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ぜったくんの実生活 自室、ラブホのバイト、1時間で退職なども歌に

ぜったくんの実生活 自室、ラブホのバイト、1時間で退職なども歌に

ぜったくん『Bed TriP ep』
インタビュー・リードテキスト
入江陽
撮影:馬込将充 テキスト・編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

「ぜったくん」は、町田市出身の若きラッパー / トラックメーカー。楽しくチャーミングな肌触りの楽曲や、スッと懐に入ってくるやわらかい声色は、「近所のおニイちゃん」的な親しみやすさ満点。しかし初めて作った曲は、明治大学の学園祭テーマソングに選ばれ、2018年には今をときめくOfficial髭男dismやSEKAI NO OWARIを輩出してきたラストラム・ミュージックエンタテインメントが主催する新人オーディション『ニューカマー発見伝』で優勝するなど、輝かしい結果を出してきたオトコでもある。

そんな「ぜったくん」と私(ミュージシャン、入江陽)が初めて会ったのは昨年10月。彼の“爪”という楽曲に編曲・コーラスで参加することになったのだ。レコーディング作業中には、Netflixやゲームなど「自宅でできる楽しいこと」へのディープな愛を狂おしい目つきで語る彼を観測。さわやかで気遣いあふれる彼の中には、どうやらヘンテコなモンスターが潜んでいる気もしてきた。

3月4日には“爪”も収録された1st EP『Bed TriP ep』をリリースするとのことで、どんな部屋でどんなふうに暮らしているのか、自宅に押しかけて話を聞いてみた。

“爪 feat.入江陽”(作詞作曲:ぜったくん、編曲:入江陽)(Apple Musicはこちら

「……なんか、ラブホは自分の人生にまとわりついてきますね」

―今日は自宅で取材させていただきますが、ぜったさんの生まれもここ、町田なんですよね?

ぜったくん:生まれも育ちも町田です。

ぜったくん。普段寝ている二段ベッド<br>東京町田産まれ。ごく普通にSMAPを聞き、ゲームをしながら幼少期を過ごす。作詞作曲を手がけるバンド「201号室」での活動(Vo,Gt)を経て、ソロの「ぜったくん」としての楽曲を制作開始。2018年のラストラム主催の新人オーディション『ニューカマー発見伝』にてグランプリを受賞。2019年7月にデビューデジタルシングル『Catch me, Flag!!?』をリリース。そして2020年3月4日に6曲入り1st EP『Bed TriP ep』をリリースする。
ぜったくん。普段寝ている二段ベッド
東京町田産まれ。ごく普通にSMAPを聞き、ゲームをしながら幼少期を過ごす。作詞作曲を手がけるバンド「201号室」での活動(Vo,Gt)を経て、ソロの「ぜったくん」としての楽曲を制作開始。2018年のラストラム主催の新人オーディション『ニューカマー発見伝』にてグランプリを受賞。2019年7月にデビューデジタルシングル『Catch me, Flag!!?』をリリース。そして2020年3月4日に6曲入り1st EP『Bed TriP ep』をリリースする。

―町田の好きなところ、嫌いなところは?

ぜったくん:町田の好きなところは……正直な話、あんまりないです。嫌いなところは、治安が悪いところですね。あと、町田って言ったら絶対に「神奈川県でしょ」って言われるところ。

―あ、たしかに。ぶっちゃけ思ってました(笑)。

ぜったくん:少し歩いたら、もう神奈川なんですよ。だからほぼ神奈川。もう神奈川にしてくれればよかったのにって思う。

県境
県境

―ははは(笑)。僕、新大久保出身なんですけど、結構同じような気持ち。好きなところは特になし、嫌いなところは治安が悪い、みたいな。

ぜったくん:やっぱそうっすよね。

―町田生まれ町田育ちが、自分のパーソナリティや作品に及ぼしてる影響ってなにかありますか? あえて言うなら、くらいのレベルのものでも。

ぜったくん:あるとしたら……町田駅の北口に、ラブホしかないところがあるんですよ。そのエリアの中にボウリングセンターがあるんですけど、中学生とかってボウリングやりたいじゃないですか? となると、ラブホ街の中心に行くしかなくて。そこへ行くとき、「この城みたいなのはなんなんだろう?」ってみんなで言って、早いやつはもう「これはラブホだ」って言って、「それなに?」みたいな(笑)。……なんか、ラブホは自分の人生にまとわりついてきますね。

ぜったくんの部屋
ぜったくんの部屋

―ラブホで働いてたんですよね? それはいつ頃?

