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夏目知幸と王舟の朋友対談。お膳立てで、バンドに吹いた新しい風

夏目知幸と王舟の朋友対談。お膳立てで、バンドに吹いた新しい風

シャムキャッツ『はなたば』
インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:寺沢美遊 編集:川浦慧、山元翔一(CINRA.NET編集部)

王舟とシャムキャッツ夏目知幸のフレンドシップから、またしても素晴らしい成果が生まれた。それがシャムキャッツの新作『はなたば』。この5曲入りEPの制作に、王舟はなんと共同プロデューサーとして参加。夏目がアドバイザーとして携わった王舟の3rdアルバム『Big fish』のリリースから、約半年。夏目は当時の対談で「ここからアドバイスの波を作れたらいいよね」と語っていたが、その「アドバイスの波」を自ら発展させたのが今作『はなたば』というわけだ。

それにしても、今年のシャムキャッツはめちゃくちゃ活発だ。アルバム『Virgin Graffiti』を提げたツアーに始まり、デビュー作『はしけ』のアナログ化と再現ライブ、そして通算3回目となる中国ツアーを敢行。さらに自主レーベル「TETRA RECORDS」からHi, how are you?の新作を発表するなど、とにかく年間をとおして大忙し。しかも、この年末には新木場スタジオコーストでのワンマン公演という大舞台まで控えてる。そんなタイミングで、彼らは新作まで作ってしまったのだ。ファンとしては最高に嬉しいけど、さすがに働きすぎやしないかと、ちょっと心配にもなる。

ところがどっこい。夏目はあっけらかんと筆者にこう告げるのだ。「今回は自分で曲を作ったっていう意識があんまりないんだよね。遊んでるうちにできてたって感じ」。そして、そんな夏目の隣で飄々と「まあ、ある意味プロデューサーがやるのってそういうことだよね」と語る王舟。一体この両者はどんな共同作業を行ったんだろう? というわけで、夏目と王舟のフレンドシップ対談、第二弾のはじまりはじまり~。

日頃よく一緒に飲むなかで、俺と王舟は良し悪しのジャッジが似てるなっていう感覚があったんです。(夏目)

―半年前の対談でも言ってましたよね。「次の作品は王舟にアドバイザーとして入ってもらおうと思ってる」って。

2019年5月に公開した、王舟と夏目知幸の対談記事「王舟と夏目知幸のフレンドシップ。アドバイスで心の花を咲かせ合う」撮影:垂水佳菜
2019年5月に公開した、王舟と夏目知幸の対談記事
「王舟と夏目知幸のフレンドシップ。アドバイスで心の花を咲かせ合う」(記事を読む
撮影:垂水佳菜

夏目:うん。でも、あのときはまだ「もしかしたらやってもらうかも」くらいの感じだったんじゃないかな。まだ世間話レベルだった気がする。

―結果的にはアドバイザーからさらに踏み込んで、プロデューサーとして携わってもらうことになったと。

夏目:プロデューサーはずっと探してたんですよ。というか、僕は『Friends Again』(2017年)と『Virgin Grafiti』(2018年)のときもプロデューサーがほしいと思ってたんですけど、メンバーがあまり首を縦に振らなかったのもあって、そのアイデアはしばらく止まってたんです。

―夏目くんがプロデューサーを求めていた主な理由はなんだったんですか?

夏目:やっぱり第三者的な視点があったほうが、プレイヤーとしてもっと自由になれるような気がしたんです。とりあえず俺が今やりたいものをバンドに持ち込んだら、あとはみんなと遊んでるなかで誰かがそれをまとめていく。それがいちばん楽っていうか、多分そういうやり方のほうが、自分の良さも、バンドの良さも出るんじゃないかなーと思ったんです。で、そうなると王舟は最適だな、と。

夏目知幸(なつめ ともゆき)<br>シャムキャッツのボーカル、ギター。2009年デビュー。2019年11月6日、EP『はなたば』を発売した。
夏目知幸(なつめ ともゆき)
シャムキャッツのボーカル、ギター。2009年デビュー。2019年11月6日、EP『はなたば』を発売した。

―というのは? 王舟さんが最適だと感じたポイントを、もう少し具体的に教えてほしいです。

夏目:その理由はすごくシンプルで、日頃よく一緒に飲むなかで、俺と王舟は良し悪しのジャッジが似てるなっていう感覚があったんです。それこそ『Big fish』(2019年)がそうなんだけど、王舟の音色の判断は俺からするとすごく正しいというか、どれも良いチョイスなので、これなら委ねられるなって。

要はとりあえず素材だけを投げてみて、王舟から「この曲、こうしたらどう?」みたいなリアクションがあったらなにか付け足すっていう感じでいきたいなと。だから、今回は自分で曲を作ったっていう意識があんまりないんだよね。遊んでるうちにできてたって感じ。努力はなにもしてないです(笑)。

―そこまで言えるんだ?

