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チーム・東郷清丸からの「Q」 お金、働き方、芸術と社会について

チーム・東郷清丸からの「Q」 お金、働き方、芸術と社会について

東郷清丸『超ドQ』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:今井駿介 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

グラフィックデザインと活版印刷を軸とする「Allright」で印刷職人として働きながら、会社内に音楽レーベル「Allright Music」を立ち上げ、ミュージシャンとしても活動する東郷清丸。

彼のクリエイティブをチームとして支えているのが、「Allright Graphics」のアートディレクター / グラフィックデザイナーの高田唯と、フォトグラファーの後藤洋平だ。最新作『Q曲』のリリースツアーと並行して開催されているビジュアル&テキスト展『Q展』では、制作時の3人のLINEのやりとりがそのまま展示されており、「実は、東郷清丸は一人ではない」という本人談を裏付ける内容となっている。

「ダイナミックに変わっていく世界で、小さな変化に気付き、見えているものから、見えない情報をキャッチし、実験的手法で、問いを含みながら表現していくこと」。「Allright」のウェブサイトに記載されているこの一文は、そのまま3人の想いを表していると言えよう。10月5日に渋谷WWWで行われるツアーファイナルのチケット代金が、インディーズのアーティストとしては高額に感じられる5,000円に設定されているのも、彼らならではの問いかけだ。風通しのいい社会と芸術のあり方をめぐって、3人に語り合ってもらった。

もっと好きなようにやれる世の中になってほしいし、だからこそ清丸には今後も音楽を続けてほしいんです。(高田)

左から:高田唯、東郷清丸、後藤洋平
左から:高田唯、東郷清丸、後藤洋平

―高田さんはこれまでの東郷さんの活動について、どのように見ていますか?

高田:最初は、一緒に音楽をやるなんて全く想像してなかったです。でも、清丸が「レーベルを作りたい」と提案してくれたことはめちゃくちゃ嬉しかったですね。ちょうどスタッフそれぞれが活躍できる環境を作りたいと考えはじめていたタイミングで、音楽のフィールドなら自分のデザインという能力も活かせると思いましたし、一緒に楽しませてもらっています。

高田唯(たかだ ゆい)<br>グラフィックデザイナー、アートディレクター。株式会社Allright代表。1980年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。good design companyを経て、2006年Allright Graphics設立。2007年Allright Printing設立。2017年Allright Music設立。東京造形大学准教授。
高田唯(たかだ ゆい)
グラフィックデザイナー、アートディレクター。株式会社Allright代表。1980年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。good design companyを経て、2006年Allright Graphics設立。2007年Allright Printing設立。2017年Allright Music設立。東京造形大学准教授。(過去記事:高田唯に訊く。ズレや違和感も受け止める度量の広いデザイン世界

―一般的に考えれば、印刷とデザインの会社のなかで音楽レーベルを立ち上げるのは不思議な感じがしますが、高田さんは「発明だね」と、最初から前向きだったそうですね。

高田:「デザイン会社ってこういうもの」って、なんとなく業界的にあるんですけど、もっといろんなスタイルがあっていいと思うんです。活版印刷をやってもいいし、ミュージシャンがいてもいい。もっと好きなようにやれる世の中になってほしいし、だから清丸には今後も音楽を続けてほしいんです。新しい人が入ってきたら、また形を変えてもいいと思っています。

―新しく入ってきた人の特技を活かして、また新たな部門を立ち上げるかもしれないと。

高田:実際ちょっと前にコーヒーがすごく好きなデザイナーが入ってきて、いつも淹れてもらってて。もしかしたら、そこから話が膨らんで次はコーヒー屋をやるかもしれない(笑)。

