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Maison book girlがボロボロになるまで歌う。4人が個性を得るまで

Maison book girlがボロボロになるまで歌う。4人が個性を得るまで

Maison book girl『umbla』
インタビュー・テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:Kay N

「初めて、私たち自身が主人公の歌になった」。前作シングル『SOUP』のタイミングでインタビューした際の、彼女たちの言葉だ。影を顔に落とし、歌と顔の表情を消すことで無機質な世界に融けていくようだったMaison book girlの表現が、暗く狭い部屋を抜け出して外へと開かれていく様子が克明に刻まれた『SOUP』。ブクガにおける大きな分岐点となったシングルのツアーでは、原点である『bath room』の楽曲を改めて披露し、最新曲へと至るブクガストーリーを総ざらいするライブを披露したという。その中で彼女たち自身が実感した「ブクガの変わらない部分」と「これから」について語ってもらったのが、最新シングル『umbla』にまつわる下記のテキストだ。

ギターのタッチがじんわりと残る音作り。温かみを増したビート。上記した無機質さから離れて生感と近さを感じさせるトラックの上で、4人それぞれのセクションがはっきりと分けられた歌の構成――以前と比べて、4人のパーソナリティが聴き手に対して近い感覚をもたらす最新曲を通して、改めてブクガとは何を歌い、何を伝える存在なのかを訊いた。

たとえ歓声が起きなくても、お客さんに届いている実感を掴めるようになってきたんです。(和田)

―前回のシングル『SOUP』の取材の時に、「初めて、自分たちが主人公の歌になった」という話をしていただいて。自分たちのパーソナリティをより色濃く表現するフェーズに入った作品をリリースして、その作品を持ってツアーを回る中で、どういうことを実感できましたか。

コショージ:『SOUP』のリリースツアーのファイナルとして、人見記念講堂でワンマンライブ(『Solitude HOTEL 7F』)をやったんですね。そのライブの後、自分でもわからないくらいボロボロになって、立てなくなっちゃったんですよ。でも、見ていただいた方からは「よかった」と言っていただくことが多くて。それが自信になりましたね。

奥から手前:井上唯、矢川葵、和田輪、コショージメグミ<br>Maison book girl(めぞん ぶっく がーる)<br>通称「ブクガ」。矢川葵、井上唯、和田輪、コショージメグミによるポップユニット。音楽家サクライケンタが楽曲から世界観の構築までを手がける。2016年11月にメジャーデビュー、2018年11月には2ndフルアルバム『yume』をリリースし、『Solitude HOTEL 6F hiru / yoru /yume』と冠したワンマンライブ3公演を行った。シングル『SOUP』のリリースツアーでは、2019年4月14日に昭和女子大学・人見記念講堂でのワンマン公演『Solitude HOTEL 7F』を開催した。その後はライブハウスツアーを展開し、7月31日にシングル『umbla』をリリースする。
奥から手前:井上唯、矢川葵、和田輪、コショージメグミ
Maison book girl(めぞん ぶっく がーる)
通称「ブクガ」。矢川葵、井上唯、和田輪、コショージメグミによるポップユニット。音楽家サクライケンタが楽曲から世界観の構築までを手がける。2016年11月にメジャーデビュー、2018年11月には2ndフルアルバム『yume』をリリースし、『Solitude HOTEL 6F hiru / yoru /yume』と冠したワンマンライブ3公演を行った。シングル『SOUP』のリリースツアーでは、2019年4月14日に昭和女子大学・人見記念講堂でのワンマン公演『Solitude HOTEL 7F』を開催した。その後はライブハウスツアーを展開し、7月31日にシングル『umbla』をリリースする。

―ボロボロになったというのは、全部を出し切ったという感覚ですか。

コショージ:そう、全部を出し切っちゃったんだなって。そんなこと今までになかったんですよ。ライブの構成として、『bath room』(1stアルバム / 2015年)の曲と新しい曲たちを半々で披露するコンセプトで回ったのが『SOUP』のツアーだったんですね。そのアンコールで“長い夜が明けて”をやった時に、盛り上がるのとは逆の反応――まさにシーンとした空気になって。それがすごくいいライブだったと思えるんですね。

