カネコアヤノ『よすが』全曲解説 いま「誰も悪くない」と歌うのは

『よすが』というアルバムからは、「歌と添い遂げる」という選択をしたカネコアヤノの強い意志を感じ取ることができる。

そのことは前回のインタビュー記事にも記した通りで、そして当然ではあるが、それは「好きなもの作りました、世の中のことは関係ないです」ということではない。「それはないです、絶対」と自らキッパリと言い切ったカネコアヤノは2021年の世界をどのように捉えて、何を思ってこのアルバムを作ったのか?

ライター・編集者の北沢夏音との対話を通じて、1曲1曲立ち止まるようにして紐解いていきたい。

カネコアヤノ
弾き語りとバンド形態でライブ活動を行っている。2021年4月14日に新作アルバム『よすが』を、5月19日には弾き語りアルバム『よすが ひとりでに』を発表。5月からは全国ホールツアーを予定している。

2020年のカネコアヤノの魂を救ったレコーディング合宿。仲間と寝食を共にして一緒に音を鳴らす喜びが『よすが』を形づくる

北沢:『よすが』の構想が見えはじめたのは、いつ頃からですか?

カネコ:曲が揃って、アレンジを進めながら「この曲たちはどういう人格みたいなものを持ってるか」ってことをみんなで共有したあとくらいからですね。それで『燦々』のときから意識していた、「空白や間(ま)も音楽として綺麗に聴こえる作品」っていうイメージをよりかたちにしていこうって。

北沢:もはや確立されたと言ってもいい「カネコアヤノサウンド」を、どうアレンジしたらよりよくなるか、さらに丁寧に磨いてる感じがしました。

カネコ:うん、たしかにそうですね。いつもよりみんなも時間があったし、それをアレンジ作業とかスタジオに入ることに充てました。これまでと比べて、アレンジにはめっちゃ時間かけてましたね。あと楽曲のイメージ共有をすごくしました。

カネコアヤノ『よすが』を聴く(Apple Musicはこちら

北沢:今回も合宿でレコーディングしたとのことだけど、IZU STUDIOに入ったのはいつぐらい?

カネコ:8月か7月末くらいだったような気がする。だいたい夏の1か月間ずっと入ってて。ミュージックビデオを撮ったり、LIVEWIREで使ったりもしたから、夏はずっと伊豆にいたって感じでした。

北沢:それは楽しい合宿だった?

カネコ:楽しいですね。だし、バンドのみんなもコロナでやられてたと思うし、合宿で魂が救われたなって思ってます。

『よすが』のレコーディングが行われたIZU STUDIOで撮影されたミュージックビデオ

北沢:アルバムのなかには「世界の現状を反映してるな」って思える曲があるんだけども、コロナ禍に入ってから作った曲もある?

カネコ:新曲はだいたいそうですね。だけど「コロナ禍で書いた歌です」ってなるのも嫌だったからあまり意識はしないようにしてたけど、結局出ちゃってはいるなとは自分でも思う。

北沢:レコードには記録っていう意味もあるし、そのときどきの自分と世界の関係性が自然に入っていくものだと思う。だから『よすが』が2020~2021年にかけての世の中の状況を反映してるのは全然当たり前のことだし、カネコさんだけじゃなくて聴き手も思いっきり影響を受けているから、余計に響くというか。

カネコ:“抱擁”とか“手紙”は一昨年くらいに作った曲ではあるけど、やっぱり歌には結局コロナの影響があって。

北沢:どうしたってレコーディングするときの状況には影響を受けるよね。

カネコ:そう。歌詞の意味合いもそうだし、歌い方もコロナ以降のものになっちゃったのかなとは思った。

1. “抱擁”――「22世紀の愛のかたち」に思いを馳せた理由

北沢:“抱擁”には<22世紀の愛のかたち>ってフレーズがあるけど、どうして「22世紀」って言葉を使ったんだろう?

カネコ:みんな忘れてくのかなって思ったんですよ。今って出会い方も変わってきてるじゃないですか。話し合って、お互いを知っていくことをすっ飛ばして付き合う人もいたり。

北沢:マッチングアプリとかを使って。

カネコ:そうそう。最初から自分の好きなものが表示されてて、趣味とか、どこに行くのが好きとか、書いてあるらしいじゃないですか。それがなんか悲しくて。学生の頃って普段は制服着てるから、修学旅行に行ったときに好きだった男の子の私服がダサくて引くみたいなのって、女の子はかなりしてると思うんですよ。なんかそういうのがいまはないんだって思って。

