批評家の佐々木敦による日本の現代思想史をまとめた新書『ニッポンの思想』が、7月17日より講談社から発売中だ。
本書は、1980年代から現在に至る「ニッポンの思想」の変遷を、著者なりの視点から辿り直したもの。1964年生まれの著者が、浅田彰、中沢新一、蓮實重彦、柄谷行人から大塚英志、宮台真司、東浩紀といった書き手たちを、個人的な記憶や折々の実感を交えつつ捉えなおしていく。
「日本」から「ニッポン」へと、思想界に大きな「切断」が起こったという80年代とは、いったいどんな時代だったのか。そして、今後起こるとされる新たな「切断」とは。思想の担い手ではなく、一介の「読者」である著者ならではの「歴史=ドラマ」が記された、格好の現代思想入門書となっている。