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安斉かれんというアーティスト。『M』で注目された21歳の真の顔

安斉かれんというアーティスト。『M』で注目された21歳の真の顔

安斉かれん『GAL-TRAP』
インタビュー・テキスト
矢島由佳子
撮影:Kay N 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

1人の夜にやってくる「名前のない感情」。歌詞にすることができないからトラックにした

―新曲“GAL-TRAP”は安斉さんが作詞作曲とサウンドプロデュースに入られていて、これまで発表してきた1990年代リバイバルサウンドとは打って変わって、ご自身の好きなものを昇華して作った1曲であると感じます。これまでの音楽制作とはまた違った楽しさがあったんじゃないですか?

安斉:そうですね。今までも作詞はさせていただいてたんですけど、今回は作曲もさせていただいて。もともとピアノを弾きながらぽろぽろメロディーを作ったりはしてたんですが、なかなか形にできなかったんです。今回は、プロデューサーさんたちと一緒にスタジオに入らせていただいて、「楽しくワイワイ音楽作りたいね」みたいなノリから始まって、本当に自由に作らせていただきました。

安斉かれん『GAL-TRAP』ジャケット
安斉かれん『GAL-TRAP』ジャケット(Spotifyを開く

―トラックには溜息、笑い声、口笛、あとネイルとネイルをぶつける音などがサンプリングして使われていて。曲名が“GAL-TRAP”で、資料には「ギャルが仕掛ける罠 HIP-HOPのジャンル」と書かれていますが、日本人でギャルである安斉さんが、新たなヒップホップをどう生み出すかということには意識的でした?

安斉:いえ、わりと「できあがったらこうなった」って感じです。全体的に曖昧な曲なんですよ。歌詞もそうですし、メロディーもそう。私もレコーディングブースに入って、フワフワしながら「次、爪の音やる~」とか言ってやってました。

この曲を作ったときが、悲しくもないし、別に落ち込んでもないんですけど……なんか、わかります? たとえば、お昼に仕事したりお友達と遊んだりするじゃないですか。それと、夜に一人になったときの自分って、まったく違うじゃないですか。そういう、悩んでるわけでもないけどフワフワしてる夜の時間の曲なんです。そういう感情って、本当に名前がないなって思ってて。だから歌詞にもできない。だったらトラックにしちゃおうって。間が怖いから爪鳴らしたり口笛吹いたりして沈黙にならないようにごまかすのも、全部、言葉にはできないからその想いをトラックにしちゃった感じです。

―なにかリファレンスにした楽曲とかはあります?

安斉:いえ、ないです。もう本当にゼロから、いいなと思ったものをみなさんと作らせていただいただけなので、参考とかはなにもなくて。そのときにそこでいいなと思ったメロディーを作っていった感じですね。

安斉かれん
安斉かれん

―リリックの書き方に関しては、いかがでしょう?

安斉:私、歌詞って日記みたいに毎日書いていて。等身大の歌詞が書ければなって思ってるんです。その時々の音楽ができればいいと思ってるので、これが「今」って感じ(笑)。

―歌詞には<意外と言えん「ぴえん。」>というラインがありますが、安斉さんも意外と自分の心情は人に言えないですか?

安斉:言えないっていうか、夜のちっぽけな悩みは「私がこうやって考えてたって、世界は普通に回ってるし」って思うと、人に相談するまでもない悩みだなって思っちゃう。こういう時間に思うちょっとした悩みっていうのは、超落ちたりしてるわけでもないし、別に解決するものでもなくて。また朝になったらいつも通りにならないといけないし、なれるんですよ。もうしょうがない、生きないといけないから。別に超元気になろうとかも思わないし。

「ギャルって、モチベを上げるために自分を好きなもので固めてる人のことなんじゃないかな」

―「ギャル」という見た目だけで判断されて、勘違いされてるなと思うときもあります?

安斉:「チャラチャラしてそうだね」とか、そういうのは思われがちじゃないですか。でもギャルって、自分のモチベを上げるために自分を好きなもので固めてる人のことを言うんじゃないのかなと思ってて。自分の機嫌を取るために、金髪にしたり好きなものを身につけたりしてるから。

―至言ですね。ギャルって、自分のコンプレックスとか弱みを隠すために着飾ってるという人もいますよね。

安斉:そうなんです、もう武装ですね。

―だからこそ他人の弱さを理解できる人もたくさんいるし。

安斉:たしかにね、多いですよね。だから一概に「これだからギャル」みたいなのは今はないんじゃないかなと思います。

安斉かれん

―安斉さんがこういったファッションをするようになったきっかけは?

安斉:小学生のときに、ゴリゴリ金髪ギャルみたいなのが流行ってたし、『Popteen』をずっと読んでたんです。それで可愛いなって思ったものを真似してたら、ギャルって呼ばれるようになっちゃった。ただ単に好きなものを身に着けていたかったというだけで。

―ご家族はそういう安斉さんをどう受け止められてました?

安斉:おばあちゃんには「小学生がそんな!」とかってよく言われてましたけど(笑)、でも最終的には全然大丈夫でした。父は超寛容だし。「かれんが好きなものはいいんじゃない」って言うタイプの親だったので、習い事もなんでも好きなことをやらせてくれました。音楽・芸能活動も全部応援してくれてます。

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リリース情報

安斉かれん『GAL-TRAP』
安斉かれん
『GAL-TRAP』

2020年9月16日(水)配信

プロフィール

安斉かれん(あんざい かれん)

90年代の音楽業界を描き、Twitter世界トレンドTop3入りした話題のドラマ「M愛すべき人がいて」にW主演として大抜擢。実は、彼女は世界的にも大きな潮流を生みつつあるリバイバルサウンドをいち早く取り入れ、J-POPのニュージェネレーションを謳う歌手。元々、「POSGAL(ポスギャル)」と呼ばれる次世代の一人で90年代を意識した8cmSGで作品をリリースしている。「TRKKIE TRAX」や「Maltine Recoreds」などの気鋭のトラックメーカーによるReproduceという新たな手法でも再発表され、世界中のニュージェネJ-popファンや超大物の海外DJからも大きな反響を得ている。5th「僕らは強くなれる。」は音楽関連ランキングにチャートインしGoogleトレンド急上昇ワードで1位を獲得。ファッション・アイコンとして、コスメティックブランドの「M•A•C」の店頭ビジュアルの連続採用やティーン支持を受ける広告イメージキャラクターを飾るなど、そのルックスにも注目が集まっている。

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