北沢:告らなくてよかったー、みたいな?(笑) 確かにいまって、Tinderとかで出会って相手の素顔を知る機会もないまま、即付き合っちゃうとか普通にありそう。

カネコ:Tinderとかもちろん否定はしないんですけど。そういう出会いもあるよな、って。ただ、アプリを通じた出会いが当たり前になっていくことによって、恋愛のかたちも変わっていくんだろうな、ってすごく思う。

北沢:条件が合う / 合わないを瞬時に判断する、みたいな感じなんだろうしね。恋愛に限らず、今って「とにかく最短距離で、コスパよくしたい」みたいなことを考えすぎてる気がする。

カネコ:とにかく時短、みたいな。コンビニとかスーパーのレジも機械が増えてるじゃないですか。そういうことも含めて、人と人とで対話するよりも、みんなどんどん画面を見るようになってますよね。空を見上げる人なんていなくなっちゃうんじゃないかなって思うんですよね。

北沢:“孤独と祈り”に<人工衛星は暗闇の中 孤独を泳ぐ>ってリリックもあるけど、空を見上げる人がいなくなったらそりゃ人工衛星も孤独にだってなるよね。

カネコ:なるなる。顔と目が大きくて、口が小さくて、体が細くて四肢も細いみたいなかたちをしてる宇宙人っているじゃないですか。あれって文明の力が進みすぎて、自分の体で動くことがなくなった人間の姿なんじゃないかって話があって。

北沢:実は人が退化していった姿なんじゃないかってね。

カネコ:そう。退化して、画面をずっと見てるから、見ることにどんどん長けて目がどんどん大きくなる。会話も何かしらのツールでできるようになって口を動かさなくなって口が小さくなる。体じゃなくて脳みそばっかり動いてるから頭がでかくなるみたいな。

いつだかに考えられたことか知らないけど、22世紀になってしまったら、本当にそうなるんじゃないかなって思って。星とか月とか自然が綺麗なことをみんな忘れていく気がするし。

北沢:そうだよね。だって平安時代くらいの日本人はお月様を見上げて、『竹取物語』みたいなお話を書いたり、歌を詠んだり、超ロマンチックなことを考えてるじゃない。ストレートに告白する代わりに「月がきれいですね」って言うような奥ゆかしさが日本人にはあったはずじゃない。

カネコ:そういう文化がなくなっていく気がして、それは寂しいことだなって。

北沢:あ、だから<月の光を忘れないで坊やからだは温かい>ってリリックがそのあとに続くのか。

カネコ:いまの私はそう思ってます。

カネコアヤノ“抱擁”を聴く(Apple Musicはこちら

北沢:21世紀の最初の20年ですらこんなに変わってるし、22世紀もたった80年後なんだよね!? 22世紀になるまでにまたいろんなことが変わりそうだけど、たしかに愛のかたちの行方は気になる。

カネコ:うん、気になります。どうなってるんだろうって。Tinderが出てきたときだって本当にたまげたのに、30年後くらいになったら、「Tinderってあったよね」ってたぶん言われて、またさらにその先があると思うんですよ。

北沢:「あれも初期だったねー」みたいに言われて(笑)。

カネコ:そう。私たちでいうmixiやってたみたいな感じ? やさしい世界であるといいですね、愛に関して。世の中がどんなに変わっても、愛を受け取るというのは大事だと思うから。

2. “孤独と祈り”――変化する日常に対する苦しみも前向きに変える、言葉とメロディーのマジック

北沢:カネコさんはすごいメロディーメーカーだと前から思ってたけど、“孤独と祈り”はメロディーのよさが炸裂してるよね。まさに今の気分を象徴するようなタイトルなんだけど、とにかくメロディーがいいからそれだけで前向きになっちゃう。

カネコ:いやー、嬉しい。

北沢:メロディーひとつ、コードの響きひとつで、こっちの気分を上げてくれるんだから、音楽ってすごいなと思う。

カネコ:本当にそうですよね。

北沢:だから“抱擁”、“孤独と祈り”、“手紙”って流れを聴いて、「今作、最高すぎるぞ」って胸がいっぱいになった。すごく励まされたし、自分も同じような気持ちだなって思ったり、俺もちょっとカネコアヤノにならなきゃ! とかいろいろ忙しかった(笑)。“孤独と祈り”の<明日はくるかしら あなたの隣で>っていう最後のラインは、疑問形ではあるけど、「きっとくるよね」っていう祈りもあるでしょう?

カネコ:うん。ていうか、やっぱり私は「人」がいちばん大事って思いますね。

北沢:セカンドヴァースの<映画を見た 最後は死んだ彼女の / 真昼に見た それに救いがなくて / おもわず外に出た>ってところは、ハッとしたな。でもこういうことってあるよね。

カネコ:ある。あるし、去年はそういうときにですら外に出ちゃいけない状況がすごくつらかった。

北沢:気分転換にちょっと外出てっていう、普段やってることができなくなってるんだものね。

カネコ:うん、そうなんですよ。悲しかったなー。

北沢:これまでだったら「映画館で観た」とも受け取れるけど、こういう状況だから部屋で見てる感じかな。ずっと家に閉じこもってて、ちょっと気分転換に見たつもりが救いがなくて、気持ちを持っていかれちゃってやりきれない、みたいな。カネコさんは映画を見るとき、登場人物たちに自分を重ねちゃうタイプ?

