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星野源『POP VIRUS』が変えたJ-POPの常識 有泉智子×YANATAKE

星野源『POP VIRUS』が変えたJ-POPの常識 有泉智子×YANATAKE

星野源『POP VIRUS』
テキスト
有泉智子
撮影:垂水佳菜 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

「『POP VIRUS』は『音楽的に攻めたものは大衆にウケない』っていう言説を、本当にただの言い訳にしてしまった」。

音楽雑誌『MUSICA』編集長の有泉智子は、星野源が昨年末に発表した『POP VIRUS』についてこのように語った。2018年12月19日にリリースされ、4週にわたってオリコン週間アルバムチャート1位に輝き続けた同作は発売から2か月以上が経ち、各メディアで様々な切り口で語られ、そして評されてきた。最先端のサウンドが持ち込まれるにとどまらず、星野源のフィルターを通して独自昇華されて生まれた音楽は世界を見渡しても類を見ないほど異様なものとなっているわけだが、実際どこがどうすごくて、ヤバいのだろうか?

CINRA.NETでは、これまでに幾度となく星野本人に取材をしてきた有泉智子と、ヒップホップカルチャーに深く精通するYANATAKEの対談を実施。即完した五大ドームツアーも佳境に入り、さらに待望のアナログ盤でのリリースも発表された今、ふたりに語り合ってもらった。音楽的な先鋭性を保ったまま、お茶の間にまで受け入れられた『POP VIRUS』。その事実が意味することとはいかに。

ポップミュージックとして一番攻めている作品が一番売れたという事実は、今後の日本の音楽シーンを考えるうえで非常に重要なこと。(有泉)

有泉:YANATAKEさんはもともと「Cisco」(渋谷区宇田川町が「レコードの聖地」と呼ばれていた1990年代、その中心地となったレコードショップ)でヒップホップのチーフバイヤーをされていたところから、今はご自身もDJとして活動されている他、block.fm『INSIDE OUT』のディレクションをはじめ、ヒップホップシーンの中心で様々な活動をされています。今日はそんなYANATAKEさんと『MUSICA』という音楽雑誌を作っている私とで、改めて星野源のアルバム『POP VIRUS』は何がヤバいのかを語り合おうという企画です(笑)。

YANATAKE:よろしくお願いします(笑)。

有泉:まず、『POP VIRUS』は2018年の12月19日にリリースされまして、以後、4週間にわたってチャートの1位を独占し続けるという快挙を遂げたんですよね。チャートって他のリリース状況にもよるから一概には言えませんけど、2018年の年末から2019年の年初にかけての1か月間において、日本で一番売れた音楽が『POP VIRUS』だったというのは、このアルバムの音楽的特性から考えるとものすごいことだなと思っていて。

つまり、ポップミュージックとして一番攻めている作品が一番売れた。その事実は、今後の日本の音楽シーンを考えるうえで非常に重要なことだな、と。まずはざっくりと、YANATAKEさんの視点から見ると、『POP VIRUS』とはどんな作品だと思われますか?

有泉智子
有泉智子

YANATAKE:「攻めてる」ということは僕もすごく感じていて。正直に言うと、僕は普段ヒップホップばっかり聴いているんで、星野さんに関しては『SUN』(2015年リリースの8thシングル)くらいから知ったリスナーなんですけど、『POP VIRUS』を聴き込んでみたときに「こんなにも攻めてるのか!」と本当にびっくりしました。

最初は仕事しながら、家でお風呂入りながら、スマホで聴いてたんで、そこまでのすごさに気づいてなかったんですよ。でも、みんながここまでヤバいって言ってるのはなんでだろう? と思って、しっかりヘッドフォンで聴いてみたら「うわ、何このアルバム!?」って。

有泉:(笑)。

YANATAKE:ポップスとしてライトにも聴けるアルバムでありながら、実は異常なまでに音楽的に作り込まれている。ヘッドフォンでいろんな音を気にしながら聴いたら、鳥肌が立つような場面がいっぱいあって。「この人どんだけ凝るんだろう、どんだけ攻めんだろう」みたいな(笑)。で、彼がこだわって詰め込んでいる音楽的なポイントに俺はどれだけ気づけるんだろう、みたいなワクワク感もあって……そこからはもうどんどんのめり込んで聴いちゃいましたね。

有泉:歌に耳を傾けると普遍的で大衆的な、上質な日本語のポップスとして聴こえてくる、そういう楽しみ方ができるアルバムなんですけど、サウンドとしては非常に斬新なことをやっているアルバムで。これまでのいわゆるJ-POPではありえない音が鳴っているし、日本のポップミュージックのアーティストでここまで先鋭的な音楽性を独自の形でポップスに昇華している人は他にいない。じゃあ世界を見渡してみたときに同じことをやっている人がいるかと考えたら、それもいないっていう。

YANATAKE:まさに同じことを思いました。世界で考えてもこんなに突き詰めてやっている人っているのかな? って。ドラムのパターン、打ち込みのリズムひとつとっても、めちゃくちゃ実験的なアイデアが詰め込まれている。こんなに実験的なアルバムって近年聴いたことないってくらいの感じです。だから、今これが日本の頂点にいるのかと思うとすごく嬉しいですよね。

