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赤い公園×『空挺ドラゴンズ』 勇敢で、真摯な作り手であるために

赤い公園×『空挺ドラゴンズ』 勇敢で、真摯な作り手であるために

赤い公園『絶対零度』
インタビュー・テキスト
三宅正一
編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

2020年1月よりフジテレビ「+Ultra」にて放送中(Netflixでは全話一挙配信)のアニメ『空挺ドラゴンズ』(2016年7月から『good!アフタヌーン』誌で連載中)。空を泳ぐ龍を狩って生活する「龍捕り(おろちとり)」たちの日常を描く本作は、群像劇であり、ファンタジーでもあり、またグルメ要素も併せ持っている。ひとつのジャンルに縛られない在り方、ダイナミックな戦闘シーンとセンシティブな心情描写をニュートラルに共存させる作品性は、とても豊潤と言える。

そして、本作のエンディングテーマ“絶対零度”を描き下ろしたのは赤い公園だ。ドラスティックに、めくるめく展開していくサウンドが『空挺ドラゴンズ』の世界とムードに寄り添い、楽曲そのものもバンドが音楽に寄せる気概を映し出すようで印象的だ。

CINRA.NETでは、赤い公園からほぼすべての楽曲を手がける津野米咲、『空挺ドラゴンズ』の原作者である桑原太矩、アニメ版の監督を務める吉平“Tady”直弘の鼎談を実施。アニメ初回放送日の翌日に行われた対話の内容は、作品の内容にとどまらず、三者にとって「真摯な表現とはなにか?」という部分にまで入り込んでいった。

赤い公園がアニメ『空挺ドラゴンズ』EDテーマに起用された理由――「この作品は個性の巣窟にしたかった」

―昨夜、『空挺ドラゴンズ』のアニメ版の初回が放送されましたが、オンエアをご覧になってどのような心境ですか?

吉平:桑原さんにとっては初のアニメ化で、僕も初の監督作品だから感慨深くて。僕自身、もういい年齢ではありますが、新人のような気持ちで初監督に取り組ませてもらうんだから、ステレオタイプではない、今までのアニメ作品がやってこなかったこと、やれなかったことを本気で取り組むことをコンセプトにしたいと思っていました。そういう提案をしたら脚本家の上江洲さん(上江洲誠)も賛同してくださって、桑原先生からも「ぜひ」と言ってくださったんですね。

―新しいチャレンジというと、具体的にはどういうことなのでしょうか?

吉平:山ほどあるんですけど、そもそもCGアニメ作品ではロボットやモンスター、クリーチャーが描かれることが多いんですね。あるいは殺伐したSFであったり。でも、今回は子どもも大人も楽しめる、誰しもが作品に興味を持てるような「ドラマ」を描きたかったんです。ドラマって、手作業で登場人物の表情を繊細に描く作画アニメのほうが表現上で圧倒的に優位性を持ってるんですね。実際の人間の演技では、特に日本人って大げさな表情の動きをするわけじゃないので。

さらに3Dアニメで表現する場合は、まるでそこに本物の人物がいるようにCGの立体を使って描くわけで、表情に極端すぎる変化があるとキャラクターが崩れてしまう。そういう不利なところも含めてジャパニメーション的な表現の常識を乗り越えて、CGアニメでより豊かで複雑な感情のドラマを描くことにトライするということが念頭にありました。

桑原:そういう挑戦的なビジョンが監督のなかに最初からあったんです。

―桑原先生もそのビジョンに共鳴したと。

桑原:そうです。監督も脚本の上江洲さんも、最初からすべての面においてチャレンジするっていうスタンスで、「こんな感じでどうですか?」じゃなくて、「ここまでやっちゃいましたけど、大丈夫ですか?」という感じの提案ばかりだったんです(笑)。僕としてもそっちのほうが楽しいし、そういうアニメにしてほしかったので嬉しかったですね。

吉平:そしたらキャッチボールがはじまって。桑原さんから「こういうのもいいんじゃないですか?」というアイデアが出てきて、上江洲さんのアイデアもそこに重なっていって。それを僕がまとめるという。

津野:すごくいいチームですね。

吉平:スタッフの個性を抽出することに着眼していたので、美術監督の方にも「一番好きな色で描いてください」とお手紙を書きまして。そしたら、実際にとんでもない色彩で描いてきてくれるわけですよ(笑)。

それを受け止めて、なおかつ作品のなかに当然あって然るべき色彩として取り扱っていくには「どうすればいいんだ!?」と考えて、その色を取り込んで。そういったふうに、この作品は個性の巣窟にしたかった。そんな作品のなかに、赤い公園さんにもエンディングテーマで参加してもらったんです。