東郷:「1杯飲んだらいくら」って決めて、それで貯まったお金で新しいミルを買ったりして。出社前にコーヒー屋さんによって豆を買ってきたり、楽しそうですよ。

東郷清丸(とうごう きよまる)<br>1991年、横浜生まれ。童謡からポップス / ロック / ブラックミュージック / ラップなどの音楽のみに留まらず、人の会話や虫の鳴き声や車のエンジンや換気扇の回る音にいたるまで、耳に入るもの全てに感銘を受けながら音楽表現に取り組むソングライター。2019年5月29日、2ndアルバム『Q曲』をリリース。同年10月5日、渋谷WWWにて『超ドQ』ツアーファイナルを開催する。
東郷清丸(とうごう きよまる)
1991年、横浜生まれ。童謡からポップス / ロック / ブラックミュージック / ラップなどの音楽のみに留まらず、人の会話や虫の鳴き声や車のエンジンや換気扇の回る音にいたるまで、耳に入るもの全てに感銘を受けながら音楽表現に取り組むソングライター。2019年5月29日、2ndアルバム『Q曲』をリリース。同年10月5日、渋谷WWWにて『超ドQ』ツアーファイナルを開催する。(過去記事:東郷清丸のもの作り精神。型にはまらず、子どものように自由に

―後藤さんはもともとAllrightでグラフィックデザイナーとして働いていて、現在はフリーのカメラマンをやられていますが、その転身はどういった経緯だったのでしょうか?

後藤:デザインをやる前に大学では写真を勉強していたんです。デザインは写真を活かすために勉強しはじめたんですけど、デザインのほうが面白くなってきちゃって。でもそれでAllrightに入ったら、デザインじゃ全然通用しなくて……トラウマです(笑)。

高田:ほんとデザイン下手だったよね(笑)。

後藤:Allrightとは一緒に仕事をしたかったから、であればデザインより写真のほうがいいと思ったんです。パラメータの尖がった部分を活かしたほうがいいと思って、それは自分の場合は写真だった。結果的に、カメラマンでありながらデザイナーの気持ちもわかるし、それをありがたがってもらえてもいるので、よかったなって思っています。

後藤洋平(ごとう ようへい)<br>後藤洋平 1986年京都府生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、株式会社Allrightを経てフォトグラファーとして活動を始める。現在gtPとして写真(Photo)題字(Poetic)プロデュース(Produce)などを行う。
後藤洋平(ごとう ようへい)
後藤洋平 1986年京都府生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、株式会社Allrightを経てフォトグラファーとして活動を始める。現在gtPとして写真(Photo)題字(Poetic)プロデュース(Produce)などを行う。
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イベント情報

東郷清丸
『超ドQ』

2019年8月23日(金)
会場:大阪府 NOON

2019年9月14日(土)
会場:愛知県 名古屋 Live & Lounge Vio

2019年9月15日(日)
会場:京都府 京都 METRO

2019年10月5日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW

客演:
河合宏知(Dr)
厚海義朗(Ba)
角銅真実(Perc,Cho)
mei ehara(Vo)
KUDO AIKO(お囃子,Cho)
谷口雄(Key)
あだち麗三郎(Sax,Perc)
三浦千明(Tp)
池田若菜(Fl)
吉田悠樹(二胡)
葛西敏彦(PA)
※渋谷 WWW公演のみ

リリース情報

東郷清丸
『Q曲』(CD)

2019年5月29日(水)発売
価格:2,700円(税込)
ALRM-006

1. 201Q
2. 龍子てんつく
3. アノ世ノ
4. L&V
5. 秋ちゃん
6. シャトー
7. Nepenthes
8. YAKE party No Dance
9. 多摩・リバーサイド・多摩

プロフィール

東郷清丸(とうごう きよまる)

1991年、横浜生まれ。童謡からポップス / ロック / ブラックミュージック / ラップなどの音楽のみに留まらず、人の会話や虫の鳴き声や車のエンジンや換気扇の回る音にいたるまで、耳に入るもの全てに感銘を受けながら音楽表現に取り組むソングライター。2019年5月29日、2ndアルバム『Q曲』をリリース。同年10月5日、渋谷WWWにて『超ドQ』ツアーファイナルを開催する。

高田唯(たかだ ゆい)

グラフィックデザイナー、アートディレクター。株式会社Allright代表。1980年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。good design companyを経て、2006年Allright Graphics設立。2007年Allright Printing設立。2017年Allright Music設立。東京造形大学准教授。

後藤洋平(ごとう ようへい)

1986年京都府生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、株式会社Allrightを経てフォトグラファーとして活動を始める。
現在gtPとして写真(Photo)題字(Poetic)プロデュース(Produce)などを行う。

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