YANATAKE
YANATAKE
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リリース情報

星野源『POP VIRUS』生産限定盤
星野源
『POP VIRUS』生産限定盤(2LP)

2019年3月27日(水)発売
価格:5,400円(税込)
VIJL-60194/5

[SIDE-A]
1. Pop Virus
2. 恋
3. Get a Feel
4. 肌

[SIDE-B]
1. Pair Dancer
2. Present
3. Dead Leaf
4. KIDS

[SIDE-C]
1. Continues
2. サピエンス
3. アイデア

[SIDE-D]
1. Family Song
2. Nothing
3. Hello Song

『YELLOW DANCER』生産限定盤
星野源
『YELLOW DANCER』生産限定盤(2LP)

2019年3月27日(水)発売
価格:5,400円(税込)
VIJL-60198/9

[SIDE-A]
1. 時よ
2. Week End
3. SUN

[SIDE-B]
1. ミスユー
2. Soul
3. 口づけ
4. 地獄でなぜ悪い

[SIDE-C]
1. Nerd Strut(Instrumental)
2. 桜の森
3. Crazy Crazy
4. Snow Men

[SIDE-D]
1. Down Town
2. 夜
3. Friend Ship

星野源
『POP VIRUS』初回限定盤A(CD+Blu-ray)

2018年12月19日(水)発売
価格:5,400円(税込)
VIZL-1490
※特製ブックレット付属

[CD]
1. Pop Virus
2. 恋
3. Get a Feel
4. 肌
5. Pair Dancer
6. Present
7. Dead Leaf
8. KIDS
9. Continues
10. サピエンス
11. アイデア
12. Family Song
13. Nothing
14. Hello Song

[Blue-ray]
特典映像『星野源 Live at ONKIO HAUS Studio』
1. Night Troop
2. 肌
3. 桜の森
4. Snow Men
5. KIDS
6. SUN
7. 海を掬う
8. 恋
9. プリン
10. アイデア
11. Friend Ship
特典映像『創作密着ドキュメンタリー「ニセ明と、仲間たち」』
※星野源と友人によるコメンタリー付

星野源
『POP VIRUS』初回限定盤B(CD+DVD)

2018年12月19日(水)発売
価格:5,184円(税込)
VIZL-1491
※特製ブックレット付属

[CD]
1. Pop Virus
2. 恋
3. Get a Feel
4. 肌
5. Pair Dancer
6. Present
7. Dead Leaf
8. KIDS
9. Continues
10. サピエンス
11. アイデア
12. Family Song
13. Nothing
14. Hello Song

[DVD]
特典映像『星野源 Live at ONKIO HAUS Studio』
1. Night Troop
2. 肌
3. 桜の森
4. Snow Men
5. KIDS
6. SUN
7. 海を掬う
8. 恋
9. プリン
10. アイデア
11. Friend Ship
特典映像『創作密着ドキュメンタリー「ニセ明と、仲間たち」』
※星野源と友人によるコメンタリー付

星野源
『POP VIRUS』通常盤初回限定仕様(CD)

2018年12月19日(水)発売
価格:3,348円(税込)
VIZL-1492
※特製ブックレット付属

1. Pop Virus
2. 恋
3. Get a Feel
4. 肌
5. Pair Dancer
6. Present
7. Dead Leaf
8. KIDS
9. Continues
10. サピエンス
11. アイデア
12. Family Song
13. Nothing
14. Hello Song

星野源
『POP VIRUS』通常盤(CD)

2018年12月19日(水)発売
価格:3,240円(税込)
VICL-65085

1. Pop Virus
2. 恋
3. Get a Feel
4. 肌
5. Pair Dancer
6. Present
7. Dead Leaf
8. KIDS
9. Continues
10. サピエンス
11. アイデア
12. Family Song
13. Nothing
14. Hello Song

プロフィール

有泉智子(ありいずみ ともこ)

1980年、山梨県生まれ。音楽雑誌『MUSICA』編集長/音楽ジャーナリスト。音楽誌、カルチャー誌などの編集部を経て、2007年の創刊時より『MUSICA』に携わる。2010年から同誌編集長に着任。

YANATAKE(やなたけ)

レコードショップCiscoのヒップホップ・チーフバイヤーとして渋谷宇田川町の一時代を築き、Def Jam Japanの立ち上げやMTV Japanに選曲家として参加するなどヒップホップシーンの重要な場面を担って来た存在。ビデオゲーム「Grand Theft Auto」シリーズや宇多田ヒカルのPR/発売イベントも手掛け多方面に活躍中。そのセンスは多くのDJやラッパーからも信頼され、アドバイザー的な役割も果たしている。近年は旧友であるm-floの☆Taku Takahashiが立ち上げたインターネット・ラジオ局block.fmにてヒップホップの人気番組「INSIDE OUT」のディレクションや、Amebreakプレゼンツ「RAP STREAM」、ZeebraTVなどのオペレーションなども手掛けるマルチな活動が注目を集めている。

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