石原都知事、新銀行東京にTWSの若手作家の作品購入を提案

多くの不良債権を抱え、度々メディアを騒がせている新銀行東京に対して05年11月、石原都知事の提案でトーキョーワンダーサイト(以下、TWS)を通じて絵画の購入をしていたことが発覚した(下記引用元参照)。

同銀行開業の05年春頃に本店に訪れた知事が応接室を見て、「殺風景だから」という理由でTWSで発表している若手作家の作品を飾ったらどうかと提案していたのだという。

絵画を購入した11月頃には、すでに融資の焦げ付きが始まっていた頃のようで、その他TWSの人事なども含めて、「公私混同」などと批判の対象にさらされているようだ。

作品は3点を52万円で購入。絵画作品の価格としては決して高くはないし、株主である東京都の文化事業であるTWSから絵画を購入するということは、果たしてそこまで取り沙汰される問題なのだろうか。

たしかに、不良債権の肥大化と投資先銀行の私有化とが全く別とも言い切れないが、問題の根本は絵画購入という行為の外にあるとしか思えない。

文化事業に対する支援があまりにも乏しいこの国で、今回のような出来事で(もちろん膨大な金額で購入されていたら問題だが)、今後企業や行政が文化に対する投資・支援を渋るということが助長されてしまっては、益々この国の文化土壌は貧しいものになってしまうのではないだろうか。

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