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COUNTRY YARDが貫く孤高。少年期の願いをメロディに託す

COUNTRY YARDが貫く孤高。少年期の願いをメロディに託す

COUNTRY YARD『Greatest Not Hits』
インタビュー・テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:ヤマダマサヒロ
2019/10/18

言い切るが、本当の意味で唯一無二のバンドである。

2008年に結成されたCOUNTRY YARDの音楽は、パンクロックをベースにしながらも、同時に、その定型を突き破る要素にも溢れている。1990年代のムーブメントから脈々と連なってきた日本のメロディックパンクの系譜が右肩下がりだった2008年当時の状況下で、オルタナティブロックやブルース、当時の海外インディーロックの音響面における実験性を飲み込み、アート性すら感じる楽曲を聴かせることで日本のパンクのフォーマットを更新し続けてきた。そんな彼らが10月16日にリリースしたのが、ベストアルバム『Greatest Not Hits』だ。

一見、自嘲が過ぎるタイトルである。しかしヒットがなくとも、上記した音楽を貫くことで、シーンの一端に属すこともなく、誰かの作ったブームに乗っかることもなく、ただ孤高のまま歩み続けた歴史への誇りを掲げたタイトルでもある。Sitが放つメロディ、それをさらに彩り豊かなものへ昇華するリズムアレンジ。他に一切見当たらないソングライティングを持って、PIZZA OF DEATHへの移籍を果たし、パンクバンドとして新たなステップを踏む瞬間。その道のりを振り返りながら、徹底的にその音楽の核心を掘った。

「みんなが好きなもの」を好きになれなかった4人が集まったバンドだから。(Sit)

―『Greatest Not Hits』という、聞いたことのないタイトルが付いている作品がリリースされるんですが。

Sit(Vo,Ba):ははははは。そうっすね。

―とはいえ、ライブの中軸を担ってきた楽曲をコンパイルした上に新曲2つという、まさにベストな内容なんですが。10周年を経たこのタイミングでベストアルバムを作ったのは、どういう気持ちからだったんですか。

Sit:去年がバンド10周年だったので、『10 Years Made Our Now』っていうアニバーサリーのワンマンツアーをやってたんですよ。それも自分たちとしてはベスト盤と同じような気持ちでやってたんですけど、今回からタッグを組むPIZZA OF DEATHのほうから「ベストアルバムはどう?」って提案してくれたんですね。俺たちも面白いと思って、提案に乗ってみたっていう感じですね。

COUNTRY YARD(かんとりー やーど)<br>左から:Hayato Mochizuki(Gt,Cho)、Keisaku “Sit” Matsu-ura(Ba,Vo)、Yu-ki Miyamoto(Gt,Cho)、Shunichi Asanuma(Dr)。2008年に東京にて結成。バンド名をThe Vinesの“Country Yard” から引用している通り、インディロック、オルタナティブロックからも強く影響を受けた音楽性を拡張し続けている。ここまでに3枚のフルアルバム、2枚のミニアルバムをリリースし、2019年10月にはPIZZA OF DEATH RECORDS移籍第一弾となる『Greatest Not Hits』をリリース。
COUNTRY YARD(かんとりー やーど)
左から:Hayato Mochizuki(Gt,Cho)、Keisaku “Sit” Matsu-ura(Ba,Vo)、Yu-ki Miyamoto(Gt,Cho)、Shunichi Asanuma(Dr)。2008年に東京にて結成。バンド名をThe Vinesの“Country Yard” から引用している通り、インディロック、オルタナティブロックからも強く影響を受けた音楽性を拡張し続けている。ここまでに3枚のフルアルバム、2枚のミニアルバムをリリースし、2019年10月にはPIZZA OF DEATH RECORDS移籍第一弾となる『Greatest Not Hits』をリリース。

―こうしてベストアルバムを作ってみて、COUNTRY YARDはどんなバンドだと振り返れましたか。

Sit:そうだな……友達のバンドはもちろん多いけど、なんか島国みたいなバンドだと思いましたね。孤立って言ったらまた違うんだけど、一匹狼みたいな感じ(笑)。

―その一匹狼感は、音楽的なポイントが大きいんですか。

Sit:そうっすね、いわゆるジャンル的なものでも一匹狼っぽいし、同時に、メンバーそれぞれキャラもアクも強いから。バンドとして放ってるもの自体が一匹狼っぽいな、と(笑)。

Miyamoto(Gt,Cho):そうだね。音楽的には「メロディックパンク」って言われることが多いけど、それとも違う独特なものがあるんだなって改めて思えたよね。

―まさにCOUNTRY YARDというバンドの音楽には、日本的なメロディックパンクとは違う要素のほうがむしろ多いですよね。今おっしゃった独特さって、ご自身で言葉にするとどういうものだと思うんですか。

