
努力してできないことはない。高校生R&BシンガーKAHOHの夢
LINE RECORDS- インタビュー・テキスト
- 沖さやこ
- 撮影:垂水佳菜 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
夢を持つことを否定してきた人たちに、夢は叶うことを証明できたのがうれしい。
—KAHOHさんは現役の高校生ですが、高校生活はいかがですか?
KAHOH:今は和歌山から大阪の高校まで毎日通っていて。学校にはモデルの子とか個性的な子もいっぱいいるんですよ。それが自分にとってすごく大きかった。この学校に入ってなかったら、田舎でちょっと目立つ子でしかなかったかも(笑)。
—KAHOHさんが通っているような専門分野が学べる学校は自分の進むべき道に進んでいる人が多いですよね。そして個性的な存在や、個性的な道に進むことを自然なことだと思っている。
KAHOH:学校のみんなはそれぞれ夢があるので、「なんでやりたいことをやるのに恥ずかしがるの?」みたいな感覚なんです。私もそういうマインドに変わりました。
—そういう環境に身を移し、2018年夏にオーディションで才能を認められました。いい変化があったタイミングで結果が出たのではないでしょうか。
KAHOH:これまでオーディションに落ち続けたのは全部、このためだったんだなと本当に思うんです。
調子に乗ってると思われるかもしれないけれど、自分は(アーティストに)なれると思ってたんですよ。ずっと自分に「絶対に私は人と違う」と言い聞かせてきたから、夢を持つことを否定されることも気にしなかった。そんな人たちに「夢は追いかければ叶う」と自分自身で証明できたのがうれしい。
—冒頭でおっしゃっていた、「努力すれば結果が出る」論と通じますね。
KAHOH:うん。才能はないけど、自分のことを疑わなかった。
誰かの二番煎じで終わるなんて絶対嫌なんです。やるなら絶対に1番がいい。
—今回のデビュー曲“HERE WE ARE”も17歳で新しい道へと踏み出すKAHOHさんの心情にぴったりの曲では。
KAHOH:「誰かがいたおかげで自分は夢を追いかけられた。これからもこの先もがんばっていくぞ!」という曲でもあります。今も今までもこれからも、ひとりじゃなにもできないから。
初めてこの曲を聴いた時は、もうすぐ留学してしまう友達のことが浮かんだんです。その子にも私にも大きい夢があって、いつか一緒に仕事しようね! って夢の話をたくさんしているんです。だから悲しいさよならだとは思わない。まさに歌詞のとおりですね。2番のここの歌詞がすごく好きで。
—<傷つくことも 傷つけることもない世界にいたのならば きっと君の胸の痛みに悩みも全部 こうやって分け合えてはいなかったのかな>というラインですか。
KAHOH:その友達と初めてケンカして、この歌詞が痛いほどわかったんです。ケンカしなくても傷つくことはあるじゃないですか。でもそれを知らないと人に優しくできない。「傷ついたことも傷つけたこともある」ってところが、偽善者ではない感じがして好きですね。
—この先どんなアーティストになっていきたい、というイメージをお持ちですか?
KAHOH:大好きなR&Bを歌いたいですね。じつは曲作りもちょっと始めてみたんですよ。でも、私もどんなアーティストになっていくのかはまだわからなくて……これからみんなで一緒にKAHOHのことを作っていきたいです。
さっき、かっこいいと思うアーティストについて話しましたけど、私の「こうなっていきたい」というイメージは大きなものしかない。そこに行くため、近付けるためなら、その道順はなんでもいいんです。
—大きな目標というと?
KAHOH:スーパースターです! 私の音楽が身体の一部になってくれる人がたくさんできるまで、ずっと歌を歌っていたい。「KAHOHの曲は、みんな知ってるから流しておくか」くらいになりたいですね(笑)。
—スーパースターにもいろんな規模感がありますよね? 日本での大スターなのか、それともThe Beatlesやマイケル・ジャクソンのような存在なのか。
KAHOH:後者です!(笑) 目標は大きくなきゃ面白くないじゃないですか。行けるところまではどこまでも行きたいんです。The Beatlesやマイケル・ジャクソンなんて、ものすごい勢いで走らないとなれないじゃないですか。私、自分のことを追い込んでないとだめなんです。
—なぜそこまで行きたいと思うのでしょう?
KAHOH:せっかくこうやってスタートラインに立てたんだから、1番になりたくないですか? 誰かの二番煎じで終わるなんて絶対嫌なんです。やるなら絶対に1番がいい。
—野心をこれだけ言葉にできる勇気にも感服です。誰かの1番になって、その「誰か」をめちゃくちゃ増やしたい、ということですね。
KAHOH:そうそう! そういうこと!(笑) 流行りじゃなくて、いつまでも残る音楽をたくさん作りたい。どんなものも、残るものは本物ですから。
リリース情報

- KAHOH
『HERE WE ARE』 -
2019年2月6日(水)配信
プロフィール

- KAHOH(かほ)
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現役高校生R&Bシンガー。2001年生まれの17歳。地元和歌山で4歳からダンスを始め、中学生から本格的に歌うことに目覚める。2018年に開催されたオーディションで才能を見出され、MACOらが所属するSTARBASEとマネージメント契約をする。透明さと力強さを兼ね備えた歌声で、大阪など関西でライブを中心に勢力的に活動中。2019年、LINEの音楽レーベル「LINE RECORDS」からのデビューが決定。2月6日にデビュー曲「HERE WE ARE」を配信リリースする。