ぜったくん:だいぶ長くて。大学2年のときからやってたので、2013年から2019年までかな。

―長いっすね!

ぜったくん:そう、相当長い。

―ラブホのバイトは、どんな経験になりました?

ぜったくん:めっちゃ楽しかったっす。あんまり忙しくなくて、自由な時間もあったり。結構トリッキーなお客さんが多くて、その人間たちを見るのがすごく楽しかったですね。

―トリッキー、っていうのはどんな感じの?

ぜったくん:俺、裁判の証言台に立ったことがあるんですよ。

―え、証言?

ぜったくん:一回、イカれてる系の人が来たことがあって、「この人ヤバそうだから帰そう」と思って受付で「もう部屋空いてないです」って言ったら、胸元から刃物取り出してきて。すぐに警察呼んだら、警察が15人くらい来て取り押さえられて……後日裁判に出ました(笑)。

―ええ! めちゃくちゃ強度のあるリリックになりそうな。

ぜったくん:そうそう。みんな傍聴しにきてほしかったっすね、俺の裁判所ライブ(笑)。

―そういう経験が、怖いとかではなく、楽しかったんですね?

ぜったくん:本当に、いろんな人が来ますからね。女の子を呼ぶおじさんとかもいっぱいいて。そういう人たちが、頑張って呼んでるのか、余裕ありすぎて日常的に呼んでるのか、みたいな違いがあるんですよ。

毎日夕方の5時くらいに来て、必ず302号室を取るおじさんがいて。毎日デリを呼んで2回転するんです。そのおじさんは指輪もしてるし、必ずカードで払うんですよ。家族も養いながら、1日デリを2回転させる経済力を持ってるおじさん、すごいなってずっと思ってました。1日4万円くらい使うって、その経済力がヤバいっすよね。

―社長とかなんですかね?

ぜったくん:絶対そういう系ですよね。もしくは不動産とか?

―でも毎日その生活っていうのもなんか……いやあ、虚しさもあるでしょう。

ぜったくん:“Bad Feeling”なんですかね?(笑)

ぜったくん“Bad Feeling”

―ぜったさんのリリックって、すごく優しいなあって思うんですね。あんまり人に変なふうに介入しないというか、放っておいてくれる感じがする。それって、ラブホでいろんな人のいろんな人生観を見てきたから、というのもあるんですかね?

ぜったくん:それはあるかもしれないです。みんな違ってみんないい、みたいなことを、本当に素で思ってる。なにかあっても、それはその人の正義があるだけで、誰が悪いとかもないし。人の嫌なところとかを見ても、絶対に、俺にはわからないことがその人の中にいっぱいあるからって、それは素で思ってますね。

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リリース情報

ぜったくん『Bed TriP ep』
ぜったくん
『Bed TriP ep』(CD)

2020年3月4日(水)発売
価格:1,760円(税込)
LASCD-0090

1. Catch me, Flag!!? feat. SUKISHA
2. ParalleI New Days
3. Bad Feeling
4. 温泉街♨ feat. kou-kei
5. 爪 feat. 入江陽
6. sleep sleep feat. さとうもか

プロフィール

ぜったくん
ぜったくん

東京町田産まれ。ごく普通にSMAPを聞き、ゲームをしながら幼少期を過ごす。大学にてギターを始める。大学卒業後、一度は就職した会社を入社わずか2時間という早さで電撃退職。作曲とDTMを勉強しながら、作詞作曲を手がけるバンド「201号室」での活動(Vo,Gt)を始める。そのかたわら、ソロの「ぜったくん」としての楽曲を制作開始。2018年のラストラム主催の新人オーディション『ニューカマー発見伝』にて、グランプリを受賞。2019年7月にデビューデジタルシングル『Catch me, Flag!!?』をリリース。そして2020年3月4日に6曲入り1st EP『Bed TriP ep』をリリースする。

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