『早稲田文学』、川上未映子を表紙に3年ぶりの復刊

2008年4月1日、『早稲田文学』が復刊する。同誌は早稲田大学の文芸誌として1891年、坪内逍遥により創刊された。しかし採算面の理由から原稿料支払いが滞り、休刊・復刊を繰り返しながら今に至っている。第十次『早稲田文学』となる今回の復刊は、2005年5月の休刊から実に3年ぶりだ。

同誌編集長の市川真人氏は、本誌休刊中も隔月刊のフリーペーパー「WB」を刊行し、全国で配布。先に芥川賞を受賞した川上未映子氏に発表の場を与えるなど、新人育成を怠らなかった。

その川上氏が表紙を飾る復刊第1号には、同氏はもちろんのこと、早稲田文学新人賞の選考委員を務める中原昌也氏、同賞出身の萩田洋文氏、向井豊昭氏ら「ワセブン育ち」も寄稿する。

今号では、ヌーヴォー・ロマン研究で知られる早稲田大学らしく、アラン・ロブ=グリエ追悼特集も組まれた。同誌は今後、季刊で刊行を続ける。なお、「WB」の刊行も今まで同様、隔月で行っていくという。

文芸誌がいずれも苦戦を強いられる中、新生「ワセブン」はどのように戦うのか。今後が楽しみだ。

『早稲田文学』
2008年4月1日予定
執筆者:篠山紀信、川上未映子、田中りえ、間宮緑、中原昌也、伊藤比呂美、星野智幸、萩田洋文、向井豊昭、クロード・シモン、芳川泰久、山崎敦、平岡篤頼、蓮實重彦、中森明夫、小林茂、清水徹、蓮實重彦、福嶋亮大、水谷真人、大杉重男、島田雅彦、いとうせいこう、若島正
価格:933円(税別)
発行:早稲田文学会
発売:太田出版

(画像:早稲田文学編集室ウェブサイトより転載)

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