初期の楽曲にはお客さんと一緒に掛け声で盛り上がるものもあって、そうして近い距離のライブも、真逆の静かな顔を見せる瞬間も、両方あった。そのコントラストを自分たち自身で感じられたのもすごくよかったんです。

Maison book girl『bath room』を聴く(Apple Musicはこちら

―改めて1stアルバムの曲を交えたライブツアーをやろうと思ったのは、なぜだったんですか。

コショージ:前回「私たちが主人公になった」と話した通り、『SOUP』はMaison book girl(以下、ブクガ)が閉じた世界から新しいところへ抜け出していくような作品だったと思うんです。そういうタイミングだったからこそ、一番新しい曲と一番初期の曲を両方表現することで、相対性やこれまでの物語をまとめて見せたかったんです。

和田:それに、『yume』(2018年)辺りから着席形式のワンマンを多くやってきて、お客さんの盛り上がりに頼らない自分たちなりの熱量の込め方がわかってきたところも大きいと思うんですよね。昔の曲も今の曲も、より熱量高く見せられるようになったというか。

コショージ:確かにそうだよね。

和田:その場で歓声が起きなくても、届いている実感を掴めるようになってきて。逆に、お客さんに黙られたほうが、自分たちの「圧」が伝わってるっていうことなのかなと思うようになりました。

2019年4月14日・人見記念講堂でのライブ

奥から手前:井上唯、矢川葵、和田輪、コショージメグミ

―静寂の中に熱量があるっていうのは、ブクガならではの特殊な状況ですよね。今だからこそ昔の曲も聴いてほしかったとおっしゃいましたが、『SOUP』までは、自分の世界に閉じこもりながら外を眺めている人の物語を歌う曲が多かった。そこから“鯨工場”のように、自分たち自身が外に出て行こうという歌を歌ってみて、昔の曲もより一層熱量高く表現できるようになったとか、そういう意識もあったんですか。

コショージ:それはありましたね。“鯨工場”や“長い夜が明けて”を経たことで、歌そのものにより一層集中できるようになったと思います。それは本当に曲の力としか言えないんですけど、『yume』の時期くらいから、歌に感情を込めてフリも自由でいいっていう曲が増えてきたんですよ。

コショージ:その次に“長い夜が明けて”ができたことで、よく言う昔からのブクガのイメージ――無機質さとは違う表現になってきた実感があって。さっき「お客さんに届いている実感が出てきた」と言ってましたけど、どんどん、歌っている時に周りのことが見えなくなってきたんですよ。その結果として、届いてるんだって思えるというか。

コショージメグミ
コショージメグミ
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リリース情報

Maison book girl『umbla』初回限定盤
Maison book girl
『umbla』初回限定盤(CD+Blu-ray)

2019年7月31日(水)発売
価格:4,200円(税込)
PCCA-4806

1. 闇色の朝
2. シルエット
3. 告白
4. 闇色の朝(Instrumental)
5. シルエット(Instrumental)
6. 告白(Instrumental)

Blu-ray収録内容:
2019年4月14日
『Solitude HOTEL 7F』@昭和女子大学・人見記念講堂
全編収録

Maison book girl
『umbla』通常盤(CD)

2019年7月31日(水)発売
価格:1,300円(税込)
PCCA-4807

1. 闇色の朝
2. シルエット
3. 告白
4. 闇色の朝(Instrumental)
5. シルエット(Instrumental)
6. 告白(Instrumental)

プロフィール

Maison book girl(めぞん ぶっく がーる)

通称「ブクガ」。矢川葵、井上唯、和田輪、コショージメグミによるポップユニット。音楽家サクライケンタが楽曲から世界観の構築までを手がける。2016年11月にメジャーデビュー、2018年11月には2ndフルアルバム『yume』をリリースし、『Solitude HOTEL 6F hiru / yoru /yume』と冠したワンマンライブ3公演を行った。シングル『SOUP』のリリースツアーでは、2019年4月14日に昭和女子大学・人見記念講堂でのワンマン公演『Solitude HOTEL 7F』を開催した。その後はライブハウスツアーを展開し、7月31日にシングル『umbla』をリリースする。

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