カネコ:けっこう投影しちゃうのかもしれない。コロナ禍で見たなかでは『マリッジ・ストーリー』(2019年、監督はノア・バームバック)とかも、「はー……」ってつらくなっちゃった。恋愛とか人間関係のドラマだと自分を投影しちゃうのかも。SFとかだったら漫画読んでるみたいな気持ちで見られるんだけど。

北沢:カネコさんの音楽のテーマも人との関係性みたいなところが大きいから、余計に入り込んじゃうのかもしれないね。でもそういう体験すら曲づくりに反映されて素晴らしく効果をあげてる。シンガーソングライターって人生にひとつも無駄がなくて羨ましいわー。

カネコ:ははは、なんでもアウトプットしちゃう(笑)。

カネコアヤノ“孤独と祈り”を聴く(Apple Musicはこちら

北沢:的確な比喩をはさむことによって聴き手のなかのイメージを拡げるのは、カネコさんのソングライティングの技法としてこれまでもあったけど、“孤独と祈り”の<時刻はam3時33分 揃ったスロットみたい>っていう形容は素晴らしいな。たとえ方がいつもいいなー、って思う。

カネコ:ほんとに? 嬉しい。

北沢:そういうのは、いいフレーズが閃いたときにメモっておく感じ?

カネコ:そうですね。箇条書きでメモって、曲作るときに掘り出してきたり、作るときに適当に言葉はめたり。うまくメロディーにはまると、洋服を着せたような気持ちになる。「よかったね~、お似合いのが見つかって」みたいな。

北沢:1番の映画のエピソードでグッとつかまれたあと、<人工衛星は暗闇の中 孤独を泳ぐ>っていう映像が鮮やかに浮かぶフレーズで視点を宇宙まで拡げられた直後に、<絵画よりも広いこの世の爆発は祈り>っていうシュールなイメージが炸裂して目が点になる。

2番のスロットの比喩で<ラッキーなベイビーさ>って軽く自分に皮肉をとばしてからの、<無理をしてる 確かな愛が僕を / いつでもそうさせた>とか<気づかれないように / 二人で居ても孤独な息吹>みたいな、「恋愛に煮詰まってくるとこうなるよね」的なリアルすぎる描写に共感しかない。で、<明日はくるかしら あなたの隣で>って問いかけられて、最後はバンジョーのソロ(笑)。本当に最高な曲ですね。

3. “手紙”――「欲望を殺しちゃうと『入れもの』だけの人間になっちゃう」

北沢:“手紙”には<明日は手紙を書こう / 消えたい夜のこと / きら きら きら ほら 動かせその欲望を>っていうリリックがあるけど、実際に切羽詰まって、「生きててもしょうがないんじゃないか」みたいなことを考える夜ってあるじゃない?

カネコ:いやー、ありますよね。

北沢:<動かせその欲望を>っていう一節には生きることに対する強い訴えを感じる。僕は「欲望」って言葉を肯定的に捉えていて。

カネコ:私もそう思ってますね。

北沢:「生命力を発動させろよ」ってことでしょう?

カネコ:そうです、そうです。

北沢:すごく追い詰められているけど、「なにか欲望があれば生きられるんじゃない?」っていう歌詞だよね。

カネコ:そうだと思います。欲望ありきの悲しみってあると思うんですけど、そういう悲しみを乗り越えるためには、無理やり自分を動かすしかないとも思う。

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カネコ:あと、みんな我慢しがちじゃないですか。それって時には体とか、魂に毒だなって。

北沢:たしかに。我慢のしすぎは魂を殺すよね。自分で自分を殺しちゃうようなものというか。

カネコ:そうそう。欲望を殺しちゃうと「入れもの」だけの人間になっちゃうから。人間には欲望に従わなきゃいけないときがある気がする。

北沢:そうだよね。カネコさんは猫と一緒に暮らしてるからわかると思うけど、動物って欲望に忠実だからさ(笑)。むしろ「これが正しいよね」って言いたくなる。

カネコ:毎日なってます、いま。「これになりたい」って友達とよく話してる。特に二匹いるうちの小ちゃいほうがそういう感じで。さっきまで寝てたのに、気づいたらもう瞳孔がんがんに開いてスライディングしてるし、遊びたいときはおもちゃ隠してるとこに無理やりよじ登って全部持ってきたりとかするし。「生物って、こんなにわがままになれるんだ!」って。

北沢:このコロナ禍の時期には生きものと一緒に暮らすことが救いになった人もたくさんいるよね、きっと。

カネコ:私の場合はとにかく猫に支えられたのは大きかったですね。猫がいてくれて本当によかったって思いました。もちろん日々よかったと感じているけど、コロナ禍では感謝しきれない存在だった。

北沢:孤独を救ってくれた?

