1029

1 Star dust
2 MoYuRu
3 イプシロンは泣いてたよ (A Boy In The Avenge)
4 ファンタジア (What Makes You Beautiful)
5 瓦礫のオルフェオ (Ombra mai fù)
6 贖罪の夜、オーケストラは鳴り止まず (Modern Romance)
7 ただ美しく (Grace)
8 光の言語 (Absolute Blue)

イベント情報

『Pocketful of stardust』

2019年2月4日(月)OPEN 19:20 START 20:00
会場:東京都 渋谷 La.mama

プロフィール

Poet-type.M
Poet-type.M(ぽえと たいぷ どっと えむ)

1980年1月30日、東京都生まれの音楽家・門田匡陽(もんでんまさあき)。BURGER NUDS / Good Dog Happy Men のボーカル&ギター。Poet-type.Mは門田のソロワーク名義。

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