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川崎鷹也が語る、世間に見つかるまでの葛藤と、根底にある「愛」

川崎鷹也が語る、世間に見つかるまでの葛藤と、根底にある「愛」

川崎鷹也『Magic』
インタビュー・テキスト・編集
矢島由佳子
撮影:永峰拓也
2020/10/16

音楽に対してより覚悟を持って真剣に向き合いたいと思ったから、仕事をやめました。

川崎鷹也

“魔法の絨毯”と2年半前にリリースしたアルバム『I believe in you』が注目されている絶好のタイミングに、新作EP『Magic』を10月1日にリリース。EPでは、これまた口ずさむのが気持ちいいフレーズが散りばめられている“Let me know”や、奥さんを浮かべながら書いたと思われる“ほろ酔いラブソング”、『小学館第84回新人コミック大賞』を受賞した漫画家・赤井千歳とのコラボ作品“エンドロール”などを収録。さらに「ステージが一番大事」と語る川崎は、11月6日にTSUTAYA O-EASTにてワンマンライブを開催し、無料配信をすることを決めた。

―新しいEPに『Magic』というタイトルを付けたのはどういう理由ですか?

川崎:今まで弾き語りのライブと音源しかやってこなかったんですけど、今回初めてバンドアレンジなんです。自分の表現できるマックスのものにバンドの音が入ることで、魔法がかかったような音源に生まれ変わるなって、自分でミックスしていたときに思って。それでストレートに「Magic」にしようと思ったのがタイトルの理由です。

川崎鷹也『Magic』を聴く(Apple Musicはこちら

―バンドアレンジでありながらも、すごくシンプルな編成ですよね。

川崎:そうです、ギター、ベース、ドラムだけですね。ベースとギターは専門の頃の仲間で、そいつらと同じものを作りたいっていうのがあったんですよね。なにをやるにしても、「この人だから一緒にやる」とか「この人の言うことだったら信用できる」っていうことが大事だっていつも思ってるし、これはベースとギターのやつの感覚とか信頼関係で成り立ってるアルバムだから、他の音は入れたくなかったんです。ドラムは「こいつに叩いてほしい」ってやつがいたんですけど、そいつがめっちゃ忙しくてダメで。でもそこで他の人に頼む気にはなれなくて、自分で打ち込みをめっちゃ頑張りました(笑)。

川崎鷹也

―“エンドロール”は5月に発表された楽曲ですが、漫画家・赤井千歳さんとのコラボはどういう経緯で?

川崎:たまたまYouTubeで僕を見つけてくれて、SNSでDMをくれたんです。声と歌がすごくいいって褒めてくれて、「音楽の漫画を書きたくて、一緒に作りたいです」という連絡をくれて。それで一回新宿のガストでお会いして、お互いどういう人なのかという話をひたすらしたら、めっちゃ面白い方で、パッションとか夢がメラメラ燃えてるその熱量がすごくて、「一緒にやりましょう」って。

音楽以外のいろんなところとのコラボレーションっていうのは、大事にしていきたいんですよね。漫画もそうだし、小説もそうだし。YOASOBIさんのやり方とか、「うわあ、やられた」って思いました。音楽と、音楽がまったく関係ないものがコラボするっていうのは、自分の中ですごく楽しいコンテンツのひとつです。

川崎鷹也“エンドロール”。赤井千歳による漫画はこちら(サイトを開く

―“光さす”は、自分の人生や音楽活動に対するもどかしさが表れている曲とも聴こえますが、いつ書いた曲ですか?

川崎:これは初期ですね、6年前とかかな。今日の冒頭で話したような、もどかしさとかやめちゃおうかなっていうマイナスな気持ちを表してますね。「曖昧な言葉じゃ誰かには伝わらないから、今思ってるマイナスな部分も含めて伝えなきゃいけない」と思った書いた曲です。そしたらきっと光さす、って自分を鼓舞する気持ちで書きました。

―当時は<世の中のせいにしてはいつも 背を向けて逃げて回ってる>ところがあった?