カネコ:それもあるし、気持ちが死にかけているときに「なんで?」みたいな顔して来られて、「たしかに」ってなったり。

私自身がコロナに感染しちゃったのもすごく大きくて。その期間は、一緒にいたいからっていう気持ちで感染のリスクを背負わせるのはちょっと違うなって思って、猫は友達に預けてたから、支えもなくなっちゃったし、完全に孤独になってしまった。

でも、そのときバンドのメンバーや事務所の方が、「今日は何が食べたいですか?」って連絡くれて、みんなが差し入れをドアノブに掛けてくれたりして、救われたんですよね。改めて、人の頭の片隅にいることってすごいことだなって思いました。

北沢:気にかけてくれる人がいるってことは、それだけで本当にありがたいよね。

カネコ:だからもっと丁寧に接しなきゃいけないと思ったし、簡単に傷つけたりしたらいけないなって思いました。「やさしい人間になりたいな」って、すごく考えましたね。

4. “星占いと朝”――大切な誰かを想う歌詞の奥にあるSNS社会への眼差し

北沢:最初の3曲のあとに“星占いと朝”がきて、ちょっと動き出すというか、<いけしゃあしゃあと平気なふりをしたい / 冷たい紅茶を一気に飲み干して>って「ここらでシャキッとしたいぜ」ってなる感じがこの曲にはある。

カネコ:そうですね。“星占いと朝”はすごくいい位置にあるなって思ってます。

カネコアヤノ“星占いと朝”を聴く(Apple Musicはこちら

北沢:この曲は去年の4月に『爛漫 / 星占いと朝』っていうカップリングのシングルで出たけど、<君が僕の街の灯り>ってフレーズが、最初に聴いたときから超好きで。本当にそう思うときってあるんだよね。

カネコ:住みたい街って人それぞれあると思うんですけど、好きな人とか友達とかがいることによってその街とか、その場所、空間を好きになることはあると思うんですよ。

北沢:うん。だし、<君のことずっと考えて朝>ってことも、きっと誰にでもあるよね。それは恋愛に限らず大切な人のことを心配してる時とかもさ。

カネコ:うん、ありますよね。

北沢:22世紀にもあってほしい⋯⋯なかったらどうしよう。

カネコ:あってほしい。簡単に眠れる薬とかできて市販されるようになったら、そういう夜もなくなっちゃうんだろうな。

北沢:『ブレードランナー』(1982年公開の映画、監督はリドリー・スコット)の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(フィリップ・K・ディック著。原作刊行は1968年)では、自分の感情や気分の上げ下げを自在に調節できる「ムード・オルガン」っていうマシンに、みんな依存してるんだよ。

カネコ:これからそういうの出てきそうですね。

北沢:でもそれってさ、便利に見えるけど本当の気持ちを捻じ曲げることじゃない?

カネコ:そう思う。だから本当の自分もわかんなくなっていっちゃう。

北沢:すでにかなりの人々がそうなってる感じがあるよね。

カネコ:SNSとか見すぎて人と比べちゃうようになって。

北沢:そう。SNS上では「盛る」のが当たり前になってて、盛りすぎてもう本当の自分に戻れない、虚飾しかない、みたいな。

カネコ:一旦盛り始めると中毒になっちゃう。SNS上の誰かを基準にしちゃうと、生きづらくなっていきますよね。

北沢:ちょっと立ち止まって考えてほしいですね。

カネコ:本当に、本当にそう思います。もっと公園行ったりしたらいいと思う。きっとそういうこともしてるんだろうけど、考えちゃいますね。

5. “栄えた街の”――<いつまでも守りあおうね 私たちは>と歌う、胸の内にあるもの

北沢:“栄えた街の”は去年のコロナ禍をすごく反映した曲ですよね。

カネコ:結局出ちゃってるなって思います。

北沢:実際にこうだった、って思う人は多いんじゃないかな。そういう意味で、これはみんなのアルバムだと思う。<憎らしい暑い夏も / 今では恋しく思えるよ>って、今年はどうかわからないけど、去年はどこへも行けない夏だったから。