Miyamoto:うーん……やっぱりSitの作る曲、メロディだと思いますね。それに、俺らって4人とも好きな音楽が本当に違うんですよ。不思議なくらい、好きなものの円が重ならない(笑)。それぞれから全然違うものが出てくる中で、Sitのメロディがまとめてくれてる感覚が強いんです。その混ざり方が独特さになってるのかなあ。

Sit:そうかもしれないね。今の4人の中で最初から一緒にやってるのはHayatoだけど、「メロディックパンクやろうぜ」なんて最初から言ってないんですよ。もっと漠然としてたし。巷の人は「新世代のメロディックハードコアだ」とか言ったりしてたけど、俺らにとってはそうじゃなかったんですよ。いわゆるメロディックパンクのバンドって、全員が「Hi-STANDARD大好きです!」「NOFXが好きです!」みたいな共通項があって結成してることが多いと思うけど、むしろそれとは逆で、みんなが好きなものを好きになれなかったメンバーが集ったバンドだと思ってて。

Keisaku “Sit” Matsu-ura(Vo,Ba)
Keisaku “Sit” Matsu-ura(Vo,Ba)
COUNTRY YARD『Greatest Not Hits』を聴く(Apple Musicはこちら

―セオリーとはどうしても違うものになるっていう。

Miyamoto:そうそう。日本自体がセオリーに従うことを美徳とするような考え方が根強いじゃないですか。ルールとか刷り込みばっかりを大事にして、はみ出した人をすぐ叩く、みたいな。それは今さらに強まってる感じがするけど、俺たちの場合は、はみ出すことを目的にしてるつもりもないし、それが特別なことだって言うつもりもなくて。自然と、「いわゆる」みたいなところからはみ出ちゃってるだけ(笑)。

―先ほどおっしゃったように、確かにパンクロックを鳴らされてはいるけど、この国でメロディックパンクと呼ばれてきた音楽とはまったく違うミクスチャー性を持っていると思うんです。日本でのメロディックパンクというと、どうしても「メロコア」と呼ばれて、1990年代にハイスタが作った音楽に帰結していくことが多かったと思うんですよ。それとは違って、パンクロックをベースに、オルタナティブロック、2000年代のインディーロック、ブルースが溶け合ったものを鳴らされていると思って。

Sit:確かに、そうですね。

Hayato(Gt,Cho):このバンドを始めた最初の頃からそうかもね。初めてSitが曲を持ってきた時点で、音楽ジャンルとしてのパンクロックっぽさってほぼなかったんですよ。2ビートで、Aメロはミュートでズクズクいく、みたいなところも一切なかったから。

COUNTRY YARD『Modern Sounds』を聴く(Apple Musicはこちら

Asanuma(Dr):僕は途中加入だからサポートを含めて2年しかCOUNTRY YARDにいないですけど、初めて見た時から独特さは感じてきて。いい意味でどこにも属してないっていう感じが伝わってきてたんですよね。パンクロックの要素はもちろん色濃いんだけど、なんか全然違うっていうか。

Shunichi Asanuma(Dr)
Shunichi Asanuma(Dr)

―「独特」という言葉が何度も出てきますけど、そういうメロディとアレンジを生み出すSitさんのソングライティングは、どういうところから生まれてきてるんだと思います?

Sit:うーん……まずメロディに関して言うと、明らかに自分の少年時代からきてると思うんですよね。

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リリース情報

『Greatest Not Hits』
COUNTRY YARD
『Greatest Not Hits』

2019年10月16日(水)発売
価格:2,200円(税込)
PZCA-87

1.Don’t Worry, We Can Recover
2.I’ll Be With You
3.Far Flower
4.Turn Up The Sun
5.Seven Years Made My Now
6.Starry Night
7.Quark
8.I’m Alright, You’re Alright
9.In Your Room
10.Alternative Hearts
11.Bed
12.Orb
13.Beforre I Crack
14.Smiles For Miles

イベント情報

『GREATEST NOT VACATION TOUR』

10月20日(日)
会場:福岡県 天神graf

10月22日(火)
会場:大阪府 心斎橋Pangea

10月23日(水)
会場:愛知県 名古屋APOLLO BASE

11月4日(月・祝)
会場:宮城県 仙台enn2nd

11月10日(日)
会場:東京都 新代田FEVER

プロフィール

COUNTRY YARD
COUNTRY YARD(かんとりー やーど)

2008年に東京にて結成。バンド名をThe Vinesの“Country Yard” から引用している通り、インディロック、オルタナティブロックからも強く影響を受けた音楽性を拡張し続けている。ここまでに3枚のフルアルバム、2枚のミニアルバムをリリースし、2019年10月にはPIZZA OF DEATH RECORDS移籍第一弾となる『Greatest Not Hits』をリリース。

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