
里咲りさ、アイドル界の闇も突破してきた。栗原監督と歩みを聞く
マウスコンピューター- インタビュー・テキスト
- 黒田隆憲
- 撮影:豊島望 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
今年は「勝負の年」だと思っている。(里咲)
―栗原さんが手がけられたKANA-BOON“春を待って”のMVもそうでしたが、“深呼吸”もモーショングラフィックスが印象的ですよね。
栗原:そこは自分が得意としているところでもあって。今回はサビのところで全面的に歌詞を入れてみました。
文字の動き方にもちゃんと意味があって。たとえば「追い風」の「追」のしんにょう部分をくにゃくにゃっとさせて、風が吹いているようにしたり、「笑う」という文字は、それ自体が笑っているようなデザインにしたり。ほんの一瞬しか映らない文字なんですけど、そこを楽しんでもらえたらいいなと。
あと、サビの最後で里咲さんの顔の寄りがパーンって映るんですけど、そこも最初はモーショングラフィックスを入れる案があったんです。でも、あえて抜くことでコントラストを出したいなと思って。それもうまくいきましたね。
里咲:あれ、私めっちゃ好きです。
―色味は里咲さんのこだわりでもあったそうですが、すごく青が効いていますよね。
里咲:そうなんです。“深呼吸”は、私の3か月連続リリース第1弾シングルで、「ここからまた頑張っていく」という意味でも「新しい里咲りさ」を出していきたかったので、爽やかで、新しいエネルギーのある、パワフルな作品を目指したんですね。
それでジャケット撮影のときも、太陽光の青と白を強調してもらったので、MVもそれに寄せたくて。カメラはブラックマジックを使ったんですけど、独特の色味があって面白かったです。カラーグレーディング(色味調整)の作業も超楽しかった!
―色味にこだわるようになったきっかけってなにかあるんですか?
里咲:『深夜に発見!新shock感~一度おためしください~』(テレビ東京)という深夜番組に出させてもらったとき、「映画撮影の裏側を覗く」というコーナーがあったんですね。そこでカラーグレーディングの専門職があることを初めて知って。
同じRAWデータでも色味を変えることで、まったく印象が違ったんですよ。まるで事件が起きる前のような不穏な雰囲気にすることもできるし、とてもハッピーでキラキラとした印象にすることもできる。「色味ってすごい!」と思って、それからは人のMVも自分のMVも、色味やカメラ選びをすごく意識するようになりました。
―今回編集をする際、マウスコンピューター「DAIV」のノートパソコン「DAIV-NG5800U1-M2SH5」を使用したそうですが、里咲さんは事務所でもDAIVのデスクトップを使っているそうですね。
里咲:仕事柄、写真や動画のデータが大量に溜まっていくし、動作が遅いのはすごくストレスだから、カスタマイズのパソコンがいいなと思っていて。乃木坂46さんのマウスのCMもすごく好きだったので「マウスにしよう」と(笑)。サイトからの注文も簡単で、自分の仕事に合わせてカスタマイズしたので、めっちゃ使いやすいです。
―今回のMV制作において、DAIVのノートパソコンはどう役立ちましたか?
里咲:私、ノートよりデスクトップのほうが、スペックもいいと勝手に思い込んでいたんですけど、色味編集をするときにDAIVのノートを使ってみたら、デスクトップとなんら変わりなく使えました(笑)。本当に快適でしたね。
栗原:モーショングラフィックスを作る作業上、パソコンのスペックは普段から気にしていて。Adobe After Effectsというソフトで思いっきりアニメーションをかけて作業したりすると、全然プレビューができなくなってしまうパソコンが多いんですよ。そこをDAIVのノートはちゃんと耐えて動いてくれたので、すごく快適でした。かなりサクサク作業ができてありがたかったです。
―栗原さんは今回、里咲さんと一緒に仕事をしてみてどんなところに魅力を感じましたか?
栗原:とにかく、クリエーションに関してとても熱い方だなという印象を最初からずっと持っていました。ディレクターとしては、一人で考えることなく一緒に意見をぶつけ合いながら作業ができたので、とても刺激的で楽しかったです。
―クリエイターとしても、シンガーソングライターとしても活躍する里咲さん。今後はどんな展望をお持ちですか?
里咲:今年は「里咲りさ」での活動5周年という節目でもあり、音楽活動という意味では「勝負の年」だと思っているので頑張ります。これからも大きなこと、面白いことをたくさんやって、みなさんを驚かせたいです。
“深呼吸”ミュージックビデオのメイキング映像
商品情報

- ノートPC
「DAIV-NG5800U1-M2SH5」 -
狭額縁による大画面液晶。高負荷作業も可能な持ち運べるクリエイティブ環境。
サイト情報

- 「CREATOR'S VOICE」
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里咲りささんの作品制作にかける思いを伺ったインタビューと、ミュージックビデオの制作過程を撮影したメイキングムービーをお届け。
プロフィール

- 里咲りさ(さとさき りさ)
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1992年9月25日生まれ、群馬県出身のシンガーソングライター。HAWHA MUSIC RECORDSの社長も務める。2014年アイドルグループ「少女閣下のインターナショナル」を旗揚げし運営兼メンバーとして活動。グループ活動休止後はソロ活動に専念し、すべて手焼きでリリースした初のミニアルバムが累計3000枚のセールスを記録し、CD-Rとしては異例のオリコンランクイン。2017年、Zepp DiverCity TOKYO公演を成功させる。2019年4月には三作品連続リリースの第一弾として『深呼吸』を発売。
- 栗原航平(くりはら こうへい)
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1996年生まれ。首都大学東京インダストリアルアート学科卒業。映像ディレクター、モーショングラフィックデザイナー。大学入学と同時期にモーショングラフィックス / モーションデザインを独学し、映像制作を始める。『コエ オーディション』最終選考にて、KANA-BOON“春を待って”のミュージックビデオを手がける。