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おーたけ@じぇーむずが語る、音楽に導かれた「一寸先闇」な半生

おーたけ@じぇーむずが語る、音楽に導かれた「一寸先闇」な半生

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インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:Daigo Yagishita"WOODDY" 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

おーたけ@じぇーむずは、流れに身を任せ、音楽に導かれるように歩んできた

―大学生になってからはライブハウスにも出るようになって、2年で中退をしていますが、これは「音楽で生きていこう」という決断からだったのでしょうか?

おーたけ:高校生の頃みたいに「ギター弾いてるおーたけかっけえ!」みたいに言う人は周りからいなくなったんですけど、ライブハウスに出るようになって「自分の音楽で喜んでくれる人たちはここにいる」って気づいたんですよね。

おーたけ@じぇーむず

おーたけ:なので、2年の春から夏にかけてはもう全然学校には行ってなくて、単位も落としまくって……音楽をやりたくて学校をやめたというよりは、「やりたいことしかやれないなあ」みたいな……ちょっと消去法に近いんですけど、自分がやりたいことを一生懸命やるほうが、喜んでくれる人が多いんじゃないかなって。

―中退後はライブの本数がどんどん増えていって、2016年には90本、2017年には100本、上京後の2018年には170本と、かなりの数をやっていますよね。これは中退後の「何とかしなきゃ」という必死さの表れなのか、それとももう少しカジュアルに、いろんな場所でいろんな人とライブをするのが楽しかったのか、どちらが近いですか?

おーたけ:それは絶対的に後者ですね。もともと誘われたら断らないスタンスでやってたんですけど、当時ツイキャスが出てきて、すごく人気だったひとつ年上の男の子が私のことをめちゃくちゃ褒めてくれたんです。「そんなにギターが弾けて、声もいいのに、どうしてもっとやらないの?」みたいな。

それで、その人がやってるイベントに出させてもらうと、その子のファンが私にもついて……そこも「喜んでもらえること」が大きかったんですよね。で、Twitterとかで関西方面からも声がかかるようになって、行けるなら行きたいからどんどん話を受けていたら、「月10本じゃ利かないぞ」みたいになって。

―年表を見ると、自主企画もいろいろやってますよね。同じ会場での1週間連続企画とか。

おーたけ:そうですね。「この人とこの人が会ったら、絶対面白いじゃん」とか「この人私とばっかりやってても絶対飽きるだろうな……むしろ私が飽きたわ」みたいなこともあって。ただ上京してから意識がガラッと変わりました。接する人の種類が圧倒的に増えたから、アーティストである前に、人としてちゃんとしなきゃなって……社会人っぽくなったのかも(笑)。

―上京に関しては、何か決断のきっかけがあったのでしょうか?

おーたけ:上京するのはもちろん勇気が必要なことだったんですけど、「決断」というよりは流れでこうなった感じなんですよね。先に上京した地元の先輩が「来いよ」って言ってくれてたのがずっと引っかかって、そうしたら今のバンドのドラム(大山拓哉)が「空く家あるから、入りなよ」って言ってくれて……やっぱり、ずっと同じところにいたくなかっただけですね。

「バンドよりも一人のほうが向いている」と自身も思っていたなかで結成された、一寸先闇バンドについて

―ここまで話を聞いていて、おーたけさんは場所にしても、人間関係にしても、ひとつのところに留まらずに動き続けている印象がありますが、そんなおーたけさんが昨年末のバンドでの初めての単独公演『一寸先、闇』を経て、そのまま固定メンバーの「一寸先闇バンド」を継続させたのは、どんな経緯だったのでしょうか?

おーたけ:上京してきて、弾き語りと、ドラムと2人の編成でずっとやってきたなかで、ライブハウスの方から「ワンマンやったら?」って言われて。でも、ソロも2人も定型文過ぎて嫌というか、「今までやってきたことの集大成」というよりは、新しいことをしたいと思って。

おーたけ@じぇーむず

―なるほど。その発想はおーたけさんっぽい。

おーたけ:メンバー探してみて、見つからなかったらドラムと2人編成でやろうと思っていたんですけど、たまたま鍵盤2人と出会って、「この4人でやったら絶対楽しいじゃん」と思って。

―そう思った理由は?