―個性の巣窟って、いい言葉ですね。赤い公園も、まさにそういうバンドで。

津野:起用していただいたのはそういうことだったんですね。

赤い公園(あかいこうえん)<br>2010年1月結成。石野理子(Vo)、津野米咲(Gt)、藤本ひかり(Ba)、歌川菜穂(Dr)の4人組バンド。高校の軽音楽部で出会い、藤本、歌川、佐藤千明(前Vo)のバンドにサポートとして津野が加入。2017年8月に佐藤が脱退。ボーカリストを探す中、時を同じくして所属グループ「アイドルネッサンス」が解散した石野と運命的な出会いを果たし、即座に加入決定。2020年1月、新体制初シングル『絶対零度』をリリース。
赤い公園(あかいこうえん)
2010年1月結成。石野理子(Vo)、津野米咲(Gt)、藤本ひかり(Ba)、歌川菜穂(Dr)の4人組バンド。高校の軽音楽部で出会い、藤本、歌川、佐藤千明(前Vo)のバンドにサポートとして津野が加入。2017年8月に佐藤が脱退。ボーカリストを探す中、時を同じくして所属グループ「アイドルネッサンス」が解散した石野と運命的な出会いを果たし、即座に加入決定。2020年1月、新体制初シングル『絶対零度』をリリース。
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リリース情報

赤い公園『絶対零度』
赤い公園
『絶対零度』(CD)

2020年1月29日(水)発売
価格:1,200円(税込)
ESCL-5208

1. 絶対零度
2. sea
3. 絶対零度 (Instrumental)
4. sea (Instrumental)

赤い公園『絶対零度』期間生産限定盤
赤い公園
『絶対零度』期間生産限定盤(CD)

2020年1月29日(水)発売
価格:1,500円(税込)
ESCL-5209

1. 絶対零度
2. sea
3. 絶対零度 (TV Size Version)
4. 絶対零度 (Instrumental)
5. sea (Instrumental)

赤い公園
『THE PARK』

2020年4月15日(水)発売

作品情報

『空挺ドラゴンズ』
『空挺ドラゴンズ』

フジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24:55から放送中
Netflixにて日本先行全話一挙配信中
関西テレビ/東海テレビ/テレビ西日本/北海道文化放送/BSフジでも放送

原作:桑原太矩『空挺ドラゴンズ』
監督:吉平“Tady”直弘

イベント情報

『SHOKA TOUR 2020 “THE PARK”』

2020年5月8日(金)
会場:東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

2020年5月17日(日)
会場:静岡県 静岡UMBER

2020年5月24日(日)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1

2020年5月30日(土)
会場:長野県 松本Sound Hall a.C

2020年5月31日(日)
会場:新潟県 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE

2020年6月7日(日)
会場:広島県 広島SECOND CRUTCH

2020年6月14日(日)
会場:香川県 高松DIME

2020年6月20日(土)
会場:福岡県 福岡DRUM SON

2020年6月21日(日)
会場:鹿児島県 鹿児島SR HALL

2020年6月27日(土)
会場:北海道 札幌cube garden

2020年7月3日(金)
会場:大阪府 大阪umeda TRAD

2020年7月11日(土)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2020年7月18日(土)
会場:岩手県 盛岡club change wave

2020年7月19日(日)
会場:宮城県 仙台CLUB JUNK BOX

プロフィール

赤い公園
赤い公園(あかいこうえん)

2010年1月結成。石野理子(Vo)、津野米咲(Gt)、藤本ひかり(Ba)、歌川菜穂(Dr)の4人組バンド。高校の軽音楽部で出会い、藤本、歌川、佐藤千明(前Vo)のバンドにサポートとして津野が加入。東京・立川BABELを拠点に活動し、2012年2月にメジャーデビュー。ロックバンドとして高い演奏力を誇り、一度聞いたら忘れないキャッチーなメロディの融合が特徴である。2014年に2nd AL『猛烈リトミック』が『第56回 輝く!日本レコード大賞「優秀アルバム賞」』を受賞。2017年8月に佐藤が脱退。ボーカリストを探す中、時を同じくして所属グループ「アイドルネッサンス」が解散した石野と運命的な出会いを果たし、即座に加入決定。決め手はまっすぐな歌声だった。「ロックバンド」と「元アイドル」という異色が更なるスパイスとなり、本音をさらけ出して魂を鳴らす4人に乞うご期待。

桑原太矩(くわばら たく)

1985年5月20日生まれ。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業。2010年アフタヌーン四季賞にて『鷹の台フリークス』で佳作、2011年同賞にて『ミミクリ』で準入選を受賞。『とっかぶ』全4巻刊行中。2016年より雑誌『good!アフタヌーン』にて『空挺ドラゴンズ』を連載中。

吉平“Tady”直弘(よしひら たでぃ ただひろ)

1999年、ポリゴン・ピクチュアズに入社。CGアニメーションの編集、合成、フィニッシングを専門分野として数多くの作品に関わり高い評価を得る。2015年以降は編集の枠を超えて映像演出に専念。テレビシリーズ『シドニアの騎士 第九惑星戦役』では、副監督/演出として従事。その後は、劇場作品『BLAME!』(2017年)にて副監督/CGスーパーバイザー、劇場アニメ『GODZILLA』3部作(2017年~2018年)では、副監督を務めた。2020年、テレビシリーズ『空挺ドラゴンズ』にて監督デビューを果たす。

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