カネコ:つらかった。合宿はあったけど、どこにも行ってないですからね。

北沢:<庭には皮肉にも花が咲く>って、たしかに皮肉にも、だよね。

カネコ:うん、花には関係がないですから。

北沢:「栄えた街の」って、タイトルが過去形になってるでしょう。今、栄えてる街じゃなくて。

カネコ:たしかに、そうですね。もうすでにできあがってるというか。

北沢:<栄えた街の夢よりも争うことから / いつまでも守りあおうね 私たちは>っていうラストヴァースのラインには、これまでにないくらい強いメッセージが込められてると思った。

「高度経済成長期の夢よもう一度」なんて、もはや到底不可能な幻想を国から押しつけられるのをきっぱりと拒否してる――深読みかもしれないけど、僕にはそう聞こえたんだ。「栄えた街」って、もしかすると「日本」かもしれない、って。

カネコ:ははは、たしかに。

北沢:もっと言えば「東京」であったり、今日ここに来る途中に目撃した「渋谷」なんかも、街全体をスクラップ・アンド・ビルドしてる真っ最中の、東京の中でもいちばん「栄えた街の夢」が大きいエリアだと思うんだけど。

カネコ:すごく栄えた街の古いビルの上で、シーツとかタオルとかバサバサバサって干されてるところ、実際けっこう見かけるんですよね、全国的に。あれは印象的っていうか、かっこいいなーって思って、いつも見てました。

北沢:映画の記憶に残るシーンみたいな感じだね。

カネコ:そうそうそう。「あれを歌にするか」みたいな感じで書きましたね。

カネコアヤノ“栄えた街の”を聴く(Apple Musicはこちら

北沢:<栄えた街の屋上で干されたシーツは / よく似てる 裸のままの私たちと>っていうイメージもすごく鮮烈だし、<高い丘の上でここまできたと / 疲れては腰を下ろす / 今ごろ歌でも歌えれば>って、今の日本でどうにか生きてる僕らの実感そのものじゃないかと。

ラストヴァースの<いつまでも守りあおうね 私たちは>から、<上手に泳げなくても ふたりだけは>って約束を交わす場面で最後を締めるところも相当グッとくる。あの過酷な状況の下で、よくぞここまで射程距離の長い奥行きのある歌を生み出したなー、すごいよカネコさん⋯⋯! って感動した。これは、去年身の周りで起きた出来事を焼きつけてる歌でもあるんじゃない?

カネコ:うん、そうですね。支え合いだったなって感じですかね。いや、「だったな」じゃなくて「ですね」かな。守り、守られ、っていう感じはこれからもそうだなって思います。だから、ちゃんと話をしたいって思いますね。

北沢:たとえば、誰かに食事を作るってこと自体が、その人を守ってることにもなるよね。

カネコ:なると思います。たとえば、どちらかが疑問に思ってることを聞いてあげるのも、守るってことだと思う。そうやって対話することって、「苦しさから救い出してあげる」みたいな感覚もあるから。

カネコ:“抱擁”の歌詞じゃないけど、突き詰めると<月の光を忘れないで>ってことに尽きるかなって思いますね。

北沢:一言でいうと、スマホに依存しすぎないで、たまには空を見上げて、人と対話して、なにかを美しいって思える心を持とうよ。そしたらきっとお互いを支えあったり、思いやれたりできるはずだから――ってことかな?

カネコ:そうです、そうです。それに、お互いがつらいときのケアが積み重なって大きな信頼になる場合もあれば、そういうときに少しのきっかけで一気に崩れてしまう場合もあると思うんですよ。だから私たちは、ささやかなところから頑張らないといけないと思う。

6. “閃きは彼方”――「元通りになんかならなくていいから、君の気持ちが大事だよ」

北沢:“閃きは彼方”はカントリーポップな曲調にのせて、歌い出しから<僕らの日々へ僕らが誠実であれよ / 世界が一度終わりを迎える>ってドキっとさせたあとに、<やり直せるよ 元通りじゃない>って続く。「元通りじゃない」ってことを前向きに捉えて「よくしていこうね」って呼びかけでもあるのかなと思った。このままズルズルと滅ぶ方向にいっちゃいけない、歯止めをかけなきゃ、っていう。

カネコ:そうなんですよ。どう頑張っても元に戻らないと思いますからね。現状の回復をやればいいだけであって、完全に戻すということは別にしなくていい。古傷みたいなものを完全に元通りにしようとするからつらいのでは? 元通りになんかしなくていいから、君の気持ちの方が大事だよって、すごく思う。