夏目:うん。だって俺、今回は苦しいことなにもなかったもん。生みの苦しみゼロ。

王舟:夏目くんは今回、歌詞とかメロディーをレコーディングのギリギリで仕上げてきたんですよ。でも、その感じが俺もやりやすかった。

左から:夏目知幸、王舟
左から:夏目知幸、王舟

―曲の提出がギリギリだと、プロデューサーとしてはむしろ大変じゃないんですか?

王舟:それはまあ、どうしようもないことなんで(笑)。どうやら曲が書けないってわけでもなさそうだし、むしろ気楽にやってもらえてる感じが良かったなと。俺も「あの曲どうなってんの?」とかはあえて言わないようにしてたし、ギリギリだろうとなんだろうと、最終的に上がってくるものがよかったから、俺はもうそれでOKなんです。

シャムキャッツ『はなたば』を聴く(Apple Musicはこちら

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リリース情報

シャムキャッツ『はなたば』
シャムキャッツ
『はなたば』(CD+DVD)

2019年11月6日(水)発売
価格:2,420円(税込)
TETRA-1018

[CD]
1. おくまんこうねん
2. Catcher
3. かわいいコックさん
4. はなたば ~セールスマンの失恋~
5. 我来了

[DVD]
『バンドの毎日4』

シャムキャッツ『はなたば』
シャムキャッツ
『はなたば』(LP)

2019年11月20日(水)発売
価格:2,750円(税込)
TETRA-1019

1. おくまんこうねん
2. Catcher
3. かわいいコックさん
4. はなたば ~セールスマンの失恋~
5. 我来了

王舟『Big fish』
王舟
『Big fish』(CD)

2019年5月22日(水)発売
価格:2,750円(税込)
PECF-1171

1. Sonny
2. Lucky
3. 0418
4. Muzhhik
5. Tamurou
6. Come Come
7. Kamiariana
8. Rock'n River
9. Greenish
10. Higher Night
11. Family Museum

イベント情報

シャムキャッツ デビュー10周年記念全国ツアー

2019年11月22日(金)
会場:福岡県 福岡BEAT STATION

2019年11月30日(土)
会場:北海道 札幌KRAPS HALL

2019年12月5日(木)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2019年12月6日(金)
会場:大阪府 umeda TRAD

シャムキャッツ デビュー10周年記念公演
『Live at Studio Coast』

2019年12月13日(金)
会場:東京都 新木場STUIO COAST

プロフィール

シャムキャッツ
シャムキャッツ

メンバー全員が高校三年生時に浦安にて結成。2009年のデビュー以降、常に挑戦的に音楽性を変えながらも、あくまで日本語によるオルタナティブロックの探求とインディペンデントなバンド運営を主軸において活動してきたギターポップバンド。サウンドはリアルでグルーヴィー。ブルーなメロディと日常を切り取った詞世界が特徴。2016年からは3年在籍したP-VINEを離れて自主レーベルTETRA RECORDSを設立。より積極的なリリースとアジア圏に及ぶツアーを敢行、活動の場を広げる。代表作にアルバム『AFTER HOURS』『Friends Again』『Virgin Graffiti』、EP『TAKE CARE』『君の町にも雨は降るのかい?』など。2018年、『FUJI ROCK FESTIVAL '18』に出演。そして2019年11月6日、新EP『はなたば』を発売した。

王舟
王舟(おうしゅう)

2014年7月、多くのゲストミュージシャンを迎えてバンド編成で制作したデビューアルバム「Wang」をfelicityからリリース。2015年11月、12インチ重量盤シングル「ディスコブラジル」をリリース。B面には nakayaan(ミツメ)によるリミックス収録。「ディスコブラジル」のミュージックビデオは、UK のアーティスト、KINDNESSことアダム・ベインブリッジが監督。2016年1月、たったひとり、宅録で制作した2ndアルバム「PICTURE」をリリース。2016年9月、MOCKYによるリミックスが収録された7インチシングル「Moebius」をリリース。2018年5月、BIOMAN(neco眠る)と共作でインストアルバム「Villa Tereze」をイタリアにて制作、NEWHERE MUSICからリリース。バンド編成やソロでのライブ活動のほか、CMへの楽曲提供、他アーティスト楽曲へのゲスト参加、プロデュースなどもおこなっている。

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