おーたけ:すごく気持ちのいい距離感なんですよ。もともと「バンドをやろうと思った」というよりは、「この人たちと一緒に音を出してるのが楽しい」って思ったのが先で。それが今もずっと続いてる感じなんですよね。出会ったのはちょうど1年前くらいなんですけど、私、1年間ずっと同じ人たちと音を出してるのって初めてで、ワンマンが終わったあとも「これは続いていくのでは?」と思って。

で、改めてメンバーに「バンドとして活動していきたいです」って相談をしたら、「みんな一緒のこと考えてたね」って。これまで私の弾き語りが確立されてたから、「おーたけ@じぇーむずを立てておきたい」って言ってくれて、だから正規のサポートメンバーみたいな感じなんです。

一寸先闇バンド(いっすんさきやみばんど)<br>おーたけ@じぇーむずを中心に2019年結成。おーたけ@じぇーむず(Vo,Gt)、大山拓哉(Dr,Cho)、かくれみの(Pf,Cho)、山口竜生(Syn)。日常のひとコマに気付きを与えるおーたけ@じぇーむずの歌詞と、その世界観を表現する自由度の高いサウンド、演じるかのように聴き手に届ける声が、ミュージシャンや関係者などで注目を浴びている。
一寸先闇バンド(いっすんさきやみばんど)
おーたけ@じぇーむずを中心に2019年結成。おーたけ@じぇーむず(Vo,Gt)、大山拓哉(Dr,Cho)、かくれみの(Pf,Cho)、山口竜生(Syn)。日常のひとコマに気付きを与えるおーたけ@じぇーむずの歌詞と、その世界観を表現する自由度の高いサウンド、演じるかのように聴き手に届ける声が、ミュージシャンや関係者などで注目を浴びている。

―大事なのは「バンド」という形態ではなくて、いい距離感で付き合えるメンバーの存在だったと。ベースレスという編成も、形態ではなく人で選んだからこそなんでしょうね。「アコギでベースを弾きたくなっちゃう」のも関係してそうですけど(笑)。

おーたけ:そうですね(笑)。とはいえ、自分主導でバンドをちゃんとやるのは初めてで、どうなるかわからなかったから、『一寸先、闇』っていうイベントタイトルにして、一寸先は闇だけど、でもこのメンバーと続けたいから、「一寸先闇バンドにしちゃおう」って。だから、最初は「私の気分が変わったら解散」みたいなところもちょっとあったんですけど、もし今誰かから解散を切り出されたら泣いちゃいますね(笑)。

―「この人たちと一緒に音を出してるのが楽しい」という話があったように、アレンジは4人で音を出して、セッションに近い形で進めるわけですか?

おーたけ:放っておいたら、たぶん10時間くらいずっとジャムってると思います(笑)。みんなセッション能力が高くて、聴こえてる音が全員同じであっても、イメージしてるものがちょっとずつズレてるから、それをいい具合に組み込んでいくのが楽しいんですよね。

―おーたけさん自身もともとセッションをよくやってたんですか?

おーたけ:いや、あんまりやってなかったです。ジャムセッションのイベントに呼ばれて、「軽く歌ってよ」みたいに言われても、「全然タイプじゃないです」みたいなこともあって(笑)。

―じゃあ、やっぱり今のメンバーが特別なんですね。

おーたけ:そうですね。ドラムとはもともと一緒にやってたのもあるし、鍵盤の2人もこのバンドのことをすごく知ろうとしてくれて。そんなにやってくれるなら、むしろ好きなようにやってもらって私の好みとバランスを取っていけばよさそうだなと。技術屋さんの側面もありつつ、全員アーティストとして自立してる人たちだから、受け取ったものを自分の形で出してくれて、その相性がすごくいいんですよね。

おーたけ@じぇーむず
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リリース情報

一寸先闇バンド『一寸先闇』
一寸先闇バンド
『一寸先闇』(CD)

2020年7月29日(水)発売
価格:1,650円(税込)
OTST-002

1. 一寸先闇
2. ものわすれ
3. フレンドゾーン
4. 高円寺、純情

おーたけ@じぇーむず
『一寸先闇、おひとりさま』(CD)

2020年7月29日(水)発売
価格:1,100円(税込)
OTST-001

1. 一寸先闇
2. ものわすれ
3. フレンドゾーン
4. 高円寺、純情

プロフィール

一寸先闇バンド
一寸先闇バンド(いっすんさきやみばんど)

おーたけ@じぇーむずを中心に2019年結成。おーたけ@じぇーむず(Vo,Gt)、大山拓哉(Dr,Cho)、かくれみの(Pf,Cho)、山口竜生(Syn)。日常のひとコマに気付きを与えるおーたけ@じぇーむずの歌詞と、その世界観を表現する自由度の高いサウンド、演じるかのように聴き手に届ける声が、ミュージシャンや関係者などで注目を浴びている。

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