北沢:<会って話したい 君と>って歌詞があるけど、対話の大事さは、今のカネコさんにとって最も歌うべき切実なことなんだろうな、って話を聞いてても思う。

カネコ:コミュニケーションをサボる人が多すぎる世の中だなと思うんですよね。

北沢:人間同士いろいろ面倒なことも多いけど、それをすっ飛ばすとどうなるのか。

カネコ:人としても、生きることにも深みがなくなるよって思ってる。

北沢:失敗するのは誰だって嫌だけど、失敗しないと経験値にならないものね。

カネコアヤノ“閃きは彼方”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

7-8. “春の夜へ”、“窓辺”――メンバーとの関係性が音に溶け込んだ、体温のあるバンドサウンド

北沢:“春の夜へ”から“窓辺”という流れもまたすごくよくて。この並びしかないなー、って思う。“春の夜へ”のセカンドヴァースに<歩幅が合わなくなってきても>っていう一節があって、“窓辺”のセカンドヴァースには<歩くのが遅いから私は合わせられない>っていう一節があるのを見ても、この2曲はつながっているなと。

カネコ:この2曲も結構気に入っていますね。

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北沢:カネコさんの曲はさ、生活感があるのが最高にいいよね。そうじゃない音楽も全然あっていいし、素敵な絵空事がほしいときもあるけど、生活感がある音楽って、自分のすぐ隣にいてくれる感じがするからね。

カネコ:ちゃんと体温を保ってる音楽を作りたいなって思います。メンバーと私の関係性やレコーディングで過ごした時間が、愛とか温もりに変わって曲になるかな、って思うときはある。バンドメンバーのみんなもいろんな気持ちや思い入れを持って演奏してくれてると思うから。

北沢:そうだよね。レコーディングに集った全員の想いが、カネコさんの歌を支える一音一音に滲んだり溢れたりする様が、聴いててわかるもん。

カネコ:そういうのがないと無理ですね。

北沢:関係性がちゃんと「カネコアヤノの音」に昇華されてる。距離が近い関係同士だと<あのとき言った言葉を忘れないよ>(“春の夜へ”)って思うこともあるよね。

カネコ:いろんな場面で思いますね。いい言葉も傷つけられた言葉も。

北沢:「君は忘れてるかもしれないけど、私は覚えてる」みたいなね。

カネコ:そうなんですよ。いいことも悪いことも両方ありますよね。だから私は友達とかほんとに傷つけたくないです。メンバーのみんなのことも大好き。大事にしたいです、心から。

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9. “腕の中でしか眠れない猫のように”――クライマックスを間近に再生される、2020年を生きた想い

北沢:“爛漫”っていう、このアルバムのなかでもメインと言える曲の前に、“腕の中でしか眠れない猫のように”が置かれてる。去年配信した曲だからなんか懐かしい感じで。

カネコ:もはやね(笑)。

北沢:ここで去年を思い出す感じになるというか、「この曲、本当に好きだったなー」って最初に聴いたときの気持ちを思い出すんだ。しかもこうしてアルバムの一部として聴くと、アルバムのなかでもいちばん可愛い曲だとわかって、さらに愛着が増すという。

カネコ:嬉しい!

カネコアヤノ“腕の中でしか眠れない猫のように”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

北沢:<真っ赤なギターに埃がかぶる>っていう描写には、去年ライブができなくなったリアリティが反映されているだろうし、<傷つけた / 雨の匂いが 頬を寄せ合うたびに / 私たちいつも頑張っているね>っていう一節も、コロナ禍での人間関係の難しさを感じてる人には響くんじゃないかな。

<ねえ 悪い夢の話を聴いて>っていう最後のラインも、“栄えた街の”の<いつまでも守りあおうね 私たちは>っていうラインと、どこか共鳴してるような気がする。

10. “爛漫”――溢れるように、爆発するように、いまの自分を鳴らしたアルバムバージョン

北沢:“爛漫”のサビの<お前は知るのか / 季節の終わりに散る椿の美しさを>っていう胸に飛び込んでくるような強い言葉、改めてすごいなって思う。それに<身体が火照るような赤、赤、赤い色 / ぼくの心の様>って続くけど、赤って「生きてる!」って感じがする色だよね。

カネコ:嬉しい。いろんなものが溢れているというか、いちばん前向きな曲は、結局、“爛漫”かもしれないですね。

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北沢:アルバムに入っているのは録り直したバージョンなんだよね?

カネコ:そうですね。“星占いと朝”もそうだけど、曲がライブで育ってしまったがゆえに、並べて聴いたときに全然馴染まなくて。コロナ禍の生活を知らない曲だからかな、とか思って。だったらこの曲は、コロナ禍を経た私が歌ったほうがいいなって思いました。でも実は、それでも納得がいかなくて、ギリギリまで歌い直しをしましたね。

北沢:『よすが』は春に出るアルバムだし、春爛漫っていうじゃない?