川崎:逃げ回ってましたね。本当に尖ってたんですよ。テレビに出てるアーティストとか売れてるアーティストとか全員しょうもないと思ってましたし(笑)。今は思ってないですよ! 当時は「俺、俺を見て」って気持ちばっかりで。今思えば、そう思ってた自分に説教したいくらいですね。

川崎鷹也“光さす”を聴く(Apple Musicはこちら

川崎鷹也

―川崎さんの歌は、日常の尊さを歌ってるのが魅力のひとつだと思うのですが、この先自分が追い求める幸せってどんなものですか。

川崎:すごく綺麗事に聞こえるかもしれないですけど、僕自身の幸せってあんまり考えてなくて。現時点では奥さんと子どもが幸せなことが僕の幸せだって思えるから、日常の幸せをずっと大事にしたいと思ってるし、僕が音楽で売れて有名になることで家族が喜んでくれるんだったらそれも幸せだし。いくら有名になって、もし生活水準が上がったとしても、家族に対する思いは変わらないと思う。

“Luv Letter”に書いてるんですけど、幸せとか笑顔が広がると、それが結局自分に返ってくるんですよ。誰かに対する感謝とか愛情って自分に返ってくるから、それが幸せなんだと思う。まあ、それも奥さんが言ってた言葉なんですけどね(笑)。

川崎鷹也“Luv Letter”を聴く(Apple Musicはこちら

川崎鷹也

―最近仕事をやめる決断をされたそうですが、それに対して奥さんはなんておっしゃったんですか?

川崎:二つ返事で「いいんじゃない?」でしたよ。俺はめっちゃ不安だったんですよ、この先大丈夫かなって。でも、奥さんに話したら「そうなんだ。いいことじゃない? 全然いいよ、頑張るよ」って、「今日のご飯なにがいい?」くらいの普通のテンションで(笑)。

―川崎さんにとっては大きな決断だったんじゃないですか?(笑)

川崎:めちゃめちゃ大きな決断でした。でも、音楽をやりたくてもできない人がいっぱいいるし、有名になりたくてもやめていくやつらを俺は見てきてるし、その中で「今ここでアクセルを踏まないと」って思ったんです。音楽に対してより覚悟を持って真剣に向き合いたいって思ったからですね。

川崎鷹也

―4月にはお子さんも生まれたそうで、なかなかの決断ですよね。

川崎:子どもがいたからこそかもしれなくて。子どもがしゃべれるようになったときに、「お父さん、あのとき仕事やめてまで音楽に突っ込んだんだよね」って言えないのが嫌だなって思ったんです。それ、ダサいなって。子どもに対してやりたいことをやってる親父であり続けていたいし、「父ちゃんかっけえ」って思われたいんですよ。「バカだけど、こっちのほうがおもろいっしょ」っていう道を選んでると思います。

―11月6日のライブは、久しぶりのステージであり、川崎鷹也というアーティストの状況が変わってから初めて人前で歌う場ですよね。どういったステージにしたいと思っていますか?

川崎:音源とか配信ももちろん大事ですけど、やっぱり僕が観てほしいのはステージで。ステージを観て判断してほしいんです。そこにすべてを注いでるので。

僕、「愛」って、心の中にあるものではないと思っていて。自分の中にあるものではなくて、心と心が向き合ってお互いを理解して歩み寄ろうとしてる真ん中に「愛」って存在するんだと思うんです。俺はそう感じてる。誰かと自分がコネクトした瞬間に愛ってできると思っていて、それはステージ上の僕とお客さんの間も同じで。シンガーソングライターとして、その感覚は忘れちゃいけないなってずっと思っています。

川崎鷹也
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リリース情報

川崎鷹也『Magic』
川崎鷹也
『Magic』

2020年10月1日(木)配信

1. Let me know
2. エンドロール
3. 光さす
4. ほろ酔いラブソング

イベント情報

『川崎鷹也ワンマンライブ “Magic~魔法の絨毯にのって~”』

2020年11月6日(金)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST
定員:300名
料金:3,000円(ドリンク別)

プロフィール

川崎鷹也
川崎鷹也(かわさき たかや)

1995年、栃木県生まれ。2018年、アルバム『I believe in you』をリリース。一度聴いたら忘れられないハスキーな歌声と美しいビブラート、癖になるメロディーラインが魅力。2020年8月、TikTokで“魔法の絨毯”が人気となり同曲を使った動画が27,000本以上アップされ、トータルの再生回数は約1億3千万回となる(2020年9月現在)。また、Spotify「バイラルTop50」で1位を獲得。LINE MUSIC「アルバムトップ100」で2位にランクイン。2020年10月1日に、EP『Magic』をニューリリース。11月6日にはワンマンライブ(有観客&無料配信)『Magic~魔法の絨毯にのって~』を開催する。

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