カネコ:うん。

北沢:春爛漫っていう言葉からは、コロナ禍じゃない平常時の、桜が咲き誇っているような情景が浮かぶ。でもこの曲には、季節の変化と、コロナ禍を突破したいというみんなの願いと、カネコさん自身の大きな節目が重なって、また新しく始めるという心境も含めて、いま僕らを取り巻いているもののすべてが記録されてる気がする。そこに録り直した意味があると思うんだよね。

カネコ:そこが伝わるといいなって思いますね、結構違うので。

北沢:テンポ感とか。

カネコ:うん。みんなの音圧がなんか違うかな。

北沢:そうだね。シングルのほうが軽快な感じはする。

カネコ:歌い方もさらっとしてるんですよね。

北沢:そうだね、アルバムのほうが情念が濃いかも。

カネコアヤノ“爛漫(album ver.)”を聴く(Apple Musicはこちら

カネコ:アウトロの林くんのギターは勝手に入れてたやつなんですけど、あとで聴いてめっちゃウケました(笑)。“爛漫”は、みんなが今やりたいことを好きなようにやってくれてますね。

北沢:なにかが渦巻いてる感じがするよ。カネコさんとバンドのメンバーの出す音って、いつもすごくいい感じのサイケデリックなニュアンスがあって、そこが今の主流のJ-POPと違う感覚なんだよね。すごくロックンロールな、ガツンとくる感じ。

カネコ:みんな「ギターってかっこよくない?」「めっちゃ声デカくてウケる」みたいなところで生きてますからね。

北沢:そういうところで音楽をやれているから、きっと音の粒子ひとつにも感情が宿るんだろうね。

カネコ:そういうことをわかってくれる人たちと一緒にできるのは、素晴らしいことだなと思います。

11. “追憶”――アルバムの幕を引く、さりげない歌に埋め込まれたもの

北沢:最後にちょっと短い“追憶”っていう曲があるけど、このさりげない置き方にすごく響くものがあったんだよね。

カネコ:あー、嬉しい。その場所にいることが?

北沢:うん。“爛漫”でアルバムを締めくくることもできたと思うけど、そうしないで、“追憶”で終わらせたところにドラマを感じる。歌詞がまたいいよね。<本棚に積み重なってる / あれは夢も希望もないぜ>ってところがドキってするんだけど、つらいことも含めて、いろいろな思い出にお礼を言ってる曲に聞こえる。

カネコ:それはもう完全にそうですね。音楽とか表現をやってるなら、そういうことも全て作品にする以外ないですからね。

北沢:<君はいつも死にたがった私を / 連れ出してくれたね>っていうフレーズに万感こもってるもん。でも、最初に言っときますけど! っていう感じで、<わたしなにもわるいことしてない>って言わずにいられないところが、カネコさんらしいなと(笑)。

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泣きながら、誰も悪くないと歌うのは……「生きるのなんて不器用でいいですよね」

北沢:『祝祭』も『燦々』も本当にそうだったけど、カネコさんはそれぞれの時期で記念碑を作ってるよね。

カネコ:そうですね、毎回そうかも。『祝祭』以降のアルバムは特に、毎回どれも好き。

北沢:今回は『よすが』ってタイトルも象徴的というか、何かのよすがになるものってそれだけで尊い。それに必ず弾き語りアルバムの『~ひとりでに』を出してくれるところも嬉しいんだよね。

カネコアヤノ『よすが ひとりでに』を聴く(Apple Musicはこちら

山元(CINRA.NET編集部):僕からひとつ質問させてください。『よすが』を繰り返し聴いていて、「誰も悪くない」って言葉がすごく気になって。1曲目の“抱擁”で<悲しい きっとこれは誰も悪くなくて>と歌って、最後の“追憶”にも<わたしなにもわるいことしてない>って歌詞があるのは、すごく印象的だなと。

カネコ:だって実際、誰も悪くないって思うしかないことばかりじゃないですか。

山元:そうなんですよね。誰も悪くないはずなのに、世の中には不幸が⋯⋯世界規模じゃなくても、個人レベルでも、「あの人もきっと悪くないはずなのに、どうしてこうなってしまったんだろう?」って悲しいことがいっぱいあって。

「あの人はそういうつもりで言ったはずではないかもしれないけど、私は傷ついた」とか「相手のこともわかるんだけど、でも実際私は苦しい思いをしてる」みたいなことはどんな人間関係にもありふれて存在していますよね。特にコロナ禍以降の人と人の関係は、生活様式の変化とともにそのあり方自体が変わってしまったわけで。

カネコ:わかる、くぅ~! わかります。

山元:カネコさんは、そこで誰かを断罪するようなことは決してしないし、誰も悪くないんだってことを悲しいぐらいに感じながら、でも自分の負った苦しみや傷をなかったことにしない、というか。そういうことを歌ってくれている曲たちだなということを思います。<まるで私が聞き分けの悪い赤子のようにぎゅっと>って“抱擁”で歌っているけど、代わりに泣いてくれている感覚というか。

北沢:だからね、そういうときは<私は怒る>(註:『燦々』収録の“明け方”の一節)でいいんです。

カネコ:いいんですかねぇ。

山元:“手紙”のときに欲望を殺して、我慢しすぎるとただの「入れもの」みたいになっちゃうって言ってたけど、本当にそうだと思う。

カネコ:ですよね。魂を殺したくないです。機械みたいにご飯をとりあえず食べて、何時に寝て、とりあえずボーッとNetflix見る、みたいな生活、私は嫌だなぁ。

山元:そういうなんの無駄もない、あそびもない生活もそうだけど、スマートに生きることとか、効率重視の回り道をしない生き方って心に悪いというか、生きてんだか死んでんだかわかんないなと思います。

カネコ:うん。生きるのなんて不器用でいいですよね。だってそのほうがおばあちゃんになったときにいろいろ知ってていい気がする。

山元:逆に言うと、ただ前に進むだけ、目標を達成するだけの人生だったらそこまで難しくないかもしれないというか。人生に限らず、仕事とかアーティスト活動においても同じことが言えるのかなと。

カネコ:そうそう。なんかね、そのときどきでちゃんとギュって立ち止まったり休んだりすることも忘れたくないですよね。やっぱり「マックうまい」って一生言える自分でいたいし、その辺の居酒屋にみんなで行くこともずっと楽しんでいたい。そういう自分を一生忘れたくないなって本当に思います。

カネコアヤノ『よすが』を聴く(Apple Musicはこちら

リリース情報
カネコアヤノ
『よすが』(CD)

2021年4月14日(水)発売
価格:3,000円(税込)
NNFC-09

1. 抱擁
2. 孤独と祈り
3. 手紙
4. 星占いと朝
5. 栄えた街の
6. 閃きは彼方
7. 春の夜へ
8. 窓辺
9. 腕の中でしか眠れない猫のように
10. 爛漫(album ver.)
11. 追憶

カネコアヤノ
『よすが』初回生産限定盤(LP)

2021年4月14日(水)発売
価格:3,500円(税込)
NNFS-1007

[SIDE-A]
1. 抱擁
2. 孤独と祈り
3. 手紙
4. 星占いと朝
5. 栄えた街の

[SIDE-B]
1. 閃きは彼方
2. 春の夜へ
3. 窓辺
4. 腕の中でしか眠れない猫のように
5. 爛漫(album ver.)
6. 追憶

カネコアヤノ
『よすが ひとりでに』(CD)

2021年5月19日(水)発売
価格:2,500円(税込)
NNFC-10

1. 抱擁
2. 孤独と祈り
3. 手紙
4. 星占いと朝
5. 栄えた街の
6. 閃きは彼方
7. 春の夜へ
8. 窓辺
9. 腕の中でしか眠れない猫のように
10. 爛漫

カネコアヤノ
『よすが ひとりでに』初回生産限定盤(カセット)

2021年5月19日(水)発売
価格:2,500円(税込)
NNFT-1002

[SIDE-A]
1. 抱擁
2. 孤独と祈り
3. 手紙
4. 星占いと朝
5. 栄えた街の

[SIDE-B]
1. 閃きは彼方
2. 春の夜へ
3. 窓辺
4. 腕の中でしか眠れない猫のように
5. 爛漫

イベント情報
『カネコアヤノ TOUR 2021“よすが”』

2021年5月27日(木)
会場:広島県 JMSアステールプラザ 大ホール

2021年5月29日(土)
会場:福岡県 福岡市民会館

2021年6月3日(木)
会場:北海道 札幌市教育文化会館

2021年6月13日(日)
会場:宮城県 仙台電力ホール

2021年6月26日(土)
会場:石川県 金沢市文化ホール

2021年6月28日(月)
会場:大阪府 大阪オリックス劇場

2021年6月30日(水)
会場:愛知県 名古屋市公会堂

2021年7月6日(火)、7月7日(水)
会場:東京都 LINE CUBE SHIBUYA

プロフィール
カネコアヤノ
カネコアヤノ

弾き語りとバンド形態でライブ活動を行っている。2016年4月に初の弾き語り作品『hug』、2017年9月には初のアナログレコード作品『群れたち』を発表。2018年に発表したアルバム『祝祭』は『第11回CDショップ大賞2019』入賞作品に選出。2019年に発表したアルバム『燦々』は『第12回CDショップ大賞2020』大賞<青>を受賞。2021年4月14日に新作アルバム『よすが』を、5月19日には弾き語りアルバム『よすが ひとりでに』を発表。5月からは全国ホールツアーを予定している。



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